- 早川書房 (1986年7月4日発売)
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感想 : 27件
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みんなの感想まとめ
圧倒的な世界観と独特な文体が特徴的なこの作品は、サイバーパンクの金字塔として多くの読者を魅了しています。初めてページをめくった際には、込み入った描写や独自のスラングに戸惑うかもしれませんが、物語が進む...
感想・レビュー・書評
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『ニューロマンサー』を読み終わった。『クローム襲撃』の一篇目に収録されている『記憶屋ジョニイ』に「これがサイバーパンクか!」と主にその文体、黒丸尚による訳文に感動して、今ならと、何度目かでまた読みはじめたのだった。
第一部「千葉市憂愁(チバシティ・ブルース)』はタイトルからしてサイバーパンクだった。そして、チバシティの“暗黒街”を舞台にした犯罪小説でもあって。ここでひとつ満足してしまう。そこで一旦『江戸の暗黒街』へ。その街で生きる人々の解決しない物語。
そこから“ザイオン”舞い戻り、少し読み進めたところで、今度はアメリカ西海岸、ロングビーチ、ラスベガスの暗黒街での事件と人生を読んでみたり。
たまに訪れる長編小説との倦怠期にはだいぶ前に買っておいた藤子・F・不二雄の「ある日、悪夢が…」というテーマで編まれた短編集を読んでみる。SFへの熱量が上がってきた。SFを読むとSFが読みたくなる。最後に収録された『マイ・ロボット』は『ニューロマンサー』と同じようなテーマを扱っているのでは、と思う。人間の思惑と規制を超えて“進化”する、しようとするAIの話。
よし、と思い再度“自由界(フリーサイド)”へ登り、そこから一気に読み切った。“サイバーパンク”とは「新鋭かつ華麗かつ電撃的文体」と黒丸尚の訳文だと思ってしまっているわたしからすると、“サイバーパンクは”凝縮された世界をトップスピードで駆け抜ける、短編で読みたい“ジャンル”、それが似合う文体のような気もしていた。それでも、長い物語でみえてくる、そこでしかみえないようなものもあったのだった。
読み終わってみると、これは『記憶屋ジョニイ』から続いている「街の侍」モリイの人生を解決しようとする、ある意味で復讐の物語としても読んでいたと気がつく。それはメインのテーマではないにせよ、この小説の一側面。電脳世界と対になる肉体世界(フィジカルサイド)の物語だ。彼女の改造された肉体のフロウにも「電撃的文体」はよく似合う。わたしはこの小説を大好きな短編から続く彼女の物語として読みたいと思った。それが、わたしの“サイバーパンク”なのだ。多分。そうかな。そこにジャンルの名前をつけなくても良いのだけど。
久しぶりにゆっくり寄り道しながら時間をかけて読んだ小説は、苦戦した気もしていたけど、読み終わってみれば、ああ、良い小説だった、になっていたのでした。モリイの物語はもっと読みたいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
圧倒的な世界観に脳神経を焼かれ、気がつくとドハマリしていた。サイバーパンクには疎かったが、『攻殻機動隊』も『マトリックス』も読み終わってから観た。それほど面白かった。2作とも本作の要素が数え切れない程出てきて、本作のインパクトを知ることができた。80年代にこれを読んだ衝撃は自分の比ではなかっただろう。
読み始めた時の感想は、「グワッ、読みにくい!」だった。描写が非常に込み入っている。固有名詞や独自スラングも説明なしで使われ、科学技術が無秩序に発展し、退廃した未来都市の場末に放り込まれる。登場人物の行動は常軌を逸しており、描写もストーリーもあちらこちらと乱反射を繰り返し、どこへ向かうのか全く分からない。
理解しようと頑張らず、人物の動きだけ拾って先に進むと文体に慣れ、世界観に没入できるようになってきた。話が進みミッションの目的が明らかになると、疾走感すら感じるようになってくる。ここで面白いのは、後半になっても文体は読みやすくなってはいないこと。世界観に没入することによって、ゴチャゴチャと描写された退廃世界をスラングを飛ばしながら駆け抜ける主人公たちが輝いて見えてくる。
SFとしてのネタは本当に豪華で、AI、電脳世界、サイボーグ、感覚共有、スペースコロニー、忍者と何でもござれ。後は強烈な文体に耐えて没入できれば最高にノれる、刺さる人には刺さる、そんなお話。 -
25年前に知人に勧められた本。本棚整理で出てきた手帳のメモが頭の片隅にあって、先日何かいい本は無いかと探していたら偶然見つけ、25年の時空を超えて読むことになった。
1980年代にここまでのSFを書けるってすごい。映画「マトリックス」の題名や基本設定はこの作品から来てるんだろうな。無法地帯やドラッグ漬けから始まるハードボイルドSFかと思いきや、ミッションインポッシブル的なチームプレイ、人工培養や人体改造、AI、他人の意識に入り込む疑視など、もう要素満載すぎてSFファンとしては目が眩む。麻薬によるアップダウンの描写とか、ディックっぽいところもイイ。
