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Amazon.co.jp ・電子書籍 (216ページ)
感想・レビュー・書評
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ちょっと特殊な性的な描写の多い短編集だった。
何に興奮して、誰と交わり、その経験は、自分や未来の自分に一体どんな影響を与えるのか。
中でも「透明な迷宮」は、「マチネの終わりに」のB面のような印象を受けた。
「透明な迷宮」の美里は「マチネの終わりに」の洋子。(熱に浮かされた夢)
「透明な迷宮」の美咲は「マチネの終わりに」の早苗。(現実)
強烈な引力に導かれるような「運命的な出会い」「ふたりの間に起きた経験」「共有した時間やエピソード」は、いくら年月が経とうと、別の誰かとどれだけ努力して、愛を育み、表面上問題なく上手くいっているように見えても、決して上書きされることはない。
たとえ同じ人に見えようと、「その人本人でない」「それらの経験」が“ある”と“無い”だけで、愛は全く違うものになってしまう。
運命の悪戯という「透明な迷宮」。
─── 彼らの一瞬は、永遠へと飛躍しない。しかし退屈した永遠が、酔狂に、こんな取るにも足らない一瞬に身を窶す、ということはあるのだった。
彼らは、美里や洋子を心底から欲しながらもそこに未来はない、時間と愛を築き上げてきた美咲と早苗を最終的に選ぶのだろう。
愛とは何か、正しさとは何か、生きるとは何か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2014/12/11)
「分人」の平野啓一郎氏の本を続けて読むこととなった。
こちらは小説。短編集。
性にまつわる話がちらほら。
うーん。
私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) や
空白を満たしなさい
で感じた著者の鋭さを感じることが出来なかった。
消えた蜜蜂
ハワイに捜しに来た男
透明な迷宮
family affair
火色の琥珀
Re:依田氏からの依頼
タイトルにもなった透明な迷宮は正直理解不能。
銃を扱う話しもシチュエーションはどきどきものだが、
落ちがいまいち。
火にのみ性的興奮を覚える男の話しは興味深かったが、
キャンドルの炎を見て何とか生身の女性と交わる、
というところになんだか違和感。
放火して興奮する方が自然な気がして、、、。
演出家の奥さんの頼みで小説を書く話も、
演出家が奥さんから抜け出したがっているのやら依存しているだけなのやら、、
著者が進化し、私が成長していないのかもしれないが、
なんだか小説から見えるものがなかった。 -
p.2023/1/22
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