- Amazon.co.jp ・雑誌 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 4910159230677
感想・レビュー・書評
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太陽エネルギーをその中に閉じ込めたプランクトンの死骸が変化したもの…。
石油のものがたり ー 月刊たくさんのふしぎ
2017年6月号。字の大きさは…大。2022.04.04~21読了。★★★★☆
私たちの生活に欠くことが出来ない石油について、多くのイラストと解りやすい文章で書いたものです。
石油は、太古から地表にしみ出しているものを接着剤や薬として使われていました。エジプトのミイラは、腐らないように石油の成分を死者の躰に塗った。「創世記」によると、水がしみ出してくるのを防ぐために、ノアの方舟の外側には石油の成分が塗られていたなど。
いまは、石油から作ったガソリンで自動車が走り、重油で飛行機が飛び、灯油でストーブを燃やします。火力発電所では、石油を燃やしお湯を沸かし、その蒸気の力で大きなタービンを回して、電気を作ります。また、服、靴、家の壁や道路にも石油が使われています。身の回りにある色んなものが石油から出来ています。
その石油は、赤黒い液体ですが。取れる場所によって、その成分が少しずつ違うため黄色いバターのような物や、薄赤色のサラサラした液体のものがあります。
石油は、海の太陽光を利用して育つ植物プランクトンの死骸が海中に沈んで堆積したものです。が、プランクトンは、微生物の餌になりますが。いまからおよそ1億年前「白亜紀」に大きな海底火山が噴火し、地球の気候ががらりと変わり、海中のプランクトンを食べる微生物が呼吸できなくなってほとんどが亡くなりました。そのために植物プランクトンの死骸はあまり食べられなくなり、海底まで到着します。
植物プランクトンは小さい生き物ですが、ちりも積もれば山となり。数十万年あまりもの間、たくさんの死骸が、たくさんの太陽エネルギーを体内に蓄えたまま海底にたまりつづけます。死骸を含んだヘドロが、やがて厚い層となります。深く埋もれたヘドロは、地熱によって温められ、やがてゆっくりとゆっくりと変化していきます。何百万年、何千万年という長い時間をかけて、ヘドロはいつしか石油に変わって行きます。
【読後】
石油が1億年も前の太陽エネルギーをその中に閉じ込めたプランクトンの死骸が変化し、長い時間をかけて変化したものだという事を解りやすく描かれています。何回も読み直して、よく分かりました。本当に「たくさんのふしぎ」は、私の知らない事やあやふやな事を教えてくれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はオイルショックの年に生まれた。いわゆる団塊ジュニア世代の第二次ベビーブーマーだ。化石燃料には限りがあるといわれ、公害や地球温暖化云々、そして今はSDGsだという。今はガソリン車だけでなく電気で走る車も多いので、石油をダイレクトに使う感覚が徐々に薄れてきているのだけれど、その歴史を知ってこそ、これからを考えられるというものだ。見えないとつい忘れてしまうけれど、恩恵も受けつつこれからの暮らしを考える一助になった。
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現代の環境問題を考える上で、私たちの生活に欠かせない石油について学ぶことが必要である。この本では、石油について分かりやすく学ぶことが出来、環境問題を学ぶきっかけになる。
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燃料としてさまざまなものの素材としてふだんこれだけお世話になっておきながらほとんど考えたこともなかった「石油」の正体にせまる。19世紀半ばに油田開発が始まる前にも、地上に染み出した油がさまざまに活用されていたという歴史も興味深く、地下の油田の埋蔵量は計り知れないながら、このペースで人間が浪費してしまってだいじょうぶなのか、という一抹の不安をいだきつつ、石油を見る目がかわる一冊。木版画の挿絵が味わい深い。
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「石油はどのようにしてできたのでしょう?
自動車や船、飛行機の燃料として、また、ものを作る原料として、石油は現在私たちの暮らしにかかせません。その石油は、どのようにしてできたのでしょうか? 石油の歴史は、恐竜たちが暮らした太古の時代の海で、植物プランクトンが大量発生したことに始まりました。プランクトンの死がいがなぜ石油になったのか? どうして日本ではあまりとれないのか? 「地球がためこんだ太陽エネルギー」石油のなぞにせまります。」