- Amazon.co.jp ・電子書籍 (270ページ)
感想・レビュー・書評
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高校生の恋愛を描いた小説。まず冒頭でヒロイン山内桜良の葬儀がとり行われたことを伝え、生前の桜良と主人公の少年が過ごした日々を回想する。印象的な人目を引くタイトルについては、序盤早々に主人公と桜良の間で交わされた愛の言葉だったらしいことが仄めかされる。
主人公である"僕"は、偶然からクラスメイトの桜良が膵臓の病により死期が近いことを知る。"僕"に興味を持った桜良は、自身の不治の病をあっけらかんと打ち明け、家族以外で唯一秘密を知った"僕"に積極的なアプローチを繰り返すようになる。読書好きで友だちもいない、学校でも地味な存在である"僕"は、自分とは違い明るく異性からも人気のある桜良の積極的な行動に戸惑いながらも、彼女に対する気持ちが徐々に変化していくのを感じる。前述のプロローグと終盤の彼女の死後を描く数十ページを除いて、大半が"僕"と桜良の会話と交際のシーンに費やされ、数少ない他の登場人物の出番も限られている。
「愛と死」という王道恋愛小説が扱いそうなテーマを、ラノベ風のマイルドさで味付けした作品である。二人の交際も高校生として咎められない程度の範疇に留まり、桜良の死を除けば刺激の強い要素はほとんどない。普段から他人と接することのない男子高校生が、偶然をきっかけに可愛い同級生から交際を迫られる流れなど、いかにも異性に縁のない男性の妄想から紡がれた一部のラノベ作品にありそうな展開である。
全般に起伏が少なく、とりたてて驚くような出来事もない。死を間近にしても屈託のない桜良のややエキセントリックな言動や、作品の大半を占める桜良と"僕"とのやりとりを好意的に受け取れるかが、作品を楽しめるか否かの分岐になりそうだ。物語が動く終盤については、やや粗が目立つようにも感じられた。本来は重いテーマをソフトな作風で仕上げ、小説を読み慣れない層にも受け入れられたのがヒットの要因だろうか。基本は、大学生ぐらいまでの若い読者をターゲットにした作品だろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
電車の中で読んでいて涙が出た。正確には涙が流れることはなく、体が熱を帯びて目に水分が溜まり視界がぼやけた。というのが正しい表現ではある。
正反対の二人が同じ時を過ごしていく中で、価値観が擦り合わさり人として成長していく姿を描く。
タイトルのみならず、中身にも心が惹きつけられる作品。万人に勧められるそんな本。 -
小学生のときにアニメ映画をみて
物語って凄いんだなと感動を受けた本です。
少し成長して小説を読んだ時も何回も何回も泣きました
君の膵臓をたべたいだけじゃなく住野よるさんの作品は全部いいのでぜひ︎︎ -
これの前に
アレコレ読んでいて・・・
こんなに良いなら
もっと早く読みたかった
いいです!! -
恋愛ものによくある、病気で不幸パターンの小説で『君の膵臓を食べちゃいたいくらい愛してる』なのかと思っていたけど、実際には『爪の垢を煎じて飲む』の方だったようで、読むこと自体を敬遠していました私が大間違いでした。
笑わずには読めないし、涙無くしても読めない。でも、もっと若い時にこの作品に出会いたかったー。にしても、2人のやり取りや掛け合い、いいなぁ。 -
短いか長いかの違いはあれ「生きる」と「生きている」は、違うんだよなぁと漠然と考えながら読んでいました。
誰にでも訪れる「死」が別つ若い二人の「生」の濃密な時間と笑い声、終焉までのロードムービーのような小説。
インパクトなタイトルですが、色々な想いが伝わります。
限られた時間が示唆されたボーイミーツガールなストーリーが、爽やかに、そして切なく描かれています。
文体を色々言われるようですが、ラノベを読み慣れた身には、一人称の文体は入り込みやすく、また、感情に寄り添いやすく、気持ち良く読了。 -
さらっと読める。
目新しい何か、がある物語ではない。
響く人には響くのだろうなぁという感じ。
人に聞かれた時「読みやすいよ」と答えるだろうけど「お勧め」とは言わないかも。 -
主人公がどんどん成長していく様子がとてもよかった。
そして女の子も、表現としておかしいかもしれないけど、とても綺麗だと思った。
最後は個人的にはまさかの展開だった、、。
感動する作品でした。 -
最後が衝撃。
著者プロフィール
住野よるの作品





