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感想・レビュー・書評
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折口信夫 原作 近藤ようこ 漫画 「 死者の書 」
原作を読んだ時に わからなかった 時系列や各章の前後関係、大伴家持や藤原仲麻呂の関係性、登場人物の背景が理解できる凄い漫画。原作の幻想性、自然描写、音感は 漫画のインパクトの強さで かき消されているので、併読するのがいい
他の解説書で確認したい点
*死者である大津皇子を 法華経が供養した という解釈でいいのか
*「古事記」「遠野物語」と同じく、日本人の古代精神を伝えた本なのか?
*曼荼羅の意味=郎女が神になった でいいのか?
(人物、背景)
藤原鎌足→不比等→武智麻呂→豊成→郎女
*郎女は藤原家の神に仕える常処女(巫女)
*豊成 政争に敗れ太宰府に左遷
*宮廷以外は石城を作れない→大伴家持は石の上を守らなくてはならない重圧に苦しむ
*藤原は中臣の分家→中臣は水の信仰を司る
*豊成の弟 藤原仲麻呂→藤原仲麻呂(豊成の弟)と道鏡法師の対立→仲麻呂敗北
兵部大輔(兵部省の次官)である 大伴家持
*家持の叔母 坂上郎女
*家持の父 旅人 太宰府に左遷→郎女の父 豊成と同じ
天武天皇→大津皇子=滋賀津彦
*大津皇子の姉 大来皇女(伊勢斎宮)
*天若日子は 天の神に弓を引いた罪ある神
(時系列)
1.郎女 称賛浄土教を千部写す発願→郎女 神隠し 二上山
2.神のようないでたちの者が 郎女の魂を 戻すため 魂乞→大津皇子(滋賀津彦)の魂を戻してしまった→「おれは活きた」
3.当麻氏の語り部→郎女の祖先た当麻の関係→語り部が神憑りに入り→大津皇子の執心の歌=耳面刀自を求め 叶わないなら 縁者を妻にしたい
4.大津皇子が日のみ子に反逆の噂→処刑の前 大津皇子が耳面刀自を見る→執心→大津皇子には 郎女が耳面刀自に見える→郎女は 当麻まで導かれる
5.ほほき鳥(うぐいす)→法華経と鳴く→法華経と唱えるだけで あの世の苦しみが助かる
6.大伴家持が郎女の神隠しの噂を聞く→郎女は神の物→郎女への好意を断つ
7.「姫の咎は姫が贖う」二上山で 償いしたと自身が得心しなければ帰らないことを決意
8.大津皇子の影が 郎女に迫る→「なも阿弥陀ほとけ」「あなとうと阿弥陀ほとけ」「のうのう阿弥陀ほとけ」→菩薩、白玉の指
9.藤原仲麻呂と大伴家持→「うま人はうま人同士、やっこはやっこ同士」言わせておけ
10.仏の花 青蓮華→二上山に菩薩→菩薩に着せる布(壁代)→早く織らなければ 冷たい冬がくる→壁代に曼荼羅を描いた
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『死者の書』 原作 折口信夫 漫画 近藤ようこ
「近藤ようこ氏のあとがき」(上)
40年前に初めて読んだ『死者の書』を、やっと漫画にすることができました。まだ準備不足だったと思う反面、今でなければもう描くチャンスも体力もないだろうと思っています。原作の文学性を再現できるわけもなく、私が目指しているのは、折口信夫を全く知らない人のための「死者の書・鑑賞の手引き」です。読者には最終的に原作を読んでいただきたいのです。そして、私の解釈は間違っていると言うような指摘をされるのこそが本望です。(以上引用)
(以下感想)
そもそも漫画をほとんど読まない日常なのですが、それなのになぜこの本を買ったかというと、①大和郡山にある小さな本屋さん(変わり種のいい本があるらしくて本書もその一つだった)に一度行ってみたかったこと、②もともと素人として民俗学にも折口信夫にも関心があったこと、③小説は好きなのでその氏の書いた(たぶん珍しい)小説が原作らしいこと、④そして毎日二上山を西に仰ぐ盆地に住んでおり大津皇子の存在やあの時代の出来事を普段から身近に感じていたことなどがあったからです。でも最終決め手は、⑤やはり実際手に取って見た近藤ようこ氏の漫画をぱらぱら見てびびんとくるものがあったからですね。
さて、今朝読み終えたところですが、期待裏切られることなくいい漫画でした! しかし感想を述べるのは、なかなか難しい。何せ言葉では表現し難い世界(人間の理性が自然や人間や宇宙を分化して定義づける以前の未分化の世界)が描かれていると思うので読んだ直後は「感じる」しかないですからね(と今は逃げておく)。
…ということで、近藤氏の「あとがき」にあるように、折口信夫の原作を読んでみようと思います。その上でまた感想を言葉化できたらいいな。(2021/5/25)
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