ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]

監督 : バリー・ジェンキンス 
出演 : トレヴァンテ・ローズ  アシュトン・サンダース  アレックス・ヒバート  マハーシャラ・アリ  ナオミ・ハリス 
  • TCエンタテインメント
3.37
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4562474188173

感想・レビュー・書評

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  • 映像がきれい。音楽も静かな音楽で、落ち着いた雰囲気の映画だった。
    リトル・シャロン・ブラックと、少年期・思春期・成年期の3部構成。ゲイ差別いじめ、親子関係の確執…学校でのいじめと母親の機嫌に振り回される少年期、思春期なシャロンの生きづらさ。観ているこっちも苦しくて辛くなる。そして、ほのかな恋心もつかの間、ある出来事で思春期が終わる…
    シャロンがマッチョになっても、ケヴィンの前ではうつむきがちで、無口な昔と変わらないところが良かったな、と思う。

  • シャロン(アレックス・ヒバート)は、学校で“リトル”というあだ名で苛められている内気な少年。
    ある日、いつものようにいじめっ子たちに追われていたところを、麻薬ディーラーのフアン(マハーシャラ・アリ)に助けられる。
    何も話さないシャロンを、恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)の元に連れ帰るフアン。その後も何かとシャロンを気にかけるようになり、やがてシャロンも心を開いていく。
    ある日、海で“自分の道は自分で決めろよ。周りに決めさせるな”と生き方を教えてくれたフアンを、父親のように感じ始める。
    家に帰っても行き場のないシャロンにとって、フアンと男友達のケヴィンだけが心を許せる唯一の“友達”だった。
    やがて高校に進学したシャロン(ジャハール・ジェローム)だったが、相変わらず学校で苛められていた。
    母親のポーラ(ナオミ・ハリス)は麻薬に溺れ、酩酊状態の日が続く。
    自宅に居場所を失くしたシャロンは、フアンとテレサの家へ向かう。“うちのルールは愛と自信を持つこと”と、変わらずにシャロンを迎えるテレサ。
    ある日、同級生に罵られ、大きなショックを受けたシャロンが夜の浜辺に向かったところ、ケヴィンが現れる。シャロンは、密かにケヴィンに惹かれていた。月明かりが輝く夜、2人は初めてお互いの心に触れることに……。
    しかし翌日、学校である事件が起きてしまう。その事件をきっかけに、シャロン(トレヴァンテ・ローズ)は大きく変わっていた。
    高校の時と違って体を鍛え上げた彼は、弱い自分から脱却して心身に鎧を纏っていた。
    ある夜、突然ケヴィン(アンドレ・ホーランド)から連絡が入る。料理人としてダイナーで働いていたケヴィンは、シャロンに似た客がかけたある曲を耳にしてシャロンを思い出し、連絡してきたという。
    あの頃のすべてを忘れようとしていたシャロンは、突然の電話に動揺を隠せない。翌日、シャロンは複雑な想いを胸に、ケヴィンと再会するが……。
    アカデミー賞作品賞受賞作品。
    ドキュメンタリータッチの自然な映像美、麻薬や暴力が蔓延し弱い者が弱い者を傷つける黒人社会のリアルな実態、セクシュアリティを越えた友情と愛情の間のような人として信頼し求め合う絆、人としての絆の大切さをしみじみ噛みしめたくなるヒューマンドラマ映画です。

  • MOONLIGHT
    2016年 アメリカ 111分
    監督:バリー・ジェンキンス
    出演:トレヴァンテ・ローズ/マハーシャラ・アリ/ナオミ・ハリス
    http://moonlight-movie.jp/

    想像してたより普通に恋愛映画でした。というと語弊があるのかもしれないけれど、貧困とか人種差別とか社会問題的な部分にもっとクローズアップしているのかと思っていたので、もちろんそれも含まれているのだけど、全体の印象としては男性版『キャロル』的な、たまたま同性同士ではあるけれど、しみじみ一途な恋愛映画の余韻。

    たとえば主人公のシャロンは内気で軟弱なので、本人が同性愛者だと自覚する以前からいわゆる「オカマ」と苛められている。しかし彼を苛めているのは白人ではなく、同じ肌の色の少年たちであり、苛められる理由は肌の色ではなくあくまでシャロンの内向的な性格。その遠因はヤク中でネグレクトな彼の母親であり、個人的には学校でいじめられることよりこの母の毒親っぷりのほうが観ていて辛かった。

