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感想・レビュー・書評
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ウェルベック、凄いなあ。あくまでもフィクションであり小説であるとしっかり意識して適切な距離を保って読まないと現実と混同しそうな危険さ。それだけ巧い。ウェルベックの頭の中では複数の人がブレインストーミングをしてるんじゃないかと思う。読む価値あり。
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『セロトニン』を読み終わって、『服従』を半分まで読んだが、気分が悪くなってきて「もっと別の本に時間を割こう」と思った。
元大学教授の女性が、かつてはおしゃべりで、主人公から「両生類」と描写されていたが、途中から、料理の才能だけ褒められてセリフすらない辺りで、もう続けるのは無理だった。
この世に本はたくさんあるんだし、無理して読むべき本でもない。
「ポトフ女」と「(寝るための)若い女」でみんなが救われる世界がどうか来ませんように。 -
結構エッチな描写が各所にあっていかにもフランスものって印象なのだが、通勤2往復で読めるくらいのお話だ。宗教観に乏しい日本人の一人として、わからない気分というのもあるのだが、パリでイスラムを標榜する者たちによるテロがおこったばかり、イスラム政権の誕生もあながち架空のものとは感じられないというのが、フランスの気分なのだろう。
解説の佐藤優が言うように、「知識や教養がいかに脆いものであるか、対するイスラムの想定する超越神は強い」のかもしれない。ただ一夫多妻の理論は、男の理屈で、世の半分の女たちが納得するとは思えず、うちのヨメは猛反発だろうな。オレも富の極端な偏在こそが、人としての社会だというのは、なんだかなあである。30年先のヨーロッパはどうなっていることやら。
・人間の絶対的な幸福が服従にあるということは、それ以前にこれだけの力を持って表明されたことがなかった。それがすべてを反転させる思想なのです。
・イスラム教徒の真の敵、彼らが何より恐れ憎んでいるのはカトリックではなく、世俗主義、政教分離、無神論者たちの物質主義です
・裕福なサウジ女性はまったく中を見ることのできない黒いブルカに日中は身を包み、夜になると極楽鳥に姿を変え、ガーター付ビスチェ、透かし模様のブラジャー、華やかな色のレースと宝石に彩られたストリングスを身につけるのだ。西欧の女性は、それとは逆で、日中は社会的ステイタスが掛かっているから上品かつセクシーに装い、夜、家に帰ればぐったりと疲れ切って、魅力を振りまこうなんて考えを放棄し、だらだらとリラックスした服に着替えるのだ
・フランス軍は33万人を雇っています、毎年の雇用人数は約2万人です。ほぼ15年でフランス軍スタッフの全体が総入れ替えということになります。もし若い活動家が大量に軍隊に志願するならば、彼らは比較的短期間で、軍を思想的にコントロールするようになるでしょう -
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