謙虚なコンサルティング ― クライアントにとって「本当の支援」とは何か [Kindle]
- 英治出版 (2017年5月17日発売)
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感想 : 13件
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みんなの感想まとめ
本書は、コンサルティングにおける新たな視点を提供し、特にソフトスキルの重要性に焦点を当てています。具体的な事例を通じて、組織や人事の課題に対してどのようにアプローチすべきかを探求し、単なる問題解決では...
感想・レビュー・書評
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本書は少しスペシフィックな観点によるコンサルティングスキルの紹介である。事例はほとんどが組織コンサルないしは人事コンサル的なものであり、ソフトスキルをもっていかに問題を解決するか、というところにフォーカスを当てている。そういう意味では、いわゆる王道のコンサルスキルとは多少異なるものの、どちらかというとアドバンスなスキルとも言うことができ、組織コンサルや人事コンサル以外にももちろん応用できるスキルが詰まっている。全体的にU理論にインスパイアされている感じがあった。自分もコンサルタントの端くれとして、こういったコンサルとしてのソフトスキルも磨いていきたいところではある。
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難しかった、、、
が、誰かの課題に向き合う時、相談された事柄を解決する事が正解とは限らないとわかった。相談の裏に隠された思いを探る事。内容に囚われない事。対話し、レベル2の関係を築く事が、本当の支援になる。 -
『プロセス・コンサルテーション』の実践事例紹介版。これまで私がしてきた支援を振り返りながら読みました。支援に関係する職についている方なら、かなり内省が捗るかと思います。
印象的ないくつかの言葉を紹介します。
▼「本当の支援は速やかに行われている」
この一言に本書で言いたいことのすべてが詰まっています。
これまでの支援が、初回セッションで役に立つことができたか、初回セッションで役に立つことができずその後もどれだけ長い時間をかけても役に立てなかったかの、二つにひとつだったと思い返します。
▼「行動は観察するものであって判断を下すものではない」
私は以前、クライアントに(半ば苛立ちを持って)行動を改めてもらおうと、衝動的かつ何度も働きかけて失敗したことがありました。なぜそうした介入がうまくいかないのか、どうすればよかったのかCASE3に鮮やかに解説されています。「組織は、その組織の文化と調和することしか実行できない」。まさにその通りだと痛感します。
▼ダイアローグを行う目的
ついつい私たちは問題を単純化してすぐに解決策を見出したくなる衝動に駆られますが、厄介な問題に向き合う時ほど対話を大切にしたいと感じます。ただ、往々にしてクライアントと対話の期待値がズレる。そんなときこそ、下記を必ず引用しておきたいです。
「ダイアローグを行う目的は、問題の探求であって、結論に至ることではないのを忘れないこと。ダイアローグが終わるときになっても、何をすればいいかはわからないままかもしれないが、取り上げた厄介な問題について、その複雑さを以前より深く理解できるようになっているだろう。」 -
謙虚なコンサルティングでは、どこまでも自分を偽らず誠実であることが、まず必要である。もう一つのは伝えるのが適切であることと適切でないことについての文化的なルールを守って、いつも行動すること
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言われてみれば当たり前、されど実行に移せるかどうかは別。
そんなお話です。
割と精神論的な考え方を示唆するものであるが、事例を挙げることでそれぞれの言葉に説得力を与えている。
最後に気に入った一文(結論?)を引用。
「役に立ちたいという積極的な気持ちと、好奇心と、思いやりから生まれるもの。尊重され大切にされたいと願うクライアントを前にしてなお、クライアントが直面している状況の複雑さと厄介さを前にしてなお、変わることのない謙虚な姿勢。」 -
謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か。エドガー・H・シャイン先生の著書。コンサルティングと謙虚は両立しにくい。コンサルティングは傲慢で高圧的で上から目線で高飛車で自信過剰になりやすい。才能が有って経験もある自分が教えてあげているという上から目線。謙虚なコンサルティングは難しい。謙虚なコンサルティングは存在しないのかもしれない。でも本当に求められているコンサルティングは謙虚なコンサルティング。
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読了。コンサルティングとはどうあるべきかという哲学について、自分の思っていたところを余すところなく表現していると思えた。チームで共有してサービスの背骨にしたい。具体的手法については改善の余地ありか。
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企業の顧問とという仕事、コーチングのコーチという仕事の上で参考になることが、非常に多かった。
すぐに実践できそうなものもあれば、難しいなと思うものもあり、実際の現場でどうすべきかを考える上でのヒントになるものが多かった。 -
人から相談されて、私からはいくつか疑問を投げかけただけで、具体的な解決策は何も提案していないのに、相談者は何かに勝手に気づいて解決しているという神秘体験に遭遇することが度々ありました。ただこれは毎度ではなく、うまくいかないことも度々あります。
この本はそれを狙ってやろうとしています。ケーススタディが多数あり、成功した事例も、手ひどく失敗した事例もあり、失敗した原因も分析されていて良い。
手っ取り早いまとめは、本書の末尾「結びの言葉」にリストアップされてます。
「パーソナライズ」と「アダプティブ・ムーヴ」という単語が、文中で明確に定義されてないっぽい(たぶん見落としている)のがちょっとツラかった。
「パーソナライズ」は、「個人的な関係」「打ち解けた関係」などと文中では翻訳されていて、いくつかの質問を投げることで、相談者の裏事情や本音、本質的課題を、引き出す、気付いてもらう、ということを可能にする関係。レベル2の距離感になっているポイント。
相談者の発言に対して、レベル1では、それが正しい課題認識であると受け止めた上でそのとおり診断や解決策を提案する関係性。レベル2を目指すなら、相談者の発言に、傾聴、共感、好奇心などから質問して、引き出そうとする。
「アダプティブ・ムーヴ」は、レベル2の関係性において、明確な解決策が見いだせない状況で、解決策に近づくための仮説検証の一手のこと。でいいのかな。たぶん。対話を重ねていけば、どこかでクライアントが解決策に気付いて手を打てる。コンサルが気付くこともある。いつも都合よくどちらかが気付くかというとそうでもない。
傾聴とか共感の本を読んでからのリベンジで読了。良書に違いないのですが「コンサル一年目が学ぶこと」などレベル1の関係性での本と比較して、かなり難解だし、実践はさらに難しいでしょう。
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