かがみの孤城 [Kindle]

著者 :
  • ポプラ社
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感想・レビュー・書評

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  • 学校に行けない子どもたちが「鏡の世界」に集められ、互いに親睦を深めていく。願いを叶える鍵をともに探しながら成長していく彼女たちは、現実世界の交友関係でも徐々に突破口を見つけ出していく。
    適度なミステリー、山あり谷ありのシナリオ、どんでん返し。これでもかと要素が詰まった濃密な一冊だった。

    この本は少年少女が抱える「闇」を非常にリアルに描いており、読んでいて胸が締め付けられるようだった。
    彼らに共通する悩みは、いじめなどによる「学校への不適応」であるが、それに直面した際の反応が非常に生生しい。知り合いに会うかもしれないため道を歩きたくない、人がたくさんいる場所を避けて行動したい。そう思って彼女たちは世間から隠れるように生活している。そして、知り合いに遭遇した後の反応もなんともリアルだ。動悸とパニックで思考が停止し、逃げるように保健室に駆け込む。誰もいない場所で、上手く行かなかった自分を責め、自己嫌悪してしまう……。

    だが、そんな子どもたちが寄り添いあうようにして、お互いの心のうちを知っていく描写の鮮やかさが、この本が傑作たるゆえんなのだと思った。

    例えば、みんなで現実の中学校の保健室に集まろうと決起する場面。普段空想の世界で対面している彼らが、初めて現実と向き合おうと決心する。「学校に行く」という行為を前に誰しもが重苦しい気持ちになるが、それを振り切って、信じる仲間のために足を踏み出す。
    その描写がたまらなく愛おしく、思わず「がんばれ!」と応援してしまった。

    そうした少年少女の成長を、ページをめくりながら追体験していく。終盤にいくにつれて畳みかけるようにテンポが早くなり、読者を彼女たちと一緒にクライマックスへと連れて行ってくれる。
    なるほど、これが多くの人に愛されている理由なのだ、と膝を打ってしまった。

    ミステリーと青春小説のみごとな調和。気になっているかたはぜひ読んでほしい。

  • 不登校生徒の心情がリアルです。
    是非、子を持つ親御さん世代にオススメしたいです。
    伏線もありミステリ好きも引き込まれます。

    限られた人生の時間軸の中、信頼できる関係は素敵だ。
    そんな、有限な人生に無限の可能性を見出せる。  

    人生であの時の言葉(伏線)はこう言う意味だったのかと長い年月を掛けて理解(回収)する。

    著書は、そんな明るい未来が描かれている。

    喜多嶋先生やオオカミさまの正体が分かった瞬間、嬉しくて温かい気持ちになり涙が出て来ました。

    思春期だった頃の気持ちを想い出し優しい気持ちで本を閉ざしました。

    『私たちはひとりじゃない』

    いつか必ず味方なってくれる人がいる。 

    気づかない間に涙を流す。
    この著者に感謝したい。

  • おもしろすぎて、あっという間に読み終わってしまいました。

    みんなちがって、みんないい
    それが通用しない日本の学校教育
    狭い世界の中で未来を想像することができず、苦しんでいるこどもたちの心情や、
    取り巻く環境描写がリアルすぎて
    忘れてた自分の思春期時代を思い出すことが出来ました。

    他人の目が気になって
    自分に自信が持てなかったあの時代
    いつの間にか大人になり
    神経図太いおばさんになってました
    一体いつからこうなったのか??

    今現在、なんとなく苦しさを感じている
    こどもに読んでほしいです
    私は姪っ子にプレゼントしようと思います。

  • 最後のページで思わず声が出てしまった。物語は長いですが最後まで読んで下さい。
    素晴らしい名言も散りばめられており心に残る一冊です。

  • 一気に読めた。
    心があったかくなるお話。
    何となく繋がってて、あれ??何でかなという違和感があったけど、最後回収されてくかんじ。

    また読みたいなと思うし、この作家さんの本をもっと読みたいと思った。

  • こんな素敵な物語があるから、これを読むためにも生き延びたほうが良いよ、とデパートの屋上から何回も地面を見つめていた中学生の頃の私に伝えたい。全国の中学校に寄付したい。
    誰か傷つける願いではなく救う願いが自分を救うという展開が、世界がこういう仕組みなら良いなと思った。もしかしたら辻村さんは世界をそういう仕組みと感じていて、伝えてくれたのかもしれない、ともおもった。
    励まされた。

