その手をにぎりたい (小学館文庫) [Kindle]

  • 小学館 (2017年3月12日発売)
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みんなの感想まとめ

人との出会いや別れを通じて、自己の居場所を見つける物語が描かれています。主人公は、銀座の高級寿司店での経験を通じて、自分の人生の選択を見直し、東京に残ることを決意します。彼女と寿司職人との関係は、時代...

感想・レビュー・書評

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  • 上司に連れて行ってもらった銀座の高級寿司で出会ったお寿司と寿司職人に惹かれて、田舎に帰る事をやめ、東京に残る事を決めた女の子の物語。

    主人公と寿司職人の関係が、時代背景と共に描かれていて素敵なお話でした。

  • もともと、自分の居場所はこの街になかったのだ。青子はようやく認めた。誰にも拒否されなかったから、たまたま豊かな時代だったから、必死にしがみつくことが出来ただけだ。

    何故、それだけは嫌だ、と頑なに思い込んでいたのだろうか。そうやって生きていく先に、確かなものが待っている可能性を、何故考えなかったのだろう。物が溢れた場所でなければ確かなものをつかめない、と何故決めつけていたのだろう。

    夢のような時間を自分のお金で買ったのだ。たとえ、消えてしまっても、あの手触りは永遠に心に残り続けるだろう。

    「本木さんの貪欲なところが苦手でしたけど、最近は見習った方がいいのかなって感じるんですよね。本木さんは、まずその街で一番美味しいお店を見つけるでしょ。それで足繁く通って常連になる。どんな時でもちゃんと食事する。ささいなことに見えるけど、いつも自分の足場を確保し、満足するチャンスを見逃さないってことなんだろうな。」

    男女の中に過渡期があるように、女友達も心がぴたりと合わさる時期があり、やがてその高まりは少しずつ薄れていく。ずっと続いていく穏やかな友情や愛情もあるのだろうが、ついに自分は手にすることが出来なかった。しかし、一時でも彼女達と強くつながった瞬間があったことを、大切に記憶しておこうと思う。それでいい。今あるものだけでいい。多くを求めすぎると、すべてを失うことがある。

    それが大人の暮らしだ。頭にあるのは常に明日の段取りと他人のことばかり。それを、寂しいだなんて思わない。そうやってこれから先も生きていく。


  • 『始まりがあって終わりがある。
    そんなに誰かと深く関われることなんてない』
    いつの間にかいなくなっていく関わり、ありませんか。Xはあんなに仲良くしていたのにいつの間に。向き合って付き合えるって大事な人

  • 主人公の青子が彼氏から振られ、友達から裏切られ、誰にも言えないけどずっと心の支えにしていた一ノ瀬さんの結婚についても知らされるシーンは本当につらくて、読む本の選択を間違えたかも…って思った。

    途中で読むのをやめようと思ったほど。

    でも身体も悪くして自暴自棄になっている青子に
    「あなたのことをただの客だと思ってるんですか?」
    と怒られたり、
    「あなたが稼いだお金でお寿司を食べに来てくれているのなら、それで商売している自分だって同罪だ」
    なんて寄り添うところはグッと来た。

    最後にカウンターにならんでお互いに告白しあって、手をつないでいるシーンはすごくいい。
    恋人とか結婚という形にはなれなくても、
    お互いに好きになったことは無駄じゃなかったんだな、
    尊いことなんだなと思ってほろっと来ました。

    この本に出会えてよかったです。

  • BUTTER同様、
    前半は主人公に共感できるのだけど、
    物語が進むにつれて、
    共感の範疇を大きく超えて冷めていく...

  • kindle unlimitedにて。
    軽い気持ちで読み始めたけど、めちゃくちゃ良かったです。
    噂に聞くバブリーな時代。
    男をアッシーメッシーなんて呼んで、他人の時間やお金を奪っていた女性が多かった時代に、自分の力(時代の力も確かにあるけど)で稼ぎ、食べる主人公。
    そして、恋愛だの結婚だの、わかりやすいカテゴリーに分類されない主人公とその相手の気持ち。
    ラストに向けて、静かな感動が押し寄せてきました。
    恋愛ドラマ・恋愛小説もうええわ、ってなってる人にこそ読んでほしい!

  • そう、この味だ。青子の運命を大きく変えたのは。醬油味のしっかり染みこんだ鮪とふんわりとほどける舎利に、自然と目を閉じる。  続けて、あおり烏賊、小鰭、鰺、赤貝、ウニ、と次々に注文していった。

  • 初柚木さん。

  • おもしろかった。バブル時代の銀座の一流寿司屋。上司に連れられたその寿司屋に通う為に、故郷に戻るのをやめ、不動産屋に転職した主人公。食べ物の描写はさすが柚月麻子。本当に美味しそうで、お腹が空いてる時は読めない。特に寿司が好きでもなく、食べ物にこだわりがない自分とは縁のない世界だからこそ、好奇心いっぱいで読み進められた。20代で一流寿司屋のカウンターに1人で堂々と食事ができる女性なんて、男女平等が当たり前の今の時代でも中々いないと思う。一回の食事が人生を大きく変えるほどの出来事になるなんて、人生のターニングポイントって色々だなと思った。寿司屋の職人への想いがサブテーマとして彩りを与えていて、最高のラストだった。

