週刊東洋経済 2017年7/1号 [雑誌](残業禁止時代 働き方改革のオモテと裏)

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  • / ISBN・EAN: 4910201310777

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  • トランプは怒る労働者、失業者から目を背けている。

  • 今号の特集は、「残業禁止時代」について。
    政府が働き方改革として残業を抑える動きを取っているが、果たして各社の実態はどうなのか、またなぜ残業が減らないのか、などが書かれている。

    まず残業の実態については、多い所は多い、ただし減らせる所は減らせている、といった所のようである。

    残業削減の実例もいくつか載っているが、共通点としては、トップ主導で仕組みごと改善しているということ。
    従業員が個別に生産性を上げていっても、程度到底たどり着ける目標ではない。
    やはり大きな改革には、トップの強い意志と権限が必要なのだろう。

    出来ている企業は出来ているので、きっと他の会社でも残業を減らせるはずである。
    もちろん人ごとではない。
    経営者の皆さんには是非頑張って欲しい所だ。

    また残業が減らない理由については、アンケートによると、
    ・そもそも人手が足りない
    ・急な仕事が入る
    ・繁閑の差が激しい
    がトップ3に当たるそうである。
    なるほど、確かに納得できる。

    これに対して自分は解決案を持ち合わせていないが、せめて1つ目の「そもそも人手が足りない」だけはどうにかしてもらいたいものである。
    十分な人手を揃えられないのはマネジメント層の力不足であり、ましてやその責任を従業員に転化するなどあってはならない。
    人が足りなくても無理に仕事をしなければ経営が回らないのなら、そのビジネスはもう終わっているのであろう。

    社会全体で人手不足なのは分かるが、それは今後も避けられないので、どこかで大きな意識転換が必要ではないだろうか。


    それ以外では、「ひと烈風録」の鏑木毅さんの記事がとても印象に残った。

    山を駆け抜ける「トレイルランニング」の第一人者であり、なんと48歳で現役というのだからすごい。
    高校・大学の陸上で挫折しつつも、就職してからトレイルランニングを始め、その後プロに転向したという意志の強さには感動すら覚える。

    鏑木さんは、以下のように語っている。

    『100マイルの長距離レースになると、最後は気持ちの勝負になるんです。
     走り続けるつらさを受け入れられない人は、2番、3番を走っていても棄権してしまう。
     逆境だらけの人生を送ってきたことが、耐える心に繋がる』と。

    かつて挫折を味わったことが、今に繋がっている。
    逆に言えば、過去に負けたことがあっても、それを次に活かすことができれば、それは負けではないのだろう。

    挫折し、でも諦めず耐えて、ようやく花開いた人だからこそ出た言葉だろう。
    なんとも勇気づけられる、素晴らしい言葉ではないか。

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著者プロフィール

東洋経済新報社(トウヨウケイザイシンポウシャ)


「2022年 『就職四季報 優良・中堅企業版2024年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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