賢者の弟子を名乗る賢者 THE COMIC 1 (ライドコミックス) [Kindle]

  • マイクロマガジン社
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感想・レビュー・書評

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  • 慌ただしく送り出される旅の幕開けも悪くはない。

    日本人青年→激シブ老賢者→のじゃロリというまさかの三段階変身を遂げた主人公、の。
    旧友を探すクエスト型異世界転移ファンタジー『賢者の弟子を名乗る賢者』のコミカライズ作品です。

    はじめに断っておきますと、この一巻はハイペースで進行します。
    説明文の挿入が目に付く上に、間を置く暇を置かずにイベントを起こしていくので結構忙しくて情報を頭に入れるのに時間がかかるかもしれません。

    細かいところが説明不足で、特にサブキャラのスピード狂にして好青年、戦車団副団長ガレットがなんとなくそこそこ偉い人な御者として、いつの間にか説明なしにいるのでちょっと面喰いました。

    とはいえ、アーマードジープによる出撃を後半の一回だけに圧縮してきたのは上手いですね。
    もちろん、その辺は原作小説で補完すればいいのでWIN-WINの関係で参りましょう。

    漫画版二巻のあとがき説明のネタばらしになるのですが、コミカライズ版一巻は原作小説一巻分の内容を一冊で消化しないといけない縛りと、好評につき連載継続が決定したという経緯があったらしいのです。

    その分、ご新規さんが手を取りやすく=コンテンツの入り口にもなっているというのはその通りですが、二巻以降は駆け足のペースでなく漫画向けに再構成しつつ、嬉しいオリジナルも加えてくださっているのでご安心ください。

    あえて文量をかけて寄り道の楽しさを書くのが原作小説の特徴のひとつだと思うのですが、漫画という制限の中でもちゃんと遊び心を加えているのは素敵ですね。
    もちろん、サービスシーンは外さずツボも押さえてらっしゃいますよ。

    で、そのコミカライズを担当されるのは「すえみつぢっか」先生。
    女装(&TS)ジャンルにこの人ありと謳われる人です。
    絵柄と作風が完成し、すでに『おとまほ』コミカライズなどで実績のある方を引っ張ってこれたのは大きいということで安定感があります。
    大体のファンタジックなオブジェクトとかモンスター、メカニック、老人から美少女まで必要なものはここ一巻で書けると証明しています。

    お人形さんみたいな美少女主人公ミラが微妙にやっちゃいけないリアクションを繰り広げまくる上に、テンション高めなかけ合いを繰り広げるのが漫画として理想的というか楽しいんですよ。
    これに比べると、原作は打てば響くような反応がいまいち足りてなかったかなと思わせるくらいには。

    無防備な仕草などにもこだわってらっしゃいますし、納得のドヤ顔&決めポーズが可愛いかったりで漫画の限界を越えてすごく動き回ってる印象があります。

    絵情報の力は素晴らしいということで、主人公の所属国である「アルカイト王国」主要都市の位置関係などがしっかり頭に入った気がします。

    繰り返しますが、街並みや景勝の風物に加え、爺さん→ロリのギャップを見せないとまず話にならないという意味で、キャラクターの年齢層や肉付きによる描き分けも保証されているようなものですし。

    別に戦闘に重きを置く作品ではないですが、絶妙に油断気味なミラちゃんに対して読者が向けるヒヤヒヤ感を小説ではなく、漫画ならではの距離感で楽しめるそんな漫画であるとも感じました。

    巻末には原作者による書き下ろし短編を収録。
    尺の都合上、いいところを削られた臣下たちの普段の姿を見ることが出来、また本編開始前の日常風景がパズルのピーズを埋めるようにしっくり来るものだったと言っておきます。

    総じて、原作を含めて表紙買いをした読者を裏切らない作りになっていると断言できる完成度の高さです。

  • 祝漫画化
    原作はWeb小説(連載中)。加筆変更したのが書籍版。この漫画版は書籍版がベースかも(書籍版は2巻でやめたから断言できない)。Web版は最初期から追っかけているので感慨深いなぁ。購入動機も半分お祝いみたいなもの。
    さて漫画の出来だけど、、、正直駆け足な雰囲気を感じた。キャラの掘り下げも浅い。読んだあと何も残らない。薄い。恐らく書籍版1巻と同じ内容を漫画1巻に詰めた結果じゃないかと思うが、そんな事せずに巻数を揃えなくていいからがっつり濃厚に描写してくれ。
    当面の目標としてソウルハウルを追っかけていくが、かーーーーなり(リアルで5年かかった)後にならないと出会えない。尤も、他の九賢者と遭遇するし精霊王と契約したり楽しい旅路ではあるが。
    原作は一時期エタリかけていたが見事復活し、今では安定して週一更新できている。あとがきの作者の生活水準が年々向上しているのが別の意味で面白い。最新話が気になる人はWeb版へ。

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