孤高の人 文庫 (上)(下)セット

  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • あらすじ
    孤独で謎めいた主人公の森文太郎。 転校した高校でクライミングに取り憑かれ、次々と過酷な山へ足を踏み入れていくようになります。 難攻不落の氷壁・K2のアタック隊プロジェクトにスカウトされるまでになった彼ですが、仲間の死やプロジェクトの頓挫、裏切りにあいさらに心を閉ざしていくようになってしまいます。
    感想
    兵庫県神戸からのスタート
    私も六甲山で練習していたので親近感を持つ。
    加藤文太郎、単独行の登山家のはずが
    最後はお人好しでしたね。

  • 作品名:孤高の人(上・下)
    著者:新田次郎

    特に雪山登山の臨場感溢れる文面に心揺さぶられる作品でした。
    加藤文太郎と言う人生を青年期から最期までその人のなんとも頑なで歯痒い性格に、しかし人生とは。と、深く考えさせられました。強く何かに取りつかれた孤高の人に強く羨望を覚えながらも、その孤独に恐ろしさも感じました。主人公もそうでは無かったでしょうか?独り、独り、と言いながらも繋がりを求めている。しかし、心を開いて受け入れる心持ちをやっと理解した時、終わってしまう。
    最期の心は孤独では無かったのでしょう。しかし誰も受け入れずずっと孤独で居れば違った最期だったのでしょうか。それでは絶望と言う最期をむかえてしまったのでしょうか。
    心優しい新妻と幼い娘を残し若く命を終わらせてしまう加藤でしたが、なりふり構わずあれ程夢中になれるものを見つけた加藤を羨ましくも思いました。
    いつかまた読み返す本と出会ったと思います。

  • いつも ひとりで山を踏破するのに「単独行の加藤文太郎」の山にかけた人生の物語

    ヒマラヤ登山を夢みながら 日本アルプスの山々をひとり 疾風のごとく踏破する文太郎
    その行動を批判する登山家も多く それでも 自分を貫きとおす文太郎
    私も 単独行が多いうえ 人がいないような時間や時期に登ることが多く そんな山の中で人に出会うと なんだか嬉しくなり 文太郎の気持ちが凄く良く分かり共感できるんですよね ^_^

    下巻にすすみ いよいよラスト
    ほんと ここが最高に良いです
    泣けます

    この小説は 実在人物の物語で しかも 実名だそうです
    奥さんの花子さんの意向で 実名で掲載されることになったようです
    私は読んではいませんが加藤文太郎著「単独行」という遺稿集が発刊されています

  • ずっと読みたいと思っていて、ようやく読了。
    努力と天才と、それでいて難しい中ながらに煌めく人間性が、たえず読み進める中に含まれていて、今自分の目の前にある対象との関わり方、自分の人生への全力さを、考えさせられる名作。
    登山する人が、絶対必携で読んでいるのも大納得。

    登山趣味の私個人として、山行パーティーでリーダーをする時の責任の重苦しさに疲れていたり、かといって単行を何度かしてみたものの楽しいのは楽しいのに単行特有の怖さ(特に前夜に怖さが強くなる)にはいまだ慣れず、では誰とどうやって山に行ったらいいのかの模索の中であり、この小説に一貫して問われる「なぜ山に登るのか」と「なぜ単独行か」といったテーマに、気持ちよく振り回された読了までの数日だった。

    次は、加藤文太郎著の「単独行」を読むぞー!

  • 雪穴の中、風がふいてくる風向きを観察してエンジンの開発にいかしているエピソード、
    極限のなかのそれが、なんだかクリエイティブだなあとおもった

    加藤文太郎自伝の単独行なども読んでみたくなって少しだけよんだら 小説はキャラ立てされてるけどもう少しひょうきんな感じを想像した

  • 山をやるようになってから聞き始めたNHKのラジオ番組「山カフェ」で加藤文太郎についての言及があった。この本のタイトルは知っていたけど、中身までは知らず、単独行の人が初めてパーティー組んだ山行で命を落としたという内容に一発で興味を持ち、今更ながら読んだ。

