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感想・レビュー・書評
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もうこういう分析本みたいのは買わない、と思っていたんだけど、ネットで偶然この本の一部、鴻巣さんが、「騎士団長殺し」に出てきたサラダがとても昭和っぽい、と書いているところを読んで、おもしろそう!とついキンドルで即買って読んでしまった。でも、先に読んだ、「メッタ斬り」と同じじゃんと思うところもけっこうあって、もうこういう分析本はいいやという気にもなったり。。。
「メッタ斬り」にしろこの本にしろ、書いている人たちがみな50代というのがなんとも。この本でも鴻巣さんが、キャンディーズとYMO出してきてて(「騎士団長殺し」は村上春樹の、「微笑み返し」であり、「解散」「散会」である、と。ここで一度今までの村上春樹をぜんぶ出し切って次からは新しい村上春樹、みたいな)、世代的にぴったりでキャンディーズもYMOも大好きなわたしはうれしかったけれども、やっぱりものすごい「昭和」感。。。。
うーん、やっぱり村上さん、もはや前時代的なんだろうか。おしゃれではなくレトロなんだろうか。。。
昔に書かれた小説を今読んで古めかしいところがあるのは当然だけど、今書かれたものが古めかしいのはやっぱりなあ。。。
「騎士団長殺し」が「微笑み返し」であることを願う。次からは新しい村上さんを読みたい。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「騎士団長殺し」についての対談本が2冊も出ているとは知らなかった。両方とも自分も自分だが、ハルキストとかプロと言われる人がどう読んでいるのか、自分の感想とは何が違うのか、興味がある。裏返せば、自分に自信がないだけかもしれないが。
それで、本書から得られた最大のポイントは、本書がこれまでの村上作品の集大成であるという説。本書では、キャンディーズになぞらえて、「微笑返し」と呼んでいるが、これは結構納得してしまった。それと、グレート・ギャツビーやキャッチャー・イン・ザ・ライの影響とか、やはり専門家の視点は面白い。
免色さんの評価については、悪人説とナイスミドル説に分かれたが、個人的には後者を取りたい。 -
B&Bでのトークに行けなかったので、これで読めて嬉しい。
「騎士団殺し」を読んでから読むと、そうそう!と楽しめます。
「騎士団」は、あそこにここにと引っかかるところがたくさんあって、おそらくどんな読者もうまいこと引っかかるようになっている。切り口がたくさんある。つまりは、どの層の人も楽しめる多重構造がしっかり出来ているということでもあり、一種の(よく出来た)テーマパークになっているんだなと思う。
オマケの「鴻巣友季子による春樹'sバー風メニュー写真集」、とってもいいな。 -
<春樹の「微笑み返し」>に、うなった。すごい。めっちゃわかった。
性交、出産の部分で村田沙耶香さん出してきたり、春樹デビュー作との対比等々、なーるーほーどーーな読み方が満載で、1ヶ月半かかったけれど元本よんでよかったなぁ!とむくわれた気持ちです。