生涯投資家 (文春e-book) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
4.06
  • (37)
  • (56)
  • (18)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 325
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (237ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 村上ファンドで有名な村上世彰氏の著作。
    投資家としての考え方や投資方針などがたっぷり書いてある。
    気になるニッポン放送、フジテレビをめぐる買収合戦の裏側の事情も書いてあって、当時を知る者としては非常に面白く読めた。

    当時のメデイアの報道の仕方は「報道機関を金儲けだけを考えているハゲタカに渡す訳にはいかない」という路線で徹底的に村上ファンドを悪者として扱っていた。
    なんとか日本の放送機関を守るんだとメディア一丸となって叩いていたと思う。
    私自身も「村上ファンド=悪者」と思い込んでいて、インサイダーで逮捕された時はざまあみろと思っていたものだ。

    ただ、この本を読んで印象が一変した。
    あのニッポン放送の買収劇の前から、子会社のフジテレビの業績に比較して親会社の株価の低すぎるというのは問題視されてたらしい。村上氏は投資家の立場から何度もニッポン放送やフジテレビ、産経新聞に対して買収防衛策を提案していた。しかし、各企業の自己保身やグループ内のコミュニケーション不足により全く採用されず。そうこうしているうちにホリエモン率いるライブドアに買収を仕掛けられる事態となる。本当に企業のためを思って提案していた村上氏の思いは届かず、半ば対処療法的な決着となってしまった。

    村上氏の主張は一貫して「コーポレートガバナンスの徹底と資金の還流」だ。

    一つの企業が余剰すぎる資金を貯めすぎるのではなく、株主や市場に資金を還流すれば、あらたな投資家が別の投資活動へお金を使い、資金が還流し経済が好転的にまわりだすという考え方だ。

    そのためのコーポレートガバナンス(企業統治)が重要だと考えており、そんためには投資家として口を出していくというスタンスだ。

    当然ファンドビジネスであるからには利益を出す必要があるのは間違いないが、それよりも企業の成長や健全化を通じて自分も利益を出そうとしているように思える。

    村上氏の自伝なので美談的に記してあるとは思うが、自身でNPO法人を設立し、資金のなNPOへ出資したり、災害時準備用にテント資金を寄付したり、今で言うクラウドファンディングの基礎を作ったりと、知られていない活動を行なっている。
    書いてあることは、美談や誇張が含まれているかもしれないが、やっていることは素晴らしい。
    お金の使い方をきちんと分かっていると思う。

    今にして思えば、悪者は村上ファンドではなく、一方的な報道で印象操作を行っていたメディアの方ではないかと思う次第だ。

    そうまでして守ったフジテレビの今の凋落ぶりを見れば、あの時ホリエモンが目指した「ネットと放送の融合」がなされていれば、どうなっていただろう。

    ちょっと財務知識が必要だけど面白い本。

  • ニッポン放送をめぐるインサイダー取引で大騒ぎになった村上さんの著書である。当時は濡れ手で粟で巨額の利益を得た汚い投資家という印象を持っていて、萩本欽一のような顔とのギャップに嫌悪を感じたものだが、実態はまるで違うものだった。出る杭は打たれるで、どこかからの圧力で潰された人なのかもしれないと思った。
    ファンドが手がけた案件を詳細に書いているが、儲けたという話は書かれていない。ただの自慢話になってしまうからかもしれない。内容は難しくてよくわからなかったが、この程度の内容がわからなくては投資をする資格はないんだろうなあ……。

  • プライムreadingにあって面白そうなんで読んでみましたシリーズ

    村上ファンドのことって正直あまりよく知らなかったが、この本を読んで、金融市場とはなにか、上場企業の果たすべき役割そして彼の哲学を知ることができてよかったです(小並感)

    なかなか面白かったし、株式投資に携わる人間として参考になりました。

    相変わらず適当なレビューである。

  • 先日ガイアの夜明けに出演されてたの観て、この本を手に取りました。自分も若い頃から投資しているので、この手の本を数多く読んだが、断然厚みのある体験に引き込まれた。村上さんの視点なので、どこまで信じるかは置いておいて、新聞・TV報道では分からないことが多々あるな。と感じた。

  • 村上ファンドの金儲けして何が悪いってあの記者会見のイメージが強かった村上さん。実は日本のことや企業経営のこと、コーポレートガバナンスについて一生懸命で、いろいろな経営者にも慕われる人だったんだと見方が変わりました。今は子どもたちへの金銭投資教育に力を入れていて、そういうお金の使い方は素晴らしい活動だと思います。

  • 村上ファンドとして名を馳せた投資家の自伝。
    あの当時マスコミで話題となった話が軒並み書かれている。

    率直に言って、ものすごい面白い。
    と同時にマスコミの一面で切り取る感じと、日本の司法のクソさに辟易とさせられる。
    勿論、彼の立場で書かれているので、割引いて考える必要はあるわけだが。

    この本を読んで、ファンドなので利益重視というイメージが強い中、コーポレートガバナンスという理想など割と哲学がしっかりしていることに共感を覚えた。

  • 先ず、投資に対しての基礎知識がないと単語が分からない、
    単語が分からないのでテンポ良く読めない、
    これはこちらの知識不足だが、

    誰でも気軽に読める本では無いと思う、


    経済の勉強にはなった

  • 村上さんの主張がよく伝わりました。

  • 村上氏の自伝書です。
    飛ばし飛ばし興味ある箇所だけを読みました。

    村上ファンドとして活躍していた頃の内情がとても興味深かった。
    現在も細々と新分野に投資しているそうです。

    村上氏やホリエモンのような人が「出る杭は打たれる」的に消えていくのはとても惜しい。

  • 村上氏が追い求めたもの。
    日本経済に対する危機感、コーポレートガバナンスの必要性。

    正しいことを正確に伝えることの難しさ。
    強烈な個性の反作用、マスメディア、公権力の力学。

全43件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

村上 世彰(むらかみ よしあき)
1959年生まれの投資家。大阪府大阪市出身。村上ファンド創設者。株主総会などで会社経営陣を批判・叱咤する振る舞いから、「もの言う株主」として知られる。
代表作に『生涯投資家』。2018年9月に『いま君に伝えたいお金の話』を刊行。

生涯投資家 (文春e-book)のその他の作品

生涯投資家 Audible版 生涯投資家 村上世彰
生涯投資家 単行本 生涯投資家 村上世彰

村上世彰の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クリス・アンダー...
ジャレド・ダイア...
ウォルター・アイ...
伊賀 泰代
デール カーネギ...
有効な右矢印 無効な右矢印

外部サイトの商品情報・レビュー

生涯投資家 (文春e-book)を本棚に登録しているひと

ツイートする