    誰にも聞いてはいないが、自他共に加藤という人間にかなり近しい性質があると思われる自分には加藤の行動や選択、感情なんかはめちゃくちゃ理解できた。自分の目的が明確であるのなら、別に実務的にスーツなんか着る必要ないし、トレーニングとして一石二鳥なら石担いて歩いて出社するのも、庭でビバークのシュミレーション練習して寝るのも何も恥じることないし、むしろ誇らしい行動に思う。

    前半、なぜか今まで感じたことのない人恋しい感情が湧き上がり、彼自身もそれが人間として生理的なものによるのか何なのかはっきりわからないまま、それでもその時は人を求める感情が優位になり、口下手な加藤が他の6人パーティーに入れてもらおうとするところ(そして失敗する)はすごく共感した。

    自分も、同行する友だちもいないし単独行しか選択の余地がないという現実的な事実はあるにせよ、自分の好きなペースを保てるし、自分だけの判断でルートや撤退など決められる快適性を感じながらも、先日全く人に合わず不安だらけで初めての山を歩いていて、遠くに人の声が聞こえた時、そしてしばらくして人の姿を遠くに認めた時、「えっ、ひとりに慣れてる自分でもこんなに人を求めてたの?!」と。ルートが正しいかの確認という意味なら、看板でも同じはずなのに、人の存在の方が何倍も安心するんだという経験を加藤の雪山とは全く違う700m足らずの低山でした。

    結末はもちろん悲しいが、自分の意思で来たわけではなかった加藤が、状況厳しい中でも槍ヶ岳の美しさを見たとき登山家としての本来の登頂願望「美しすぎる!登りたい!」となったところが少しは救われた。完全におつきあいで登った山で、完全にその相手のせいで命を落としたのだとしたら、やるせないにもほどがあるが、多少でも彼の登山欲もあってのことだったとしたらまだ少しはマシとなるといった感じ。まぁ宮村が悪いんだが。。。

    当然ノベライズ部分もあるようだが、山だけでなく、会社での出世闘争、ウマの合う上司、ムカつく上司、結婚までのいくつかの女性エピソードなんかも適度に織り込まれていて、昭和初期の話で多少の慣習の古さはあれど飽きることなくおよそ1,000ページを読了した。

  • 約二ヶ月掛けてやっと読み終わりました。
    『新田次郎全集』にて読んだ為あらすじは全く知らず、きっと最後はヒマラヤに着手するものと思い込んで読み始め…
    後半からの不穏な空気にページを手繰るペースがどんどん遅くなり、残りのページ数を鑑みるにこれはきっと覚悟せねばならんヤツ。と腹をくくってからはラストスパートでぐいぐい進めましたが…いやはや。

    そもそもこの本を手に取ったきっかけが某山岳カメラマンお二人の滑落事故で、知り合いに「冬山登山を知りたかったらこの小説がいいよ」という言い方で勧められた為、てっきり目標達成し感動で爽やかなエンディングの小説かと勘違いしていた故、話の流れの雲行きが怪しくなってきた時は本当に気が重く辛くなりました。

    それでも知れて良かった。
    加藤文太郎の人柄の不器用さには度々歯がゆい思いをするものの、その強さには敬服するものがありました。時代背景の厳しさも。
    そして新田次郎の筆致でなければ途中で投げ出していたかも知れません。結局引き込まれました。ラストの展開、良かったなぁ。

  • 大正から昭和にかけて活躍した実在の社会人登山家・加藤文太郎を主人公に書かれた小説。作者は加藤の著作と聞き取りをベースに物語を綴っている。
    加藤自身の視点で物語が進むが、第三者から見た加藤の成長や変容も同時に現れるのは、そうしたベースによるものだろう。
    内面もつぶさにな内容はどこまでが真実に迫っているのかわからないが、引き込まれてかなりの勢いで読み終わった。
    孤高の人という表現は当たっているのだろうか。孤高の人と呼ばれたかもしれない加藤の実像に迫ろうという主旨の小説だと思った。
    加藤は自分の打ち立てた記録にどれほどの意義を感じていたのだろうか。
    あらかじめ結末のわかっているラストへ向かっていくのは希望を捨てきれず辛いものがあった。
    読み応えのある重い作品だと思う。
    実話ベースとはいえメロドラマ的なくっきりした麺もあり、面白かった。

  • あらすじで最後は死んでしまうとすでにわかっているのに、クライマックスを読みながらどうにか生きて帰ってほしいと願わずにはいられなかった。

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