静かなる叫び [DVD]

監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
出演 : カリーヌ・ヴァナッス  セバスチャン・ウベルドー  マキシム・ゴーデット  エヴリーヌ・ブロシュ  ピエール=イヴ・カルディナル 
  • Happinet
3.12
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感想 : 9
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4907953089198

感想・レビュー・書評

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  • 静かなる叫び

    銃の乱射テロか…何気ない日常だったものが突如、戦場と化すような衝撃的なアバンタイトルに続いて、何を思い詰めるのか胸の痛いオープニング…苦悩しているような雰囲気を察知されないように無関心な態度で平静を装っているけれど女性や他の誰かに興味がない訳ではないようだ。学生として学業にも興味があり日常における自己評価も悪くない。だけど心の間隙を埋めてくれる何物かを待ち焦がれているような彼からはそんな印象を受ける…
    端正な顔立ちに彼女は朝から緊張感を持ちつつも自身の未来を掴み取るための舞台に臨む好奇心が顔から受け取れる。とてもチャーミングな印象。
    こう言う銃の乱射による無差別テロの作品を何か観たなぁ〜と取り止めもなく考えていたらそれは「ウトヤ島、7月22日」だった。あの作品も些か衝撃的な作品だった。撮影手法もさる事ながら、あんな小さな島で…起こった出来事は唖然とする…悲しい出来事…
    1989年だとまだネットも携帯もそんな普及してないから、資料やノートをコピーするのに行列が出来てたりするんだな笑笑。懐かしいと言うか、今だと考えられないな笑笑
    物語の舞台がカナダだからか、カウチン着てる学生が散見されますねぇ〜こう言う地域柄ってのを観るのも映画の面白さですよね。
    「ゲルニカ」かぁ…二十世紀を代表する絵画の一つで反戦や抵抗のシンボルでしたよねぇ〜大きな意味ありげな場面です。
    車中で思い詰めて綴る犯行声明…震える手が身体が…極度の緊張が伝わって来る。
    校内を歩く彼の眼にはもう何も映っていないし、もう何も見ていない…FPS目線で廊下にいる学生の幾らかをカメラは追っているけれど彼は何も見ていない…ライフルを出してからの彼の眼は全然違う強さになっていた。獲物を狙う眼…
    自分自身が突然死ぬかもしれない場面が割と身近に有るってどんな感じがするんだろう。米国や欧州、アフリカとかみたいに銃が生活のすぐ側にある社会だと突如として降りかかるテロ行為に出くわした時に自己防衛が働くんだろうけど、銃が身近にない我々の生活圏ではこう言うことは起こり難いけれど、もし起こった時、ちゃんと逃げ出せるだろうか?なんて心配してしまう…笑笑
    勇敢だった彼は事件から逃げおおせて、母親の元へ戻った。彼も事件で受けたショックや心の傷と戦っているんだろうか?人がバタバタと死んでいくとか、それを間近で見てしまうとかそんな体験をしたら、どうやって乗り越えれば良いのかな…事件に巻き込まれて勇気を出して行動した彼はどうして自殺した?自分が犯人でもないのに、少なくとも誰かを助けようとした筈なのに、誰も救えなかった呵責に耐えきれなかったか?それ、哀しすぎるわ…こう言う体験ってのは、身体的な被害を受けなくても精神的な被害を受ける事があって、それを克服できないって事もあるんだなぁ〜身体的な傷は日にち薬でも精神的な傷はある種、人を死に追いやる病みたいなもんなんだね…
    彼女は生還した。キャリアも積んで、彼氏も出来たし、子を授かった…でもそんな自分が怖いと言う…もし自分の子供が事件を起こしたら?もしまた自身が事件に巻き込まれたら?彼女の心のうちは測りきれない…けれど話を聴いたり、話をしたりすることなら出来るかもしれない。
    重い作品です。でもこう言う事実を知って置く必要はあると思う。

  • 森会長、さすが神の国発言をした男……。「良い事言ってやろう、面白いこと言ってやろう」として全スベりする、それどころか不適切な事を言っちゃうおじさん(いやおじいさんか)の典型かと。日本の政治家ってほんとこういう人が多い。
    最近ようやくテレビなどでもアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)って聞くようになった気がするけど、やっぱり問題はこれなんだと思います。昔、金八先生でも言ってました。偏見や蔑視の気持ちは誰の心の中にもあるから、それを意識して行動を変えていくのが大事じゃないかなと思う。ブクログで色んな方のレビューを読ませて頂いてるけど、ジェンダー関連の本を読んでる方はすごく多いのにね。

    という、まさにそのタイミングで観たのがドゥニヴィルヌーヴの『静かなる叫び』。カナダのモントリオール理工科大学で1989年に起きた銃乱射事件の映画です。乱射した犯人は、ミソジニーというかアンチフェミニストで、女子学生だけを狙ってバンバン撃ち殺していく……本当に救いのない内容です……。

    マイケルムーアの『ボウリングフォーコロンバイン』で、カナダに行ってインタビューするシーンがあったり、あるいは『ゾンビーノ』っていうゾンビコメディ映画は「カナダからアメリカを見た風刺」だったけど、カナダでも銃乱射事件ってあったんですね、知らなかった。しかも動機がほんとに酷い。

