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感想・レビュー・書評
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天才的な伏線回収
構成が『蛇行する川のほとり』に似てた
最後は恩田陸さんらしい終わり方でゾッとした、、(他の方々はこの意味深なラストをどう捉えたのか気になります)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恩田さんの書く芸術家達はロクでもないのが多いな。だから死ぬんだけどね。
生まれ変わりとかは信じてないので、もしあらすじ通りだったらなんだかな〜と思っていたけど、刷り込み怖いねって思えるラストで良かった。
倫子みたいな女ほんと嫌いだわ〜って思えるくらいのクソ加減を上手く書けててすごい。
ミステリーだけど途中までホラー読んでるような感覚だった。面白い。
ところで秒って名前は果たしてどうなの?兄弟がいたら分とかになるのか? -
5/19読了
10年近く前の作品なのに今の時代読んでも全く古臭くない。
というよりも恩田陸作品はいつ読んでも通用する、でもどこかずっと昔の日本の出来事みたいな不思議な感覚を抱かせる世界観が素敵だなと思う。これを一言に「ノスタルジアの魔術師」なんて薄っぺら過ぎる、この入り組んだ重厚な世界観や手法はそんなもんじゃないでしょ…
スマートフォンとか通信機とか変に機械的なモノや、あるいは人智を越えた不可思議なモノとかを使わないのに、どんな複雑怪奇な現象も成立させてしまう。
それはひとえに筆者の力量であり、引き出しの多さ。 -
万由子は、上司と友人と一緒に展覧会に来ていた。画家の没後25年の遺作展に。会場で何か不快な暑さを感じた。訪れた人が多いのはそうだが、それだけでなく何か不快感を感じるのだ。それは入り口にあった絵からだと気づいた。そしてその感じが他の絵からも伝わってきて、喉の渇きがだんだんと我慢できなくなり、逃げなくては、とまで、万由子は思ってきた。