「学習する組織」入門 ― 自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践 [Kindle]

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  • ■学習する組織とは
    事業環境の変化に適応できる組織を指す。
    「学習」とは、「目的に向けて効果的に行動するための意識と能力を高めること」
    「能力」とは、ルーティンのこと。
    「意識」とは、行為者が外の世界や自分自身の行動、自身や集団の心理変化にどの程度気づいているか、ということ。
    →つまり「目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織」

    ■学習する組織の構造
    以下の3つの力、5つのDisciplineを統合して伸ばしていく必要がある。
    ①志を育成する力
    1.自己マスタリー:個人向け。自身の能力と意識を伸ばし続けること。
    2.共有ビジョン:組織向け。組織のメンバーが共有していただく未来への憧憬のこと。そのためには目的意識が必要。

    ②複雑性を理解する力
    1.システム思考:物事のつながりや全体像を見て、本質について考えること。重要な原則は、構造がパターンに影響を与える、ということ。

    ③共創的に対話する力
    1.メンタルモデル:現実を解釈し、行動するか判断する際の思考の枠組みのこと。メンタルモデルは無意識で行動できるように昇華されるが、それが現実に即し、目的達成に役立つかどうかを見極める必要がある。
    2.チーム学習:チームにおけるメンタルモデル。すなわちアラインメント(合致)の状態を作ること。

  • 特に、システム思考とメンタルモデルという2つのディシプリンが重要だと思った。この2つは意識すると物事の本質をより捉えやすく、改善すべきところが見えてくるので、仕事以外の普段の生活でも役に立つと思った。

  • 【メモ】
    ・学習する組織=目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織
    ・組織学習=組織内で知識を創造・保持・移転するプロセス
    ・自己マスタリー=継続的に私たち個人のビジョンを明確にし、それを深めることであり、エネルギーを集中させること、忍耐力を身につけること、そして現実を客観的に見ること
    ・共有ビジョン=私たちが創り出そうとする未来の共通像であり、組織全体で深く共有されるようになる目標や価値観や使命
    ・システム思考=システムのパターン全体を明らかにして、それを効果的に変える方法を身につけるための概念的枠組み
    ※システム=一般に相互作用する要素の集合体
    ・メンタルモデル=私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、深く踏み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージ

  • 複雑な環境下でも自律して成長し続ける組織について調べているうちに本書にたどり着きました。
    1990年にピーター・センゲが出版した「The Fifth Discipline」(邦訳「最強組織の法則」1995年)を分かりやすく、実際の現場に落とし込みやすいように著者が再構築してくれているので、非常に読みやすかったです。

    組織をつくる事に携わる人は非常に参考になる本なのではないでしょうか。

    内容をざっくりとはしょると、
    「学習する組織」をクリス・アージリスは「学習と成長の意思を有する人に成長のチャンスを与え、自らも学習して進化する組織」と定義しており、そのために5つのディシプリンが必要だと論じています。
    ※以下5つのディシプリン本文より抜粋
    ・自己マスタリー……ビジョンと現実の両方を見据えて探求・内省を行い、自ら意識的に選択を行うこと、そして根源とつながって自身のあり方を磨き続けること
    ・システム思考……組織や市場や社会における相互関連性を理解すること、多様な個の集まった全体性を感じること
    ・メンタル・モデル……自らの思考やコミュニケーションの開放性を保つこと、そして、自らの無知を知りながら真実を愛する心を育むこと
    ・チーム学習……メンバーたちが「今ここ」にありのままにいてエネルギーを集め、メンバー間の意図や理解が「合致」した状態を生み出すこと
    ・共有ビジョン……メンバーの間で互いの目的やビジョンの共通性を見出し、その理念と互いに対してコミットするパートナーシップを築くこと

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著者プロフィール

チェンジ・エージェント代表取締役。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として組織横断での業務改革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社を設立、経営者・リーダー研修、組織開発、CSR 経営などのコンサルティングに従事し、システム横断で社会課題を解決するプロセスデザインやファシリテーションを展開する。デニス・メドウズ、ピーター・センゲら第一人者たちの薫陶を受け、組織学習協会(SoL)ジャパン理事長、グローバルSoL 理事などを務め、「学習する組織」、システム思考、ダイアログなどの普及推進を図っている。著書に『「学習する組織」入門』(英治出版)、『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?』(東洋経済新報社)など。訳書、解説書にアダム・カヘン著『敵とのコラボレーション』『社会変革のシナリオ・プランニング』、ドネラ・H・メドウズ著『世界はシステムで動く』、ピーター・M・センゲ著『学習する組織』、ビル・トルバート著『行動探求』(以上、英治出版)など。

「2023年 『それでも、対話をはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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