透明な迷宮(新潮文庫) [Kindle]

  • 新潮社 (2017年1月1日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと特殊な性的な描写の多い短編集だった。
    何に興奮して、誰と交わり、その経験は、自分や未来の自分に一体どんな影響を与えるのか。

    中でも「透明な迷宮」は、「マチネの終わりに」のB面のような印象を受けた。
    「透明な迷宮」の美里は「マチネの終わりに」の洋子。(熱に浮かされた夢)
    「透明な迷宮」の美咲は「マチネの終わりに」の早苗。(現実)

    強烈な引力に導かれるような「運命的な出会い」「ふたりの間に起きた経験」「共有した時間やエピソード」は、いくら年月が経とうと、別の誰かとどれだけ努力して、愛を育み、表面上問題なく上手くいっているように見えても、決して上書きされることはない。

    たとえ同じ人に見えようと、「その人本人でない」「それらの経験」が“ある”と“無い”だけで、愛は全く違うものになってしまう。
    運命の悪戯という「透明な迷宮」。

    ─── 彼らの一瞬は、永遠へと飛躍しない。しかし退屈した永遠が、酔狂に、こんな取るにも足らない一瞬に身を窶す、ということはあるのだった。

    彼らは、美里や洋子を心底から欲しながらもそこに未来はない、時間と愛を築き上げてきた美咲と早苗を最終的に選ぶのだろう。

    愛とは何か、正しさとは何か、生きるとは何か。

  • (2014/12/11)
    「分人」の平野啓一郎氏の本を続けて読むこととなった。
    こちらは小説。短編集。
    性にまつわる話がちらほら。

    うーん。
    私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) や
    空白を満たしなさい
    で感じた著者の鋭さを感じることが出来なかった。

    消えた蜜蜂
    ハワイに捜しに来た男
    透明な迷宮
    family affair
    火色の琥珀
    Re:依田氏からの依頼

    タイトルにもなった透明な迷宮は正直理解不能。

    銃を扱う話しもシチュエーションはどきどきものだが、
    落ちがいまいち。

    火にのみ性的興奮を覚える男の話しは興味深かったが、
    キャンドルの炎を見て何とか生身の女性と交わる、
    というところになんだか違和感。
    放火して興奮する方が自然な気がして、、、。

    演出家の奥さんの頼みで小説を書く話も、
    演出家が奥さんから抜け出したがっているのやら依存しているだけなのやら、、

    著者が進化し、私が成長していないのかもしれないが、
    なんだか小説から見えるものがなかった。

  • audibleにて

    どれも不思議な世界観の短編集。

    消えた蜜蜂
    個人的には一番好きな話。郵便局勤務の男が、他人の筆跡を完璧に真似て葉書を書き写しし続ける。

    ハワイに捜しに来た男
    これも悪い夢を見ているような雰囲気。自分に似た男を探すように言われるが、全く見つからない。

    透明な迷宮
    旅先で出会った者同士で愛し合うように脅され、実行したのち日本で再会する。再び会った女性は雰囲気が変わっていたが…

    family affair
    亡き父の遺品として拳銃が見つかる。家族はどのように扱うか考えあぐねる。

    火色の琥珀
    朝井リョウさんの「正欲」を思い出した。

    Re:依田氏からの依頼
    なんとも不思議な読後感。あまり読了感は良くないが、依田氏とその妻は人とは違う世界に生きることになった人のような感覚

  • 村上春樹より静かなかんじ。卑猥だが汚くない。難解かと思っていたので短編は虫食いに読むのによい。

  • ふむ

  • p.2023/1/22

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著者プロフィール

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒業。1999年、在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』で、第120回「芥川賞」を受賞する。
主な著書に、『葬送』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』『ある男』等がある。

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