- 東洋経済新報社 (2017年3月10日発売)
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みんなの感想まとめ
経済的自立と生きる力をテーマにしたこの書籍は、貧困に苦しむ女性たちが融資を受けることで自らの力で生活を立て直す姿を描いています。お金だけではなく、彼女たちがどのように稼ぐかを考えることが重要であり、そ...
感想・レビュー・書評
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このタイトルの「グラミン銀行を知っていますか」という問いかけに対して、私の答えは、この本を読む前までは「NO」であった
貧困層の人々のために銀行が少額の融資をする(マイクロクレジット) そんな銀行があるなんて
銀行が、返済不可能な人にお金を貸すなんてと
しかし、この本を読み、バングラデシュの貧困層の暮らしの現実、特に、女性の置かれた地位の低さを知るにつけ、貧しさゆえに夢を持てず、自分の能力も発揮できないだけなのだと知らされた
そして、このグラミン銀行は、単なるお金の貸付業務をやるだけでなく、会員に毎週、集会の開催を義務づけ、そこで、名前を書くことを覚えたり、家族計画の大切さ、水の浄化の仕方などを学び、貧困から脱出するための決意を新たにするのだ
グラミン銀行とメンバーが話し合いで決めた自分たちが目指すべき「貧困のない生活』
⑴ トタン屋根の家を持つ
⑵ 家族全員にベッドがある
⑶ 安全な飲み水がある
⑷ 衛生的なトイレを持つ
⑸ 就学年齢が達した子ども全員が学校に通える
⑹ 冬用の暖かい衣料が十分にある
⑺ 蚊帳がある
⑻ 家庭菜園がある
⑼ 生活がどんなに苦しい時でも食料不足にならない
⑽ 家族の大人の働き手全員が十分に収入が得られる機会をもつ
この人たちの置かれた環境が如何なるものかこれを読んだだけでも想像ができる
借りた資金で、鶏や牛を買い育てたり、雑貨を買って売ったり、手芸の材料を買い、手工芸品を作り売る
わずかな利益の中から返済し、さらに資金を借りる
バングラデシュの女性は、実によく働く
意思とは無関係に早々と結婚し、男性に依存して生きていくしかなかった女性たちが、ここで借りた資金を元手に、少しずつ自分の手で収入を得、自信や希望を持っていく様が同じ女性として嬉しかった
我が家に以前デパートで買ったノクシカタ刺繍のテーブルクロスがある
これはバングラデシュの農村の女性が全て手作業で刺繍したもので、フェアトレードで売られているものだった
改めて、このテーブルクロスが作られた背景を考え、大切にしなければと思った
グラミン銀行創設者であり、総裁のムハマド・ユヌス氏は、この功績が評価され、ノーベル平和賞を受賞された
ことは、この本を読んだ後グラミン銀行についてネットで調べて、分かったことだ
今では途上国から先進国までマイクロクレジット機関が広がっているそうだ
この本は、著者が博士論文を全面的に書きかえたもので
現地を回ったレポートが淡々と書かれているだけである
が、新しい知識が増えるというのは、なにものにも代え難い喜びがある
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お金だけもらっても、私はどのように稼いだらいいのか毛頭検討がつかない。
彼女たちはお金さえあれば、自分で稼ぐことができる。
なんという、生きる力だろうと思った。
それに比べて私は、ある意味で何もできないなあ。 -
貧しい人々に慈悲ではなく、融資し、生活を成り立たせるようにしている銀行。それは、経済面だけでなく、教育を満足に受けれない人々の精神的な自立にも繋がるっている。貧困とは、自然とできたものではなく、人工的社会的に作られたものである。
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