ただ、訳なのか原作なのか、人物名や設定が説明一切無く、しかも飛んで出てくるので、かなり読みにくくて、何度も戻って読まざるを得ない。昔の文庫みたいに「主な登場人物」を付けてくれるとありがたいかも。でも、この読みにくさが味なのかもしれない。
25年前に勧めてくれた知人は誰か忘れてしまったけれど、この作品を読む機会を与えてくれて感謝です。
基になった作品、続編、スピンアウトもあるようなので、楽しみに本屋で探してみよう。 -
「麻薬の効き目は特急列車のようだった。白熱した光の柱が前立腺あたりから脊柱を突き昇り、頭蓋の縫合を、短絡した性エネルギーのX線で照らし出す。歯の一本一本が歯槽の中で、音叉のように歌いだし、完璧な音程でエタノールのように澄みきっている」
何喰ったらこんな刺激的な文章書けるんですか? -
新版が出たので、積読だった旧電子版で再読。解説がついてませんでした... 3部作まとめて買っちゃったんだけど、みんな同じか???
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これも最初に読んだのはだいぶ前。その後、映像化されたサイバーパンクものもたくさん見てきたので、今度はイメージ付きやすいと思ったのですが、やっぱり難しいですね。なんか、ドラマ化されるみたいなので期待しています。 -
初めて読んだ。独特の文章・文体が読みづらくてびっくり!特に説明のないガジェット用語、現実世界とバーチャル世界との境も曖昧で、ぼんやり読んでいるとあっという間に置いてけぼりになってしまい、一体何のために何をしているシーンなのか分からなくなる。2025年に読んでいるので、バーチャル世界の感覚も「なんとなくマトリックスみたいな感じね」とかイメージしつつ読めるが、これを刊行当時に読んだ人は衝撃だっただろうなぁ……というのを通り越して、「なんとなくこういう感じ」という感覚なく読むのはかなり大変だったのでは!?と思った。
千葉市に滋賀という名前のエリアがあって面白い(滋賀県まで移動したのかと思ったら違った)。手裏剣が主人公の心情描写を反映するわりと重要ガジェットとして出てくるのも面白い。 -
え、待って。翻訳かっこいい。
とにかくめちゃくちゃ面白い。
この本を開くだけで、どんなに機嫌が悪くてもすぐになおってしまう。熱狂的ファンがいるのも頷ける。
正直千葉の話は心に刺さらなかったけれど、後半たまらなく面白くなる。
なんとなくSFは苦手だと思い込んでたけど、そんなことなかった。多分、大きな権力への反逆が苦手なんだと思う。
隼別王子の叛乱みたいな。
未来のはずなのに過去に見えるのは、人々がぼーっとする時間を持つからだと思う。
フーセンガムを噛みながら鏡を見つめたり。
最近の人はできないよね。携帯端末に夢中で。
そして映画っぽい。
時系列は逆なんだろうけど。
説明もなく大量の情報だけが流されるのが心地良い。
それでいて文学的な美しい映像が流れる。1つの短編になるようなエピソードたち。わたしはこの、20世紀アメリカの文学的美しさに弱い。決して教科書では取り扱われないような。
ストーリーの面白さと相まって絶妙なバランス。はらはらどきどきさせる以外の方法で、読者を魅了して離さない。うーん、天才。好き。
リヴィエラが登場してから色彩鮮やかになって楽しくなりました。
ケイスがだんだん優しくなる過程に胸がきゅーんとしてしまう。
優しくなる、というか人間的な感覚を取り戻してゆく、というような。
この前観た映画で、賢いとは学習能力が高いこと、と定義していたことが面白かった。初めから何もかもできるのではなく。
生きていることの定義は変化すること、なのかもしれない。なんて思いました。 -
運転見合わせして人でぎゅう詰めのキンキンに冷えた電車で一気にラスト仕掛け(ラン)を走り抜けました。
あの、アーミテジがメチャクチャに好きなんですが、……………………あの………… -
最高のトリップ。
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ヴィジュアルが浮かびにくい想像力の本。 故郷でもある千葉が出てくる以外全く覚えてないので再読。
20数年前読んだ時はわからなすぎて流し読みしてました。
が、それでもおもしろくないわけではなかったと思う。再読したいという意識はあったし。 今読んでも景色も新旧が入り混じった世界間がある。
1回目よりは一般に広がったネットの多様化やAIの現実感や、電脳空間ハックをヴィジュアル化したアップルシードや攻殻機動隊、マトリックスのお陰でだいぶイメージしやすくなったし用語集もある。
例えばアイスって覚醒剤のことではなくてウィルスプログラム防御壁だったり。造語も多い。本書に一切説明はない。
進化vs保守。統合。超意識
大枠は主人公がAI抗争に翻弄されるストーリー
ウォシャウスキー姉弟のマトリックスでジャックインするところとかもこの影響受けてるしそういうの見つけると楽しい。 ちなみによく比較される、士郎正宗は攻殻を作る前にコレ読んでないらしいです https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC
ちなみにAppleTVでドラマ化されるらしいけどまだラインナップになかったとってる最中かな?