    そんな少年時代の彼を支えたのは、偶然知り合った麻薬の売人フアンとその妻テレサ。仕事柄見た目はいかにもな感じ(清原みたいとか言ったら怒られるかしら)のフアンだけど、シャロンにかつての自分を重ねてでもいるのかまるで息子のように親身に接してくれ、テレサもまた優しい。この疑似両親のような二人の家という逃げ場があっただけでもシャロンは恵まれていたのかも。映画の終盤で大人になったシャロンの外見はフアンにそっくりで、彼の言葉や優しさだけがシャロンにとって生きる指標になっていたのだなと思わされる部分がいちばん泣けた。

    一方、苛められっこのシャロンの唯一の友人にして、結果シャロンが恋心を抱くようになる相手ケヴィンのほうですが、疑似父フアンの存在感に比べて、正直ケヴィンは観客にはそれほど魅力的には映らない。友達のいないシャロンに声をかけてくれたりする優しさはあるけれど、それだけで好きになるかなあ?っていう。そしてケヴィンのほうではシャロンをどういう目で見ていたのかがイマイチ伝わってこない。映画は3部構成で少年時代、青年時代、大人になってからで役者が変わるのだけど、シャロンに比べてケヴィンは出てくるたびに印象が変わり、ひとつの繋がった役として見れないのもちょっと微妙だった。

    シャロンのほうは、子役→青年までの変化は似た感じの子で、ひよわそうでモジモジしてるところとかずっとひとつながりの役として観れたけど、大人になったら急にマッチョになって出てきたのでビックリ。もちろん、フアンのような男を目指して鍛えたという設定なのだろうけど、それにしてもマッチョすぎやしないか(笑)まるで中性的なことが売りだったビジュアル系バンドマンが中年になって急にマッチョに目覚めたかのような、あるいは未練たらしい失恋ソングを歌っていたフォークシンガーがいつのまにかマッチョな兄貴になってオラオラしはじめたかのような、あまりに急激な変化にかなり戸惑いました。

    大人になったシャロンは、ネグレクトだった母親を赦し、一度は裏切ったケヴィンを赦し、心の安らぎを得る。観る前に想像していたほど過激なことは起こらないし、比較的静かで情緒的な映画。もっと社会派作品だと期待した人は裏切られるだろうけど、純情少年の初恋成就映画だと思えば失敗しないと思う。

  • ん?なんだこれは?純愛映画?と、理解していいのかな?

    プライムビデオで「グリーンブック」と「インビクタス」を観たら、次にこれがおススメの映画で出てきた。黒人の少年シャロンは、ヤク中の母親にひどい扱いを受けて育つ。なんとなく女性っぽいところがあり、同級生にはいじめられ、ひどい暴力も受ける。ケヴィンという友達は、対等に接してくれる。が、ケヴィンも弱い少年の一人だ。同級生にシャロンをなぐれ、などとけしかけられ、断れない。

    ちょっと理解できなかったのは、これは黒人社会のコミュニティの話なのだが、黒人が黒人を差別するような描写がけっこうあること。
    シャロンを可愛がってくれる麻薬の売人の男や、シャロンの同級生たち、そしてケヴィンも、親しみを込めて?シャロンに「ニガ」とか「クロ」とか呼ぶ。貧しい黒人の社会で、黒人が黒人であることに誇りを持てないからなのか?その辺がよくわからないなぁ。

    大人になったシャロンは母から投げつけられた酷い言葉を忘れられずにいる。母が赦しを乞う場面、シャロンが赦しを与える?場面は泣けた。そしてケヴィンに再会する場面。相変わらずケヴィンはよくわからん奴だ!!(笑)
    しかしシャロンは、ケヴィンと一度だけ、触れ合った記憶とともに生きてきたのだ。
    うーん、最後、それでどうなるんか?
    シャロンの前途は多難そう。

  • 貧困地区で育った有色人種は生きるために悪いことをする。
    本作の主人公は小さいころ母親が麻薬中毒になったいてこともあり、麻薬ディーラーを嫌っていた。そんな彼が、大人になって選んだのが、麻薬ディーラーだった。
    いじめや性的マイノリティ嗜好、貧困、犯罪など黒人社会にはびこる負の側面にスポットライトをあて、その中でも安らぎを求めようと必死で頑張る一人の黒人の姿を描く。マハーシャリ・アリが存在感を示している。
    「夜、海で泳ぐ黒人の肌は、月の光に照らされるとブルーに見える。」
    映画タイトルとなる老婆の言葉だが、黒人であることはやめられないが、しかし違う色に変われるという深い意味があるのか?

