Kindle版読了。
人々の前では「気高く毅然とした王女」として振る舞っているが本当は臆病な性格の小国の19歳王女ヒロインと、容姿端麗、頭脳明晰で「理想の王子様」を具現化したようなヒロインの婚約者だが本性は…な大国の25歳策士系腹黒ヒーローとの政略結婚から始まるラブストーリーです。
年齢差6歳の幼い時から政略結婚が決まっていた婚約者同士で、いじめられっ子といじめっ子のカップルです。
王族同士の政略結婚とはいえ、ヒロインは子供の頃に1度だけあった婚約者ヒーローに恋をしていました。
前国王が亡くなった時に勃発した内乱を見事に治めたヒーローでしたが、それから国の情勢が変わった事もあり、ヒロインは不安な気持ちのままヒーローの元に輿入れします。
しかし、ヒーローは何故かヒロインが必死に隠している本当の性格を知っており、「泣かせていいのは自分だけ」とヒロインにだけいじめっ子本性を発揮してきます。
…ヒーロー視点もあるので、彼の考えている事も分かり良かったです。
優しい王子様の仮面を被った本性は策士系腹黒ヒーローと、気高く毅然とした王女様の仮面を被った本性は臆病で泣き虫なヒロインという、互いに仮面を被って本性を隠していたお似合いのカップルでした。
ヒロインはヒーローの嗜虐心をそそる玩具でしかないと思い込んでいましたが、ヒーローの方はヒロインが必死に王女として頑張ろうとしている姿に惹かれ、ひねくれた態度を取りながらもちゃんと愛してくれていました。
婚前前にちょっと手を出しましたが、結婚式当日の初夜迄「待て」が出来るヒーローで、ヒロイン限定のいじめっ子で腹黒かもしれませんが好感が持てました。
ヒロイン侍女は、やっぱり腹に一物抱えていた利己的な人間でしたか…。
ヒーローの護衛兼将軍の正体が、実は亡くなったとされていたヒーローの双子の兄だったという事実に驚きました。
ヒーロー母である王太后の人生もハードだったと思うので、王族は大変だとしみじみ思いました。
ヒーロー兄とヒロイン侍女の恋愛物語を、是非スピンオフで読んでみたいと思いました。
誤字脱字が多かったのが残念だったのと、個人の好みの問題ですが、あまり上手ではない絵師さんだったのが非常に残念でした…。
イラストで星評価をマイナスにしたかったのですが、大好きな作家さんなので贔屓目で星評価を付けました。(^_^;)