- Amazon.co.jp ・電子書籍 (175ページ)
感想・レビュー・書評
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この本自体が2013年と、7年も前の本なので
読むのには少し遅きに失したという感じ。
国家として国民を守るという大義名分のために
監視をしていいのか、
監視社会にすれば手っ取り早いが
本来なら政治家は自分たちが主体となって
決めて国を動かしてもらう代理人の様な役割で
対等であるべきはずが
監視社会によって言論を閉ざされ、
対等な立場ではなくなる、ということに
危機感は覚える。
(アレ、そんな国がお隣にあった様な。)
そういう国に住んでいるので実体験だけど、
ほぼほぼ生活がネットやスマホを通して
丸見えという状態なのだが(ついでにお金の流れも)
特に不便は感じない。
政府を脅かさない活動については自由だから。
ただし、その気になれば、無実でも引っ張れる。
でも、別に監視してなくても今の時代
どうにでもなるよね?
(証拠がエアドロップでいつの間にか自分のスマホに
転送されてるとか聞いたことあるし。)
あるいは、街中が総監視カメラ状態だから
交通規則が守られる様になったり、
カードをとあるお店でなくした人が
どこでなくしたか教えてもらえたりとか。
何か被害にあった時、事故にあった時、
テロに遭った時に、情報を提供してもらえれば
変な誤認で逮捕されることもなくなるだろう。
特定期間がめったやたらに集めている「マス・サーベイランス」が
テロや犯罪の役に立っていない、と本の中では断言しているが、
それに関するソースなども提示されることがなかったのが
腑に落ちなかったし
テロは起きるのはしょうがなくて、
未然に防ぐことは1つもできなくて、
管理されるより数千人、数万人死ぬ方がマシ。
ということなんだろうか。
透明性、とか情報開示、とかいうけれど、
どうやってその内容が真実なのか、という
証拠とすればいいんだろう、と
監視社会のことのみを言及していてその辺が謎。
(※とは言え、監視社会が良いと思ってるわけではない。)
あと、性犯罪者が再犯の確率はすごく低いから
監視の必要がない、というのは全く納得できない。
高いんじゃなかったっけ?
一方で、現在の日本においての問題点…
例えば、警察組織を客観的に監視する検査委員会が形骸化
している問題とか、
マスコミがきちんと本来の仕事をしていないこと
(客観的に良いところは良い、問題点は開示する)
そのマスコミの精度は国民の関心の薄さや民度に
よるものだということはその通りだと思う。
今、日本の社会がどういう仕組みになっているのか
理解している人も興味がある人も少なくなっていて、
自分の生活が脅かされなければそれでいいというか、
どんなに良い法律でも自分にマイナスになるなら反対、
悪くても自分に都合がよければ興味なし、
という態度がこの出口のない様な閉塞感に満ちた
社会を作ってしまってるんじゃないだろうか。
民主主義社会をきちんと機能させるためには
本書で書かれている様にニュースをただチェックするだけではなく、
きちんと考え、行動すること。
そのための純度の高い報道機関を求めること。
そして、考え続け、変わり続ける覚悟を
持たなければならないなぁ、と思った。 -
いくつか個人的に連想されるものがあった。
1つは政治の話。
普段距離を置いてしまう政治に深く関係するトピックということでよくよく考えなければいけないなぁと思うものだった。プライバシーという自分が直接関係するものであるからこそ、政治に近づく良いチャンスになりうるものだと。一方で自分はジャーナリストでもムスリムでも無い、という点ではもう一つ近づききれないところではある。
自分は狭い世界に生きているという自覚は生まれる。
2つ目は技術の話。
IT業界にいるものとして「監視」は一つの大きな技術要素でありつつも、クローズドネットワークの中でのそれは念のため、くらいの要素。リアルな意味での監視とその監督を現実的に考えることなどほとんどなかった。 -
共謀罪絡みで手に取った新書。監視社会はテクノロジーによってここまでやれるのかと驚きました。NSAが"Collect it all"を行ってきた背景が分かりやすく書かれています。スノーデン氏の聡明さや正義感が伝わります。
政府は市民を監視し把握しているのに、市民は政府のことが良くわからない。これは民主主義ではない。
こういう状況描写はアリストテレスの時代から指摘されていたと言うことにも驚きました。
恩赦で故郷に帰れる日が来ますように。
著者プロフィール
エドワード・スノーデンの作品