    『ムーンライト』(英: Moonlight)は、2016年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。タレル・アルヴィン・マクレイニーによる "In Moonlight Black Boys Look Blue" を原案としており、監督はバリー・ジェンキンスが務め、脚本はマクレイニーとジェンキンスの共作で執筆された。出演者は、トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダース、ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリほか。
    作品は2015年からフロリダ州マイアミで撮影され、2016年9月2日のテルライド映画祭でワールド・プレミアを迎えた。A24配給の元、同年10月21日にアメリカ合衆国で公開され、世界で2,300万ドルの興行収入を得ている。日本公開は2017年3月31日(配給はファントム・フィルム)。
    第74回ゴールデングローブ賞では映画部門 作品賞 (ドラマ部門)を獲得したほか、5部門にノミネートされた。同年の第89回アカデミー賞では8部門でノミネートを受け、作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞している。

    あらすじ:
    1. リトル
    シャロン(演:アレックス・ヒバート)は、「リトル」という渾名を付けられた、恥ずかしがり屋で引っ込み思案の男の子である。彼はいじめっ子たちから隠れているところを、キューバ人のクラック・コカイン売人であるフアン(演:マハーシャラ・アリ)に見つけられ、フアンはシャロンを、自分とガールフレンドのテレサ(演:ジャネール・モネイ)が暮らす家へ連れて行く。夕食と一夜の宿を許された後、シャロンは心を開くようになる。翌朝フアンは、感情的で虐待する母ポーラ(演:ナオミ・ハリス)の元へシャロンを送り返す。
    シャロンには、クラスメートのケヴィン(演:ジェイデン・パイナー)しか友人がいない。シャロンはフアンと多くの時間を共に過ごすようになり、彼から泳ぎと、人生は自分で切り開かなくてはならないのだということを教えられる。ある夜フアンは、自分の顧客のひとりが、ポーラと車中でクラック・コカインを吸っていることに気付く。翌朝シャロンは、テレサとフアンに、母に対する憎悪があることを認める。母に薬物を売っていたフアンと揉めたシャロンはその場を立ち去り、フアンは恥ずかしさからうなだれる。シャロンはクラックブームのせいでいじめられていた。

    2. シャロン
    ティーンエイジャーとなったシャロン(演:アシュトン・サンダース)は、ケヴィン(演:ジャレル・ジェローム)と仲良くしているものの、テレル(演:パトリック・デシル)のグループにいじめられる毎日を送っている。母ポーラはその後薬物依存に陥り、ヤク代に困って売春婦として働いている。フアンは亡くなったものの、テレサはシャロンに食事の世話などの交流を続けている。ポーラはテレサがシャロンへ渡した金すら自分に寄越すよう迫る始末だった。
    ある夜シャロンは、ケヴィンが裏庭で女性と性行為をしている夢を見る。別の夜、ケヴィンはシャロンを訪ねて、彼の家近くにあるビーチを訪れる。ブラント でマリファナを吸いつつ、ふたりは人生の野望を語り合う。麻薬で酔った後、ふたりはキスを交わし、ケヴィンはシャロンに手淫を行う。
    翌朝、テレルはケヴィンにいじめの儀式に参加してシャロンを殴るよう命令し、ケヴィンはいやいやこれに従う。シャロンは崩れ落ちるのを拒み、ケヴィンは彼を何回も殴りつけることになる。シャロンが立ち上がれなくなったところで、テレルや取り巻きが彼を囲み踏みつけ、蹴り始めるが、警備員が現れて彼らは逃げ出す。ソーシャル・ワーカーと面談したシャロンは、暴行された相手の素性を話すよう求められるが、シャロンは名前を告げても何の解決にもならないと考える。翌日登校したシャロンは、教室で無防備なテレルの背中を椅子で殴りつける。シャロンは逮捕されるが、パトカーに乗せられる時、彼はそばに立っているケヴィンを睨み付ける。

