バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 旅の想い出にどんなものがある? と改めて考えてみると、実はあんなことしてしまった、こんなことに巻き込まれてしまった、といったハプニングだったりしないでしょうか?

    ウルド浩太郎さんは、そんなハプニングの達人。
    スケールも大きいですけど。
    遠くアフリカの大地で、ハプニングを楽しんでいるようにすら見えます。ご本人もWelcomeと言ってます(うそ)。
    ハプニングを乗り越えるのは、やっぱり一人では無理です。結局お友達を作って、お友達に支えられて解決していきます。
    アフリカは人を強くするのでしょうか。愛にあふれているのでしょうか。アフリカで活躍する日本の獣医さん(滝田明日香さん)の本も実に素敵だったのを思い出します。
    ティジャニは現地パートナー。読んでいて好きになりました。

    サソリに刺されたときの治療のシーンが出てきます。
    大騒ぎして、結局お祈りで治療するなんて。「もう大丈夫だ、安心しろ」って、うせやろ?
    他の方の著書、「ガダラの豚」、「ピスタチオ」にも出てきた呪術師を彷彿とさせます。
    アフリカに関する本は外れがないわ~
    併せて読むといいですねっ。

  • とても良かった ちょっと盛り過ぎ感もあるけどバッタ大好き人間 前野さんのモーリタニア滞在3年間のドキュメンタリー小説。著者が子どもの時読んだファーブルの昆虫記に触発されて以来まっすぐのバッタ道。
    研究者らしくない?発想力と言動力で失敗にめげずサバクトビバッタを現地で極めるべく邁進する姿に魅せられる!そして研究所長はじめ現地の人達の魅力的なこと(笑)
    刊行時に版を重ねた理由が納得できるユーモラスだけど大変面白いドキュメンタリー小説でした。

    • ありんこさん
      なんだか面白そうですねぇ!
      なんだか面白そうですねぇ!
      2020/07/11
  • 読んでいたらアフリカでサバクトビバッタの襲来の報道を見たのでタイムリーだった。
    ティジャニがいい味出してた。

  • 文句なしに面白い。やや過剰な表現もブログで磨いたノリの良さで笑いながら読める。バッタへの熱量が凄くて、こんなに夢中になれることがあるのが羨ましい。でもただ勢いに任せてるんじゃなくて、周到に作戦を練って遂行し乗り越えていくさまが痛快。やっぱり研究者、いかに成果を出すかのデザインと閃きが普通の人とは一味違う。と読みどころはたくさんあるけど、思わず応援したくなる愛されキャラの作者が一番の魅力なんだろな。

  • ブログっぽい文章でくすくす笑いながら読めるのに、最後には「いいものを見せてもらった…」とじんわり感動してしまう、おもしろ生物読み物。子供の頃はファーブル昆虫記のフンコロガシ編を何度も読み、集団になると凶悪になるバッタがいるらしいということにもロマンを感じていたくちなので、とても面白く読んだ。

    - 21世紀になってもサバクトビバッタの生態は驚くほど解明されていない
    - 筆者の失敗と再挑戦の繰り返しに心が浄化される
    - とは言えアフリカまで緑の全身タイツを持っていくのはやはり頭がおかしい
    - 頭がおかしくても社会性が高く、やはり成し遂げる人は人類に対する信頼感が高いのだなと痛感
    - ポスドクを活用しきれていない日本には「もったいないでしょ!」と叫びたい。自分の頭で考えられる、知的な人達がたくさんくすぶっているのはおおきな損失だと思った

    笑っちゃったのはサソリに刺されたときの現地の治療法と、バッタの代わりに研究した虫の雌雄の区別のつけかた。笑っちゃうポイントは読む人みんなちがうと思うので、言い合いっこしたい。

  • 2018年の新書大賞を受賞してさんざん面白いと話題になった本なので今更私がどうこう言う必要はないけど

    むちゃくちゃ面白かった!!!!

    そして盛大にババ所長のファンになってしまった

  • 幸せは人それぞれですよねー。この年になって自分にとって何が幸せなのかを深く考えてしまうのですよ。娘たちの成長を見ていて幸せだし、仕事が順調にいっていると幸せだし、株価が上がっていると幸せだし、先日見たAVが琴線に触れ過ぎて多幸感MAXだったし。

    で、この筆者はバッタ研究を続けられる事に幸せを感じる方で、読んでいて本当に羨ましい。ここまで好きな事を見つけ、今でもそれを続けられる、しかもお金を貰ってですよ。
    それまでには研究者という競争の激しい環境中で、無職という辛い状況にも耐えながら、よくぞ自分の夢を叶える事ができたのだと、ステキです、これは奇跡でしょうか、いやこの方の本当の実力なんでしょう(性格もよさげ)

    アフリカのモーリタニアの研究生活の下りも面白いですが、読んでいくうちになぜか筆者の魅力に引き込まれ、ネタバレになるので控えますが、アレがあーなった時なんぞ感動してしまったではないですか。地元に戻っての凱旋もしかり、鼻が熱くなるんですよ。

    この本に研究結果を求めて読んだのではなく、魅力的な筆者の今までの奇蹟を知っただけでも価値があると思ますね。

    因みに私は虫が死ぬほど大っ嫌いなんで、筆者の研究によって全世界の虫を皆殺しにして頂く事を強く望んでここに終わりといたします。

  • 著者のエネルギーが伝わってくる。日本で研究費を獲得するのは並大抵のことではないが、行動力と探究心でアフリカの大地を駆け抜け、見事白眉研究者に。ぜひ日本政府には研究者を広く支援してほしい。
    著者がファーブルに憧れて研究者になったように、前野ウルド浩太郎に憧れて研究者になる人もいずれはあらわれるだろう。

  • 表紙がインパクト強すぎですが、、
    アフリカで深刻な被害をもたらしているバッタ災害を撲滅するために、モーリタニアで奮闘するバッタ博士の話です。
    あやうく地雷の埋まっている地帯に足を踏み入れそうになったり、サソリに刺されたり、夜中の砂漠で迷子になったりと、かなり危険な生活。そして、昆虫学習としての意気込みが熱い。
    でも、軽快でとぼけた文章により、楽しい本になっています。
    帯に「科学冒険就職ノンフィクション」とあるように、筆者が今回の研究期間の後も、研究者として食べていけるのかと、気になりながら読み進みます。

  • 子どもの頃から抱く「バッタに食べられたい」という奇妙な夢を叶えるため、いや、バッタに被害を防ぐためにアフリカのモーリタニアまでやって来たものの、待てど暮らせど肝心のバッタの大発生は起こらず、仕方ないのでゴミムシダマシの研究に浮気をしたり、更には野生のハリネズミを飼い始めるなどする著者においおいと突っ込みを入れたくなる。

    やがて無収入者となった著者の姿に、読んでいるこちら側としても大丈夫かしらと段々に不安になってきた。

    しかし、捨てる神あれば拾う神あり、いや、「幸運の女神には前髪しかない」的にチャンスをものにできたのは、偏に著者の行動力あってのことだろう。それが周りの人々をも動かし、運命を好転させたのだと感じ入る。

    日本からはるか離れたアフリカに単身乗り込み、研究者として自立できるどうかと将来に不安を抱きつつも孤軍奮闘する姿に勇気をもらった思いがする。

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著者プロフィール

1980年生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。農学博士。
日本学術振興会海外特別研究員としてモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所に赴任。

「2012年 『孤独なバッタが群れるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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