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感想・レビュー・書評
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タイトルにひかれて衝動買いしてしまった。本書は組織開発の専門家が書いた本で、組織開発やチームビルディングのノウハウが寓話形式で書かれている。寓話ということで、読みやすいのだが、どうしても寓話要素が強すぎて、伝えたいことがぼやけている気がする。物語の最後に著者が伝えたいことがリスト化されて載っているので、エッセンスだけを得たい人はそこを読むだけで十分かもしれない。いくつか組織開発についての本を読んだことがある人は、著者のコッター氏の他の作品を読んでみるのがよいだろう。大人向けというより、中学生や高校生がチームビルディングについて学ぶための取りかかりとしては丁度よいと思う。
海に魚を取りに行くペンギンがクジラやシャチに食われるということを、この本を読んで初めて知った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チェンジマネジメントと呼ばれる、変革を起こすやり方を物語形式で紹介。
書評で気になり購入。かつて留学時代に学んだ授業の理論そのまんまでびっくり。すぐ読めるので、ビジネス以外でも活用してほしい。 -
ジョン・コッターの「変革の8段階のプロセス」がベースになっている寓話。
いかに危機を回避するかそのプロセスと、危機を回避した上にカルチャーが変わるところまでが描かれている。聞くは易し、本当にやるのが難しい。 -
アジャイルの参考資料として購読。アジャイルの進め方、変革の進め方について、寓話形式で書かれており、さらりと読める。
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#図書館
#評価の背景
読みやすい!
#本から受け取ったメッセージ
常にアンテナを張って、変化していかないと人も組織も生き残れない
#Action
チームで動くとき、自分はどのペンギンになりたいのか意識する -
2023/12/04
翻訳ものはやはりどうしても頭にすっと入ってきづらい。絶賛されている寓話とのことだけれども、新しい気付きや自己の反省に結びつく何かがあった訳でもなく、すぐに内容を忘れてしまいそうという漠然とした予感。
考え方を変えることはできるけど、感じ方を変えるのはなかなか難しいというか、咄嗟のことなんだから不可能に近い気もする。咄嗟の感情をどう噛み砕くか、その過程を変えることはできる気もするけれど、それもなかなかどうして難しいことだと思うし。 -
面白かった
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アメリカン・エキスプレス・インターナショナル日本社長 吉本浩之氏
自らに変化を促す
2022/9/3付日本経済新聞 朝刊
本は天職である事業変革の仕事を支えてくれる。
30代半ばに米ゼネラル・エレクトリック(GE)で複数の変革プロジェクトを任されました。そこから企業の変革を推進するチェンジエージェントが自分の使命、天職だと意識するようになりました。『チーズはどこへ消えた?』と『カモメになったペンギン』はそのころから読んできた本です。
この2冊のメッセージは、世の中が変わり、競争相手も環境も変わっているので自分たちも変わらなければならない、というものです。『カモメ~』の著者であるジョン・コッター氏は米ハーバード大のリーダーシップ論の先生で、企業変革の確固たる理論がバックにあります。変革を推進するには危機意識を高めることや、最初に小さい成功を繰り返すことが重要だということを、寓話(ぐうわ)にして非常に分かりやすくまとめています。
これまでに海外も含めていろんな会社組織で社員たちにこの2冊を薦めてきました。人間はもともと変化を嫌います。「できれば変わりたくない」という人たちにいかに火をつけるか。変化することが自分にとっても会社にとってもいいことなんだという、これらの本のメッセージを分かってもらうことが大切だと考えています。
反応を見ているとその組織の状況が良く分かります。ポテンシャルがあり強い問題意識を持った組織では、まず幹部社員が「自分の仕事を今後はこうしようと思っています」といった所感をすぐに伝えてくれます。若い人たちも「この会社をどうにかしたい」「この本を読んで明日からすべきことが分かりました」などと感想を寄せてくれる。外国人社員の問題意識は総じて高く、ベトナム、メキシコで大きな反応をもらったこともありました。
一方、問題意識が低い会社では、これらの本を薦めてもなかなか反応がない。組織によって社員の反応が異なりこれが企業変革を進める際の一つのバロメーターにもなっています。
偉大な経営者の自伝から学ぶ。
リーダーの本は迫力があり、説得力もあり、失敗談もたくさんある。人間臭さも感じられ、他人の人生を追体験できるのが一番の良さです。人生を一つ得したような気になります。自分の姿を重ね合わせ、偉大な経営者にどうしたら近づくことができるのか。そんなことを考えながら読んでいます。
なかでもGEの最高経営責任者(CEO)を務めたジャック・ウェルチ氏と、米アメリカン・エキスプレス(アメックス)に入る前に私の上司だった永守重信・日本電産会長の著書は大好きです。私から見ると、このお二人はものすごくストレートなリーダーシップがあるところがよく似ています。自分自身がエネルギーを持ち、人の情熱に火をつけて、高いビジョンに向けて組織を動かしていく。永守会長には6年余り、近くで薫陶を受けさせていただき、多くのことを学びました。
『パーパス経営』の名和先生は日本電産時代からお付き合いがあり、企業の存在意義や志を考える参考になりました。アメックスは米国で170年の歴史があり、西部開拓のゴールドラッシュで荷物を安全に運ぶサービスからスタートしました。日本法人も1917年にでき、人々の旅行を手助けしてきました。「世界最高の顧客体験を提供する」という志があるからこそ、組織に一体感があります。
京都で過ごした高校時代は歴史小説に夢中だった。
小学生のころから本は好きでしたが、高校時代には歴史小説をよく読みました。司馬遼太郎さんの本が大好きです。私は生まれも育ちも京都なので、『竜馬がゆく』に出てくる寺田屋など、ゆかりの地が身近なところにある。八坂神社のそばにある公園に竜馬像があって「自分もいつか世のため人のため」とか誓いを立てたこともありました。戦国時代よりも幕末・明治の本が好きです。日本をよくしたいという志にワクワクします。
今でも本は寝る前に必ず読んでいます。読まないと眠れない。休日の朝にも読みます。出張などで飛行機に乗る時も4、5冊は持ち込んでいます。
(聞き手は編集委員 柳瀬和央)
【私の読書遍歴】
《座右の書》
『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社)
『カモメになったペンギン』(ジョン・P・コッター、ホルガー・ラスゲバー著、藤原和博訳、ダイヤモンド社)
《その他愛読書など》
(1)『ジャック・ウェルチ わが経営』(上・下、ジャック・ウェルチ、ジョン・A・バーン著、宮本喜一訳、日本経済新聞出版)
(2)『成しとげる力』(永守重信著、サンマーク出版)
(3)『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント著、山崎康司訳、ダイヤモンド社)
(4)『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』(フレッド・ライクヘルド著、鈴木泰雄訳、ランダムハウス講談社)
(5)『パーパス経営』(名和高司著、東洋経済新報社)
(6)『たのしか』(武田双雲著、ダイヤモンド社)。娘が武田先生の書道教室に通って以来、家族ぐるみで懇意に。
(7)『竜馬がゆく』(司馬遼太郎著、文春文庫)
(8)『三国志』(吉川英治著、講談社文庫など)
よしもと・ひろゆき 1967年生まれ、京都府出身。91年大阪大卒、日商岩井(現双日)入社。GE、日産グループを経て18年日本電産社長。21年6月から現職。