大人の発達障害 アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 最近良く耳にするようになった言葉だが,「発達障害」の女性がヒロインのドラマが始まったことで気になって,以前セールで購入していたこの本を読んでみた。
    本書で例に取り上げられているような「ちょっと変わった人」は幸か不幸か私の近辺にはいなかったように思う。そういう症状の人のいる割合からすればいてもおかしくないとは思うのだが。発達障害という言葉から病気の一種なのだと思っていたがそうではないのだな。生まれ持った「異常」というよりも,おそらく広い意味での「個性」なのだと思う。となると治癒ということは見込めないのであるがままの状態でいかに折り合いをつけていくかを考えなければならない。「ちょっと変な人」の「ちょっと変な」言動は本人にとっては自然なことなので全く機にしていないのかとも思っていたが,そのことに起因して,周囲から変な人だと思われたり陰口を叩かれたり,仲間はずれにされることで,自分はちょっとおかしいんだとコンプレックスを抱き自己評価を低く持ってしまうことによる2次障害で本人も人知れず傷ついているということが大きな問題だと分かった。勿論周囲の人にも色々迷惑をかけるわけで周囲も発達障害だということを理解してできるだけ円滑に進められるように考えることが重要。
    しかし,周囲が協力するにしても,まずは本人が発達障害だという診断がなされることが先決であろう。第3者が勝手にあの人は発達障害っぽいなどと決めつけて対応するのはそれこそ差別になりかねない。発達障害だと分かったところで,やはり専門家による説明・分析・アドバイスは不可欠であろう。発達障害っぽい人にどうやって病院を受診させるのか,というところがクリアにならないと難しそうに思える。多分自覚のない人は嫌がるだろうし。「発達障害者支援法」という法律ができていて,それに基づいて各都道府県に発達障害者支援センターというものが出来ているということは初めて知った。やっぱりそれだけ多いということなのだろう。

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著者プロフィール

1972年沖縄県那覇市生まれ。精神科医。吉祥寺クローバークリニック院長。精神保健指定医。琉球大学医学部卒業。同附属病院、旧・東京都立府中病院精神神経科、聖路加国際病院麻酔科、JR東京総合病院メンタルヘルス・精神科などを経て、2007年より現職。著書に『発達障害でつまずく人、うまくいく人』(ワニブックス)、『大人の発達障害』(マキノ出版)などがある。

「2017年 『大人の自閉スペクトラム症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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