  • 辻村さん初読みで今更ながら読み終えたのか…みたいな気持ちが
    作者さんが大人にも読んでほしいて思いも分かるし、最後の群像劇が見事だった
    ステキな作品でファンタジー、ミステリー、感動…読後感を味わえ自分の持ってた価値観が変わった人も多そう
    自分の過去、今の自分、近い将来何かしらに影響を与えてくれると思うし、人の力て無力な時もあるけど無限大でもあるんだなと感じれた

    以下ネタバレ好きなフレーズ(引用)
    ウレシノは、フウカを好きになった。
    ペダルに足をかけて漕ぎ出す時、そうかーと気づいた。
    別に、忘れてしまってもいいーと。私がその分、覚えている。萌ちゃんと今日、友達だったことを。

  • 主人公は中学1年生の女の子。
    いじめにあい不登校になってしまう。
    ある日、部屋の鏡が明るく光り、触れてみると中に引き込まれてしまう。
    そこにはお城のような豪邸、なぜか7人の中学生たちが・・・。

    ファンタジーとミステリーをあわせたような、青春もの。
    繊細で傷つきやすい年代の心模様にはとても、読んでいて胸を締め付けられる。

    謎解きをしながら子供たちの心の成長と、思いやりの芽生えが、見どころ。

    最後の最後に、「そ~だったのか!!」と、胸が熱く。

  • 2018年に史上最多得票数で本屋大賞を受賞した作品

    主人公の中学一年生安西こころは、女子のトラブルに巻き込まれ、学校に行けなくなってしまいます。毎朝腹痛で学校に行けない毎日を送るこころは、5月のある日フリースクールに通うことにしますが、いざとなるとそこにも行けず、自己嫌悪に陥ります。そんな時、部屋の鏡が発光し、その中に吸い込まれると、童話の1シーンのようなお城にたどり着きます。一度は逃げ帰った心でしたが、惹かれるものがあり、毎日そこに通うことになります。
    ドレスに狼の仮面をつけた幼児の「オオカミさま」によると、3月30日までに「鍵」を見つければ、一つだけ願いが叶うけれど全員がそこでの記憶はなくなり、願いを放棄すれば記憶は残るとのことです。中三で大人びた「アキ」、中一でサッカーの得意な「リオン」、中二でピアノの上手な「フウカ」、中二でゲーム通の「マサムネ」、中三で不思議な空気間の「スバル」、中一で食べるの大好き&恋多き「ウレシノ」と共に、それぞれが城での思い思いの時間を過ごしていきます。
    11月のある日、アキが制服で城に現れたことで、リオンを除く全員が雪科第五中学校の生徒(リオンは通うはずだったがハワイの学校に留学中)だということが分かります。そんな中、親に転校を迫られたマサムネが、三学期の始業式に一日だけ登校することになり、皆もその日に合わせて登校しますが、なぜか全員会うことができませんでした。自分たちはパラレルワールドの住人なのか、現実世界では会うことができないのか、悩む彼らですが、いよいよ翌日が閉城日のある日、大事件が起こります…

    最後は息をつく間もなく読み切りました。オオカミ様、リオン、そしてアキとの関係が、希望と共に解き明かされていきます。何度でも読みたい、素晴らしい物語でした。

  • 書店で並んでいたので気になっていたが、映画化をきっかけに購入。
    映画は未視聴。

    主人公は思春期の女の子ということで、自分が感情移入できるかな、と思った。
    が、その人物だからこそ見えるもの、感じるものが描写されており、思わず物語に惹きこまれていく。
    言わずもがな、小説はここではない誰かの体験ができることこそが魅力であり、この作品はそんな魅力を十二分に持っているのである。

    物語の仕掛けとしては、読んでいる途中でなんとなく感じるものだと思う。
    ただ、この作品は仕掛けでなく、人物同士がだんだんと近づき、離れ、変化していく、そんな心情描写だ。

    なんて思っていたら仕掛けにも「あっ」とさせられてしまった。
    終盤は一気に読んでしまい、エピローグまで読んで、しみじみと感動してしまった。

    孤独を抱える人へ
    明日が不安で仕方なくても、勇気が出る一冊。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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