    3. ブラック
    大人になったシャロン(演:トレヴァンテ・ローズ)は、アトランタで薬物の売人として暮らしており、「ブラック」との通り名で知られている。少年院を出て薬物の売人を始めてから引っ越したシャロンは、かつてのフアンと同様の人生を送っている。シャロンの元には、ポーラから頻繁に家に帰るよう求める電話がかかってくる。ある夜、彼はケヴィン(演:アンドレ・ホランド)から電話を受け、自分が食堂で働いているマイアミを訪ねてほしいこと、そしてティーンエイジャーの時の行動を謝罪したいことを伝えられる。翌朝目覚めたシャロンは、自分が夢精していたことに気付く。その後、彼は薬物治療施設に住む母ポーラの元を訪ねる。母は売人を辞めるようシャロンを諭すも、シャロンは母に対し今まで溜まっていた思いを吐露し、母もまた今までの行いを後悔する。
    シャロンは、マイアミでケヴィンと再会したが、飲み交わしながら話す気にはなれない。一方のケヴィンも、シャロンの現在の風貌や、彼に会いたいという動機に驚かされる。レストランのジュークボックスでバーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」を聴いたふたりはケヴィンの家へ向かう。ケヴィンは、自分の思うような道でなくても、自分の人生は幸せなものだと打ち明ける。そんなケヴィンに、男性はおろか、親密な関係になった人物はケヴィン以来、誰もいなかったことをシャロンは明かす。直後ふたりは和解し、ケヴィンはシャロンを優しく抱きしめる。フラッシュバックで、少年時代のシャロンは、月明かりの海辺で遊んでいる。(ウィキペディア)

  • 『ムーンライト』
    ドラック常習者の母にものもとで育ったシャロンの人生を、少年期、10代、青年期の三部構成で描いた作品。
    少年期は‘理想の人間像に出会えた’時期
    ドラッグディーラーのファンは、父親がいず、ドラック常習者の母ポーラのもとで暮らし、周囲の子供たちからはいじめられ続けるシャロンを我が子のように自分の妻テレサとともに援助していく。
    このファンの姿が将来のシャロンの姿へ導いてくれたのは間違いない。仕事や身体といった外見だけではなく、生き様みたいなものを小さいながらに、全身で感じて憧れていたに違いない。
    10代は‘恋’の芽生えと、自我の確立の時期。
    幼馴染のケヴィンとの間に‘恋’を感じ、先天的に自らの中に宿っていたゲイの芽を自らも意識した時期。LGBTは先天的なものなのか、後天的体験に基づくものなか諸説あるようですが、私には先天的な要素に基づくのではないかと思えて仕方ない。ただ、それに目覚めるのに、後天的要因である感情的、身体的刺激が関わっているのであろう。
    ‘恋’に芽生えたシャロンの戸惑いは
    少女が恋に芽生えて自らの身体や心が制御できずに葛藤する姿のようだった。
    そして、少年期、10代のそれぞれの思い出で共通していたのがその大切な人たちとの苦い記憶、これは強烈だった。少年期、シャロンはドラッグディーラーのファンに『ママは麻薬をやっているの?ファンはその母に麻薬を売っているの?』と尋ねる。その時の、ファンの表情がたまらない。
    10代のそれは、クラスメイトに脅かされて、ケヴィンがシャロンを思いっきり殴るシーン。これは殴られたシャロンよりも殴ったケヴィンの辛さが伝わってくる。
    (それにしてもあのレゲエ野郎は何をしたいんだ)
    シャロンが椅子で殴りかかったのが、何故いけないのか?
    でも、このことがシャロンの脱皮のきっかけだった。『許せないことには、態度で抗議する』ことが必要で、社会や他人に任せていてはいけない。(社会に任せきっている私たちは牙を抜かれたに等しい)

