ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット

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感想・レビュー・書評

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  • とても興味深い内容だった。

  • 認知心理学の学者でありながらノーベル経済学賞を受賞した作者による、「人はいかにして意思決定をし、間違いを犯すか」についてまとめられた作品です。

    「私たちにはパターンを探そうとする傾向があり、世界には一貫性があると信じている」
    「私たちの頭は因果関係を見つけたがる強いバイアスがかかっており、『ただの統計』はうまく扱えないからである」
    「起こらなかった無数の事象よりも、たまたま起きた衝撃的な事象に注意を向ける」
    (いずれも本文からの抜粋)などのことを実験や統計をもとに鋭く指摘しています。自分も確かにそういう判断や物のとらえ方をするなあ、と紹介されたどの事例でも納得させられてしまいます。

    自らの選択についてエラーを減らすことだけでなく、数字の見せ方や事実の伝え方など、生活や仕事の中の多くの場面で本書で得た知識を応用してみたくなりました。

  • 私たちの思考は、実は「システム1」と「システム2」という2つの異なる仕組みによって成り立っているということをこの本を通じて初めて知った。そしてそのことが、自分の日常の中でもいかに多くの場面に関わっているかを実感した。

    まず、システム1は直感的でスピーディーな判断を担当している。例えば「この人は信頼できそう」とか「この案は良さそうだ」といった感覚的な判断は、まさにシステム1によるものだ。一方で、システム2はもっとゆっくりと時間をかけ、論理的に物事を考える力を持っている。しかしそれにはエネルギーが必要で、誰でもいつも使いこなせるわけではない。

    この2つの思考の違いを理解したことで、自分が普段、どれほどシステム1に頼っているかを振り返るきっかけになった。特に印象的だったのは、社長や権威のある人の発言を無意識に「正しい」と感じてしまうのも、システム1の影響だという点だ。確かに、自分の中で「すごい人が言っているんだから間違いないだろう」と深く考えずに納得してしまう場面は少なくない。しかし、本当はそこにこそシステム2の出番があるのだ。疑問を持ち、一度立ち止まって考える。それが、より正しい判断につながるということに気づかされた。

    また、「認知容易性」や「プライム効果」「ザイアンス効果」など、人間の判断に無意識のうちに影響を与えている要素についても興味深かった。たとえば、自分の気分が良いときほど、システム1が優位になってしまい、警戒心が薄れてしまうという話は、自分の経験とも重なる。忙しい時や気分が良い日は、深く考えることを避けがちで、軽率な判断をしてしまったこともあった。そうした時こそ、意識してシステム2の思考を使うようにしなければならないと感じた。

    特に面白かったのが、脳は論理だけでなく「違和感」にも敏感だという点だ。「男の声で妊娠を語る」や「上流階級の言葉でタトゥーを話す」など、文としては成り立っていても、どこか引っかかるような例は、システム1が反応している証拠だ。私たちは言葉の意味だけでなく、その言葉の「あり方」や「文脈」に対しても無意識に反応しているのだと思う。

    最終的にこの本を読んで思ったのは、どちらのシステムも人間にとって欠かせない存在だということだ。システム1は速く、直感的で便利だが、間違いも多い。システム2は遅く、疲れるが、深く考えることができる。どちらかに偏るのではなく、バランスよく使いこなすためには、普段から様々な知識や経験を積み重ねていく必要がある。自分の思考の癖を知ることで、より良い判断ができるようになるのではないかと感じた。

  • audibleにて拝聴。上下巻ありなかなかボリュームがあった。

    最後のまとめでも述べられていたが、システム1とシステム2、econとhuman、経験する自己と記憶する自己といった思考モデルの対比によって人間の判断を考察していく様は興味深かった。
    完全に合理的な(論理に一貫性のある)判断ができる人間モデル=econの存在と、その存在を前提として立脚した理論への疑問提起はなるほどと感じた。行動経済学のように、心理学的なアプローチで、表現・提示順序などの本質的には無関係と思われる要素に、我々の判断がいかに左右されるものかと驚いた。
    スピードは速いが経験を基に直感的な処理をするため騙されてしまうこともあるシステム1と、時間はかかるが数値の比較など根拠を持った判断ができるシステム2という概念も考えさせられるものがあった。個人的には重要な決断はシステム2に関与させたいと捉えられる考え方を続けてきているが、案外に脆弱なのかもしれないとも思わされた。
    経験する自己と記憶する自己については、自分のこれからの判断にどう反映できるか決めかねている。本に紹介されている通り、今までの判断は概ね記憶する自己の満足度を高める方に振ってきた認識である。が、身体の休養などは、経験する自己の満足度を優先すべきなのではと感じた。このあたりももう少し自分の意見考えをまとめて今後の生き方にうまく反映していきたい?