  • バブル期の東京の華やかな社会人生活を過ごしながらもずっと何かが足りていない青子‥人に決められるのではなく自分で選択し続けたところはすごい!もっと柔軟に生きられたらいいけど‥

  • お寿司を食べるときやお寿司屋さんの表現がとても良く、食にあまりこだわりのない私でも良いお寿司を食べたい!という気持ちになった。奢って貰うのではなく自分で稼いだお金で食べることが自由だ、という考え方も素敵で最近読書を始めた食通の友達に勧めようと思ったら、主人公が急に寿司職人さんに対しての性的な妄想が激しい描写があり勧めるのはやめました笑
    食と性は関係あるのは分かるんだけど、なんかあまりにも直接的な表現で少々引いてしまった。しかも寿司屋で笑
    ストーリーとしては後半尻つぼみのような虚しさが残った。
    華々しいバブルで若い時代を過ごしその後バブル崩壊と共に主人公も歳を取り落ち着くというのは確かにリアルではあるがなんか身も蓋もないような寂しさ

  • ラストがあまり好きになれず…
    時代とともに青子の生き方が変わっていく様子は面白かった。
    お寿司がとにかく美味しそう。

  • その手をにぎりたい、という気持ちはすごく良くわかる。もう一度寝ても良いかな、と言う気持ちは全くわからない。

  • 80-90年代に東京を生きた強い女性の10年。色っぽいのに清々しい読後感。

  • セールで安くなってる中から気になって購入したのですが、あいませんでした。

    主人公の青子さんが全然魅力的に思えず……。
    特に目の前にいる男性を傍から見てもわかるくらい性的な目で見てた辺り、ちょっと気持ち悪かったです。
    誰かのためになにかをする優しさというものが青子さんからは全く感じられず、常に自分のことばかりだし、それを汚れてるなどと開き直ってるところも好きではありませんでした。
    終わり方も好きじゃありません。奥さんの気持ちを考えるとただ嫌な気持ちです。

    この方のランチのアッコちゃんはそんなに悪くなかったんですけど。1人で生きるかっこいい女感の違いなのかな。
    青子さんに共感できれば、面白く読めると思います。
    お寿司の描写はとても美味しそうでした。

  • audibleにて

    バブル期を生きる女性が、粋な鮨屋とその職人と共に歳を重ねていく。青子の変化が、生き生きとした変化である時も、崩れていくような変わり様の時もあって、共感しつつも苦しさもあった。

    仕事をして、自立して、好きなものを食べ、満たされるという自分を幸せにする行為も、振り返れば何も生まなかったと感じる気持ち。多分色んな人が同じような気持ちになる時があると思う。

    好きな人にも選んでもらえない、誰からも選んでもらえない。仕事でもマスコット扱い、のめり込んで働いても男性とは同じ評価をもらえない悲しさ。

    青子が自分を満たすために鮨屋に通ったり、そこできちんとした振る舞いを身につけていく姿は素敵だと思った。

    しかしこれまた飯テロ作品というか、もうお寿司が食べたくて仕方なくなる。

  • バブル期はこんな贅沢な生活してたんだな~って思ってちょっと羨ましくなった。
    青子のバリバリ働いて1人でも生きていけるような生き方は私から見たら理想的だけど、年齢を重ねたらまた違ってくるものなのかなと思った。
    この本読んでたらお寿司食べたくなって食べ行っちゃった(^ ^)

  • 生魚が食べられないので、全くピンと来なかった。
    今さらバブル?
    自立した女の話??
    今じゃこんなの全く珍しくないし、年齢の描写が多いけど、今は全くそんなことないし。
    その変化を楽しむための小説なのか…?

    主人公の女も全然イメージわかなかった。
    (地味で真面目で芋臭いってわけでもなくチャラいぽいけどそんな洗練されてそうでもなく、主張が強いようなそうでもないような。仕事ができる人たらし感もよくわからず)

    柚木麻子の小説は好きだけど、うーん…となった。

    自分の支払いで好きなものを食べる
    「自分の力で好きなものを好きなだけ。誰にも青子を縛る権利なんてないのだ。」
    この辺は好き。

  • 柚木さんの本は読みやすくてどんどん引き込まれる。
    田舎から上京し仕事に打ち込みながら、運命の鮨屋と出会い、思い悩む主人公の女性。
    バブル期の時代背景ってこんな感じだったんだなと。
    人生で大切なものは何かを考えさせられる。
    家以外にこんな憩いの場所があるのも素敵だなと憧れる。

  • 手に入りそうで入らない、確かなようで危うい。さすが柚木麻子!といった、もどかしいながらも希望を感じる作品でした。

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著者プロフィール

1981年、東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。2010年、同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞を受賞。2017年に刊行された本作は2024年に英訳され、日本人初のブリティッシュ・ブック・アワード受賞、ウォーターストーンズ・ブック・オブ・ザ・イヤー選出など4冠を達成。世界的ベストセラーとして日本文学の新たな可能性を示し、第7回野間出版文化賞を受賞

「2026年 『BUTTER』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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