    ドラッグディーラーは社会的には許されない仕事かもしれない。でも、人間が生きていく選択肢が本当に限られている環境(麻薬常習者を母にもつ)なら、それは個人にだけその責任をとらせることができず、辿っいくと社会のありかたに原因があるし、もっというと人が生きていくということは社会という枠よりも大きく、起源もずっと古いということでもある。
    この映画で見る限りのシャロンの心は美しく強く、優しい。生きている彼にとっては安らぎの少ない人生が続くだろうが、観ている私たちにはそれが伝わってくる。そんな生き方は細々と受け継がれていくだけなのかもしれない。
    AIに争いだらけの人間社会の政治を任せて平和を創造してもらうようなことになったら、彼等はきっと『心の綺麗な人間』をヒエラルキーの上位に置くようにすることだろう。心の綺麗な『薬の売人』はありえないことでない。
    そういう社会になれば『薬の売人』なんて職業どころか、ドラッグ自体がなくなる。

    夢想はこのくらいにしておく。

    少年時代の黒い肌に輝く瞳が、希望の未来でなく強烈な理不尽を見せつけられて、この地上に生を受けたことに怯えていた。

    yamaitsuさんはファンのことを清原和博にたとえていた。私もこの映画を見ながら清原和博を思い出した。でもそれは、ファンにではなく、シャロンの姿にだった。
    甲子園に桑田とk.kコンビとして活躍していた頃は、まだまだ線が細かったが、西武に入り、巨人に移籍するとがっしりとしたマッチョな体型になっていった。そして引退後、覚醒剤の使用で逮捕されるに至るわけだけれども、その過程を慮るとあの体験の前の線の細い清原和博がグッと強く思い出され10代のシャロンとダブった。

  • 正直 最後絡みがなくてホッとした。シャロンのことを思うと辛くて…絡んでしまったらもっと辛いわ。人生クソだわと思うまわりに勝手なヤツがなんと多いこと。欲ってのは周りを巻き込むものなんだなってあらためて思った次第。

  • 自分が何者であるかを明確に主張したり
    態度で見せる事は個性を重視する社会では
    非常に重要な事なんだろうな
    モノ言いたげな見上げる三白眼
    何も言わないその唇に力が宿っているようだ
    少年の問いかけに絶句する…
    自身の生業が他者を不幸にする仕事なのだから
    いくら善行を積み上げても真っ当な人間とは
    言えない…
    一方的に言われるがままで言い返したり、やり返したりできない自分がもどかしい…そんなモヤモヤした気持ちが常に彼を支配している
    ヤク中の母親が時折奏でる愛の言葉…
    それこそが彼をまどわせ、彼を縛り付けているような気がしてならない…本当はもっと早く親を見切る必要があった筈なのに躊躇する
    そんな葛藤が彼を暗黒面に留め続けている
    何故虐めるのかな?彼は何もしていない
    何もしない何も言わないが罪なのだろうか?
    理解できない分からない許せない

    ずっと自分の居場所を探していたんだね
    人が生きていくには
    誰かから必要とされていたり
    誰かから愛されているんだという実感が
    必要なんだよね

    なんかずっと息苦しい作品だったな…

  • Every nigga is a star.
    Every nigga is a star.
    Who will deny that you and I and every nigga is a star?

    すべてのニガーはスターさ
    すべてのニガーはスターだよ
    君と僕とすべてのニガーがスターなのを
    誰が否定するだろう?

    『ムーンライト』、自分が好きな曲で始まったからびっくり。元々はボリスガーディナーの曲だけども、ケンドリックラマーがこの映画の直前に出したアルバムでサンプリングしてて知りました。あまりhip-hopには詳しくないけどこのアルバムだけは持っている。ケンドリックラマーってブルーノマーズやテイラースウィフト並みに有名ですよね。このアルバムの当時グラミー賞を争ってました。そして今年はピューリッツァー賞を受賞したり、『ブラックパンサー』絡みのアルバムを出したりしてる。

    つまりそういう映画です、『ムーンライト』も。事前情報で撮影のことだけは知ってたけど、予想どおりの内容というか……アート系というか、ただただ美しい純愛映画。
    本来ならカンヌとかで評価されるような映画ですが、なぜこれがアカデミー作品賞を獲ったのか?大きい理由としては政治的なものですが、もう半分はブラックコミュニティのことを知らなければわからないんだと思う。ただ、個人的にはハリウッドの成熟を感じてて、10年後に振り返った時により理解できるかもしれない。

    hip-hopが好きな人だったら、彼らの文化の中にホモフォビアが根付いてることは知ってるかも。hip-hopに限らず、黒人社会に。これは宗教上の理由と、黒人の伝統的な考え方によるものらしい。
    ただ、彼らに特別ホモフォビアが多いわけではなく、白人の保守的な層、それからイスラムの方が当然もっと不寛容だと思う。
    ここ10年ぐらいで流れが変わってきたようで、黒人のアーティストたちも少しずつカミングアウトしてるそう。ただ、カントリー系のアーティストでは皆無らしい。