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長編処女作にして衝撃のサイバーパンクSF!エポックメイキングな作品▲脳神経を焼かれハイテクと汚濁の都〈千葉シティ〉で腐る元凄腕ハッカー。能力の再生を引き換えにヤバい仕事を受ける▼ハッカー「ケイス」がサポートにネット上を跳躍し、全身武装の肉体改造を施したサムライ「モリィ」が現実世界で前衛としてアタックするツーマンセル。跋扈する疑似人格やプレAI、財閥、脳死者、クローン忍者を潜り抜け、ハッカー視点で紡ぐサイバー・ハードボイルド!地球上からスペースコロニーにまで舞台は遷移、再読必至の難解さも良しか(1984年)
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サイバーパンクの先駆け金字塔と賞賛される本書だが,以前に読もうとしたときは,「千葉市憂愁」を読み終わったあたりで挫折した。登場人物を把握できず,独特な用語を把握できず,何が何だかわからなくて物語に入り込めなかったのだ。
今回は何が何でも最後まで読むつもりだったので頑張ったが,やはり一度目とそれほど変わらない理解度で最後まで行ってしまった。冬寂(ウィンターミュート)って?構造物?氷?転じるって?プログラムの名前なのか実在の装置の名前なのか人物なのか仮想人物なのか仲間なのか敵なのか,とにかく把握できない。ケイスとモリイの会話だけはかろうじて楽しめた。
それでもこの物語が描く世界は1984に書かれたなんて信じられないくらい2020年に読んでも陳腐化していなくて凄いことはわかったし,その後の多くの作品や世界観に影響を与えたこともわかった。ウィリアム・ギブスンにとって日本は未来だったそうだが,千葉市に始まったり,そこかしこに日本のメーカーの名前が出てきたりするのはそのためだろうか。 -
SFの名作、ということで読んだもののすっごくわかりにくく時間がかかった。
サイバーパンクっていう退廃的な世界観とかなんとなくマトリックスとかのちのSF作品の原点になってることは理解できたものの、固有名詞が多すぎて覚えられないし、独特の世界すぎてなかなか理解が追いつかない。
文章の意味不明なかっこよさも含めて、厨二時代に読んでおくべき一冊だったかも。。 -
読了。したけど、途中はかなり斜め読みで、半分ぐらい理解できなかった。ただ、描写はおなじみのブレードランナーやら映画マトリックスやらの世界で、なるほどこれが原点というのはそういうことかと理解した。これ今新訳でたらもっと読みやすいんじゃないかな。こういう表現も含めての世界観ということもできるが、何しろ読みにくかった。
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設定が難しくて理解出来ない展開も多かったですが、電脳世界のSF特有のオシャレさを感じるお話でした!この本に影響を受けた作品がたくさんあるのも納得です。
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1986年に日本語訳が出版されてすぐ読み、その世界観にしびれた。いつか再読しようと思いながら、いつしか蔵書は行方不明となり、今回kindle版を購入して読んだが……。れれれ、わからん(^^;)。
第1部、第2部まではなんとか食らいついていったが、それ以降はもはや未知の領域。当時籍を置いていたSFサークルでも読了したのはぼくだけで(まあ理解したとは言わないが)、多少の優越感に浸っていたのに。『マトリックス』と記憶がごちゃごちゃになってしまったのかも。
この後に控えている2冊はしんどいなあ……。
著者プロフィール
ウィリアム・ギブスンの作品