  • システム1=速い思考=直感
    システム2=遅い思考=熟考

    -----------------------------------
    システム1に働く心理効果

    ■確証バイアス
    一度正解だと思ったことを後付けで正当化しようとするバイアス
    ■ハロー効果
    目立ちやすい情報を感情的に処理し、その後全ての判断をその感情に沿って判断すること
    ■アンカリング効果
    最初に提示された数字が後の判断に影響を与える効果

    -----------------------------------
    直感を効果的に働かせるには?
    直感を効果的に働かせるには「規則性」と「フィードバック」が不可欠。
    分析から生み出された規則性(パターン認識による判断基準)に基づいて判断する→即時のフィードバックを受けてその規律と現実の整合性を評価して、規則の方を修正する。
    このループを繰り替えることで、直感的な判断が失敗しにくくなる。

    -----------------------------------
    プロスペクト理論では、参照点と損失回避の観点から、人間の選択行動を説明します。

    ・参照点
    人が判断の基準とする数字
    ・損失回避
    参照点を軸に、各選択肢を選んだ時の損失を計算し、損失がありそうなものを避ける傾向

  • _

  • 3年前に買ってやっと読み切りました。
    面白かった。何回も読みたい。

  • 人間の思考システムを沢山の事例、データと共に記述されている。上巻、人が判断するシステムについて基本的な内容から始まり、判断する法則、バイアスに引っ張られて誤った判断してしまう等、「へぇ〜」と。個人的には下巻の方が面白かった。直感、楽観主義の話、幸せと感じる種類など。読み進めるのが大変だったがためになった。

  • 2025/02/14

  • 直感と理性。人の行動はその人自身の指針によって決まる。不合理だと思われる中にも、説明できる法則があることに納得

  • 少し古い本ですが、課題図書なので呼んでいます。

    おそらく大分昔々(もしかしたら10年前とかいうレベルで)英語版をKindleで購入しているのに、すっかり忘れて、日本語版を購入いてしまったらしい。家族に指摘されるまで気がつかなかった。英語版は通勤で読むこととしよう。

    この本は、すでに色々な本で似たような事例を引用されているのでしょう。全く知らない話ではないです。

    Marketing は、顧客に価値を提供するための手法として定義されていると思っていました。フィリップ・コトラー先生は、マーケティングの定義を「顧客のニーズに応えて利益を上げること」とおっしゃっていたはず。

    近年学んでいる「金融工学」や「行動経済学」では、マーケティングの定義がいかに人間の認知バイアスや心理などにアプローチして、購買行為に誘導するかの手法のこと呼んでいると感じています。

    Marketingでは、「存在を認識させる」という意味で「認知」と言う言葉を使ってきたのも知っています。

    でも、だんだんそういうレベルではなく、どうやって自分の方へ誘引するかと言う方向に変化しています。Nudgeという言葉も、定義が曖昧で、人の癖を巧みに操るような仕組みを指すような説明もあります。Nudgeを、人々がより良い選択を自発的に取れるように手助けする仕組みを指している説明もありまして、これはまさに前者の定義を正当化するための説明では?と疑わしくかんじることさえあります。

    さて、まぁ、このような社会をどのように生き抜くのか、ビジネスパーソンとしても、消費者の一人としても悩ましい世界になってきました。あまり好きではない分野ですが、面白いというよりは、どうやって自分や企業の倫理を考えていくのかを考えていきたいと思います。

    ところで、ファスト&スローのシステムに関しては、正直、そうかなぁ?と思ってます。

    直感と、後付けの理由はいくらでもつけられる、のほうが近いような・・・。まぁ、その後の議論がどうなったかわかりませんので、順次追っていきます。

  •  
    ── カールマン/村井 章子・友野 典男・訳《ファスト&スロー
    あなたの意思はどのように決まるか?(上・下)ハヤカワ文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B0716S2Z29
     
     Kahneman, Daniel 19340305 Palestine America 20240327 90 /
     
    (20240328)