    ここで思い出すのは2005年の『ブロークバックマウンテン』。中西部の話だけど、彼ら保守的な白人たちが好むのがカントリーミュージック。
    『ブロークバックマウンテン』もアカデミー作品賞にノミネートされてましたね。それと比較して、11年後に『ムーンライト』が作品賞を受賞したことを考えると、ハリウッドの意思表示や変革をすごく感じます。

    それとフロリダやアトランタという土地柄も知らなければ語れないかも。黒人社会のホモフォビアと表裏一体で、アトランタにはゲイクラブも多いらしい。フロリダでは2016年に銃乱射事件なんかも起きました。

    以上、『ムーンライト』を取り巻くバックグラウンドの情報ばかりを書きました。本来なら宇多さんあたりがこういうことをもっと言うべきなんだけど、ラジオの方では「全然足りんな」って感じで……。外部サイトを見ても、偉そうに語ってる人でも黒人社会のホモフォビアについて触れてる人が少ないように思う。
    バックグラウンドの情報抜きだと、娯楽的要素が皆無な映画なので、この作品の価値ってわからないし、評価もできない。

    映画本編の感想は、ほんとに美しい恋愛映画、青春映画としか言えません。色彩設計、ブルーの物体を常に映している。
    恋愛要素を除いて青春映画として観ると、三部構成での主人公の変化、周りの大人たちに影響を受けていく点なんかはすごく好きです。

    他の映画でも、よく「映像詩」っていう表現をする方がいると思うんですが、この映画もそれに近い。ストーリーはわかりやすいんだけど、映像のみ、時間経過や行動のみをただ映しているだけ。語らないから心情を観客に想像させる。
    良い映画ってのはベラベラ語らない、説明しないものが多いです。それと同時に、主人公たちがカミングアウトできない、語れないって状況があるんですね。お互いに愛を告白できない。このふたつがぴったり重なってるんだと思う。

    ブラピのプランBが出資してるけど、『それでも夜は明ける』みたいに積極的じゃなかったのも良かった。あの映画、ブラピ本人の役もなんだかなぁって感じでしたね。(プランB作品やブラピの映画愛については大好きです)

  • 映画館にて。

    始まりから終わりまで、
    アイデンティティの確立をめぐる出会いと葛藤の物語で、
    色と音の類まれなる調和と、
    どこまでも純度の高いラブ・ストーリーであって、
    ひとかけらの無駄も欠如もない完璧な傑作である。

    深い傷つきがある。
    それを癒やすのは、
    傷つき以上の愛情でしかないのだ。

  • 黒人、貧困、麻薬というよく耳にする様なワードに”同性愛”というワードが加わった異色の映画。母子家庭で母は薬中。薬の売人を嫌うが、成長してからは自分も薬の売人になってしまうシャロン(アレックス・ヒバートさん、アシュトン・サンダースさん、トレヴァンテ・ローズさん)と唯一の友人・ケヴィン(ジャレル・ジェロームさん、アンドレ・ホランドさん)との交友をじっくり・温かく見守って下さい。

  • リアル、なのかな。
    この物語はどのようにも見れる。
    母子の物語
    父性の物語
    貧困、犯罪、ドラッグ
    変身
    そして性

    でもこれは純愛の物語でもある。

    すべてがないまぜで、剥き出しだ。まるで野菜を切って煮込んだだけのスープみたい。
    でもそれが虚構のなかである種の整合性と順序を持った物語になっている。
    ここまでまとめられた物語のなかで、感じるのは不条理だ。でもその不条理のなかに、たしかに美しさはある。

