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感想・レビュー・書評
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騎士団長殺し 村上春樹 新潮社
読み出してじきに「なんとなく、クリスタル」が頭に浮かんできた
車にファッションなどの時代感覚や音楽への表面的な知識量を織り込む おしゃべりな技巧的なところが似ているのかもしれない
兎も角時代背景をうまく取り入れ読者を惹き付ける博学な社会的価値観を 心得た小説に違いない
出だしは退屈なくらいにスロペースだったけれど 騎士団長の発見あたりから一気に読み飛ばすことになった
サスペンスとは異なるイデアだのメタファーだのを姿形として登場させ 人間を深く読み解いていくテクニックは素晴らしいけれど 芸術と言う単語が出てくるたびに色あせた薄っぺらなモノを 感じてしまうのも私にとっての事実である 結局小説というのはおおむね知性のある娯楽なのだろう -
村上春樹の2017の著書、肖像画を描く仕事をする主人公のおはなし。主人公が妻との別居により、著名な画家雨田具彦がアトリエとして利用していた所有空家に仮住まいし始めて騎士団長殺しという絵に出会うことが奇妙な体験のはじまり。相変わらずの村上春樹の世界に吸い込まれるように一気読破できた。クールな主人公の思考とライフスタイル。村上春樹長編小説を読むといかに作家が著作するにあたり広い見識を貯えて、異なるカラーの登場人物を描写することに感心して、またカラーのない主人公に引き寄せられる。
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村上春樹が書いた村上春樹らしい作品。安心感を持って最後まで一気に読めた。