  • ダン・アリエリー本から続く行動経済学のお勉強。ただ、全38章はさすがに長い。結局序論、結論を読んだ後、気になった用語の詳説部分を索引から探して読んだのみ。それでも事例は豊富だったので、全体を読んだ気になれた。ダン・アリエリー本の理解も少しは深まったかも。
    とくに面白かった事例を1つあげるなら、「イデオモーター効果」。自覚なしに、観念は行動のプライムになる。意見を聞く際、首を縦に振るだけで賛成寄り、横に振れば反対寄りになる……!?鏡の前で笑顔を作ればセロトニンが分泌されて〜という話も同じなのだろうか(行動→観念)。ということで(?)、ヘアドライ中は笑顔を作るようにしている。幸せになれているかは、わからない。

  • 2022/9/13読書会課題本

  • 素晴らしい

  • 上巻は基本編、下巻はそれを踏まえて、主にプロスペクト理論について書かれる。上下通じてわかりやすい例をあげながら進むので、専門でもなんでもない無知な自分でも読みやすかった。簡単にわかった気になれる。
    行動経済学や認知の歪みといったワードはつとに知られている。特にインターネットの浸透により、自己言及的に触れられることも多い。実生活で役立つように見えて、実際はそうでもない感はあるが(すぐ忘れるので)、読んでいるあいだは「ほ〜なるほど」とはなる。

  • 気分や、直前に見たもので、人の判断は変わる
    わかりやすい文章。見やすい絵からは、直感で判断。難しい文章や、読みにくいフォントからは、論理的な判定がでる。

    平均回帰。良いあとは悪い。悪い後はよい。

    ハロー効果。

    たくさんの項目で重回帰分析するなら、いくつかの項目で重みづけした方が、よい精度の予測ができる。

  • 認知バイアスの名著。行動科学分野では、この本が参考文献にされることも多いので、知っている内容も多かったが、一つ一つの実験の詳細や引き合いに出されたエピソードが面白かった。教科書執筆のプロジェクトのことなどは特に興味深かったです。

    以下はメモ。

    ・確率論的には同率であっても、その選択は心理的直感的に影響を受ける。価値は利得の領域でリスク回避を、損失の領域ではリスク追求を誘発する。

    ・意思決定分析においては、一般には決定の結果を富の総和で表すが、人々の主観的価値の実質的な対象は総和ではなく、富の変化(利得、損失、現状維持)である。そのため富の総和ではなく、利得と損失について分析を行うべき(プロスペクト理論)。

    ・別々に出されても同じ選択を必ずするはずという一貫性の原則は、参照点や他の選択肢によって影響を受ける(保有効果など)。

    ・利得の可能性がごく低い場面では人々は往々にしてリスク追求的(例:宝くじ)になり、損失の可能性がごく低い場面ではリスク回避的(例:保険)になる。

    ・代表性ヒューリスティックは、事前確率(基準率、例:農夫>図書館司書)を考慮せずに反応したり、標本サイズを無視してパラメーターを評価したり、ギャンブラーの誤謬、平均回帰の取り違えなどによって起こる。

    ・利用可能性ヒューリスティックは、見積もりで判断をする際に、身近な参照点を想起することで陥る。親近性、顕著性、最近性は思い出しやすくさせるバイアスにもなりうる。逆に想像しにくいものはリスクが過小評価されやすい。

    ・アンカリングによる調整のヒューリスティックは、初期値が決められた場合にそれに予想が引きずられること。

  • 人の無意識的、または直感的行動が非合理的である場合があることに対して疑問を抱き、そのことの改善を期待し読んでみた。
    印象に残ったことを挙げると、
    ・人は認知しやすく一貫性のあるストーリーを信じやすい
    ・リスクに対して無視するか重大視するか極端な態度しか取れない
    ・主観的事実と客観的事実を分けて考えるのは難しく、総合的な判断ができない
    ・経験する自己と記憶する自己があってそれぞれ快感と苦痛の捉え方は異なる

  • 【文章】
    読み易い
    【ハマり】
     ★★★★・
    【気付き】
     ★★★★・

    意識を向けなくても働"くシステム1"と、意識を向けて働かせる"システム2"によって、日々判断をくだしている。

    ・しかめっ面をすると、認知的負荷が高くなる。
    ・予見可能な規則性があり、かつその規則性を長期的に学ぶ機会があれば、直感をスキルとして習得できる可能性がある。

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