    ムーンライト。
    そして「ブルー」が象徴的な文学的な映画だ。美しい。

  • アカデミー作品賞に選ばれた作品 何の予備知識なく観ました。何とも 淡々とした中で ブラックであること、住んでいる地域的な悲壮感 性に対すること、ヤク中の親に育てられて…無口な少年が捉えてゆくもの。色んな差別の中で 生きて行くこと
    幼少期、青年期、成人して3部作が違う俳優達によって同じ人物シャロンを時代を越え描いているけど、三人三様なのに、何と言っても あの瞳が印象的で 瞳が語ってる という映画だった気がします
    少し、難しく どう捉えたらよいか自分の心の準備が出来ないまま、淡々とドラマは展開されていった。
    どんなふうに 成長していっても 何かを突き動かすものは 自分そのものでしかないんだと感じさせられた作品だった。

  • オカマといじめられた少年が青年、大人と成長していく。
    その過程の中で母との軋轢や性に対する戸惑いを経験していく。決して順風満帆な人生ではないが、そこには確かに困ったときに助けてくれる隣人や、愛情を与えてくれる友人がいる。そんな人の温かさに触れられる作品。

  • リトル、シャロン、ブラックの三段構成。その中で変わっていくものと変わらないものとがはっきりと分かるのですが、変わらないものは逃れられないものと言い換えても良いのかもしれないと思った。人間の心に潜む差別的感情とかもそう。しかしそういう抑圧の中で、微かな希望の光のようにきらりと光るのがフアンであったりケヴィンであったりで、それだけに特にケヴィンとの浜辺でのシーンは切ないしアツい。
    個人的にはやっぱり青年期のシャロンに一番胸が締め付けられる思いだった。自立心が芽生えつつも、逃れられない環境に束縛され、深い懊悩と繊細な感情の中、アイデンティティが揺れ動く様を、アシュトン・サンダースが見事に演じておられました。

  • すごーく丁寧な映画だった。
    宣伝で見かけたと思ってたシーンがなくて、拍子抜け。
    なにか勘違いしてたみたい。
    癒され安らげる場が、時間があるのはなんて幸福なことなんだろう。
    月明かりに照らされる浜辺で涙するよりも。

    劇場で観たら、また更に良かっただろう作品

  • 真面目で内気な黒人少年シャロンが、厳しい現実に翻弄されながら、生きていく物語。
    少年期、青年期、大人の3部構成で描く。
     少年期。月明りでお前は ブルーに輝く。
     青年期。泣きすぎて からだが水滴になってしまいそうだ。
     大 人。あの夜のことを、今でもずっと、覚えている。

    いたいけで愛おしいシャロン少年に応援を贈りたい。「シャロンん~~~っ!」
    シャロンはとてもいい子なのに、学校ではいじめられ、家庭も平和ではありません。
    ママはシャロンを愛し期待もしているけどママ自身は弱い人です。ヤクも売春もやってしまいます。
    どこにも居場所がなかったシャロンは、たまたまヤクの売人フアンと出会う。
    フアンは、シャロン少年を可愛がり、泳ぎと、人生は自分で切り開かなくてはならないのだということを教えた。
    シャロンにかつての自分を重ねたのかもしれない。

    学校では小中高通して毎日テレル一味にいじめられっ放しだったが、
    何かと声を掛けてくれるケヴィンという友人がいた。
    ケヴィンだけには、心を開き、笑顔で話すことができた。

    高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、
    シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…

    そして内面は変わらぬまま、外面を強くしてヤクの売人になったシャロンに、
    アメリカの黒人社会の厳しい現実と、そこで生きる、行き場のない人々の心持ちを垣間見た気がした。

  • アカデミー作品賞をとったというからそれなりに期待して観たのだが政治的意図が前面に出た受賞だったという印象。

  • 劇場視聴。

    大人になったシャロンがケヴィンの働くダイナーで再会するシーン。
    ケヴィンがジュークボックスで流した曲を聴いて涙が溢れました。
    この映画はただただ純粋な愛の物語なんだと気付かされたシーンでした。
    また選曲が他のどの曲でもなくバーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」というのがまた…グッときたなぁ。監督のリスペクトを感じます。

    そしてシャロンを演じた3人。
    全員が本当にシャロンでした。それはもう吃驚するほどに、それぞれの眼差しが一人の人間のそれでした。

    黒人社会やLGBTQと聞くと身構えてしまう人も多いと思うけれど、この映画はただひたすらに純粋な1人の人間のラブストーリーだと思って観てほしいなと思う。

    ★3.7

  • WOWOWで視聴。
    R15ですが高校生でこれみて楽しいという人は少ないと思うのである意味18歳以上対象ですな

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