週刊東洋経済 2017年5/27号 [雑誌](半導体の覇者 熱狂する世界、沈む日本)
- 東洋経済新報社 (2017年5月22日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910201340576
感想・レビュー・書評
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インテルはスマホ市場で負けたので、今度はIoTで反撃に出ている。王座奪還できるのだろうか。ネットで動画を見るようになったら、放送網は消える。テレビはいらない。
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今号の特集記事は以下である。
* 今、半導体業界が熱いことについて
* リース業界の苦境について
* 身近な労働法の紹介
* 放送網が消えるであろうことについて
今回のメイン特集である半導体業界の特集については、
* 機械学習で必要なため、近年半導体のニーズがさらに高まっている
* アップルやグーグルが、必要な半導体を自ら作り出そうとしている
* ペジーコンピューティング社は、ベンチャーでありながら見事な技術を持つ
等の内容だった。
ハイテク分野の現状を知ることはできたが、あまり身近な話ではないため、読み物としては面白いという程度の感想だった。
ただ、かつては隆盛を誇っていた日本製半導体がなぜ没落したかという記事は、様々な教訓があり実にためになった。
色々と理由はあるが、特に「韓国は日本に追いついても危機感とリーダーシップを持ち続けた。日本にはそれがなかった」という部分は、実に胸を打たれた。
他には、身近な労働法(ワークルール)の特集は、色々と思い当たる節があり楽しめた。
特にアルバイトの
* 勤務時間の15分未満切り捨ては違法
* ノルマで自腹を切らせるのは違法
* シフトを整えるのは使用者の仕事なので、シフト入りを強要してはいけない
等は、よく聞く話だし、自分にもあったことなので、ぜひ改善されてほしい。
それ以外では、特集の「放送網が消える日」が興味深かった。
その内容は、インターネットの通信速度がテレビを受信するのに十分なものになってきたので、放送網はいずれ消滅する運命にある、というものだ。
事実米国では、有料の衛星放送は既に数多く解約されているらしい。
自分の身を振り返っても、テレビはまるで見なくなったし、何か動画が見たければインターネットを使う。
テレビ番組自体がとは言わないが、放送網が不要になる日はそう遠くないだろう。
この特集で特に面白かったは、「00年の本誌の特集で、電話網がいずれ消え行くと解説した。しかし当時はそれを理解できた人は少なかった」という部分。
なるほど現代から見てみると、確かにLINEやSkypeでの通話が大きく増えており、的を射ていると言えるだろう。
しかし00年と言えば、LINEどころか、まだガラケー全盛期。
そんな時に上記のような予想をしても、確かに理解できる人は少ないに違いない。
専門家らしい、見事な推察だと思う。