    ドゥニヴィルヌーヴ監督というのは、言い方が悪いけど「つまんない映画」をよく作る人なので、もう慣れっこです。つまんないのに評価されてて次々と映画を撮る(褒めてます)。だからヌーヴェルヌーヴェルヴァーグと勝手に呼んでます。
    銃乱射事件だとやっぱりガスヴァンサントの『エレファント』は良い映画だったなあと思う。『エレファント』はスクールカーストを無差別に破壊する映画だった。『エレファント』は無差別で、この『静かなる叫び』は差別なんです。

    理工科大学で、主人公たちは熱力学の講義を受けていて、エントロピーの話をストーリーとたぶん重ねていると思う。音楽、スジバンの『Love in a Void』など。

    淡々と描いてるだけなので、これが長い映画だったら退屈だったと思う。上映時間が1時間ちょいで短いのは良かった。犯人が女性に対する逆恨み、アンチフェミニズムを語る部分は怖くてゾクゾクします。

    というのは、私にも女性に腹が立つことがあるからです。こちらには何にも非がないのに、ものすごいキツい言い方や暴言を吐いてくる女性に読書会で出会った経験が度々あります。そういう時は「クソ女がぁーっ!」ってやっぱり思ってしまう。そして「いやいや、女性全体は悪くない。こいつ個人の言動がクソなだけ」と思い直します。あと、女性でも自分が気づいてないだけで、男性蔑視的な発言をされている方はけっこういると思う。
    ブックカフェの店長が、「ま、所詮女の言うことですからね」と言ってたこともある。あとで考えたとき、その人の発言を諌められなかった自分にも腹が立つし、「大卒で読書が好きな奴でも所詮こんなもんか」と思い、その店に行くことはやめたけど。

    テレビのワイドショーなんかで酷い事件を報道した後に「犯人の気持ちがまったくわかりませんね」と当たり前のことを言ってまとめるキャスターに違和感を覚える。そりゃ犯人に共感できるわけはないでしょ。
    じゃあ『タクシードライバー』や『ジョーカー』など、クライム映画は犯人に共感して観ないのか?と。それだとこの社会の分断は、何も解決しやしないと思います。

    こういう事件を知ることや、自分の心の中にある蔑視や偏見に向き合うためには良い映画だと思う。


    ……と、ここまで書いた後、映画秘宝の編集長の件を知る。被害者の方のツィートがそもそもチラ裏レベルの印象論で「読まずに批判」、これは営業妨害に問われないですからね。そこにスルースキルゼロで非常識な編集長。とても共感……できるわけねえだろ!

    因みに、私は映画秘宝に載ってるような作品ばかりを観てるけど、雑誌としての秘宝は特に好きではない。理由はホモソーシャル的云々ではなく、別のところ。秘宝の雑誌本体があまり好きではないだけで、ライターさんでは好きな方多いです。真魚八重子さんとか。

  • 反フェミニストの男が起こした、女性だけをターゲットにした銃乱射事件。犯人、被害者となった女子学生、現場に居合わせた男子学生の3人の視点で事件が描かれます。

    後年この監督がものにする傑作のことを思うと、77分と短い作品ということもあり、習作という印象もありあす。しかし、セリフや説明も抑制し無機質な音楽を配した硬質な作風と、凶悪でセンセーショナルな銃乱射事件との組み合わせは異色で、事件の臨場感のある描写にはゾクゾクするものがあります。

    それにしても主演の女優さん(カリーナ・ヴァナッス)は美人だったなぁ。

    「男の子なら愛を教え、女の子なら世界へ羽ばたけと教えます」

  • 1989年に起こった、女学生たちが標的とされ犠牲となった物語。
    一人のインセルによって引き起こされる様が描かれる

    「生まれた子が、男の子なら愛を
    女の子なら世界に羽ばたけと教えよう」

    ────────────────────
    https://www.elle.com/jp/culture/a233673/cfe-remember-white-ribbon-and-montreal-massacre161125/

    ─「俺の人生を破壊したフェミニスト野郎たちを抹殺してやる!」 そう叫んだ彼をモンスターにしたのは、「男と平等になろうとする女は男の利益を侵害している」「女は男にひれ伏していればいい」と教え込んだ父親。その影を、トランプ次期大統領の父権主義とマチズモに感じずにはいられない。

    トランプが口にした女性への暴言が“問題発言”になっているのは、ただ単に下品な発言だったからではなく、女性差別が最終的に女性全体に恐怖を抱かせるテロリズムと繋がることを体験してきたから。そして、この恐怖は今でも続いているから。─

  • 2009

  • 原題:POLYTECHNIQUE (2009年) ※日本公開 2017年

    まず、ほとんど白黒なのにビックリした。
    次に、実際の事件に基づいた映画なので、面白いとか面白くないとかはないが、退屈である。
    物凄く恐ろしいことが起こってはいるんだけど、退屈…。
    ただ、昔にこういう事があったんだなぁ…と知るには良いんじゃないかな。
    時間も1時間10分くらいだし。

    “ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手掛けた社会派ヒューマンドラマ。1989年、モントリオール。理工科大学に通うヴァレリーとジャン=フランソワは、いつも通りの1日を送っていた。すると、突如男子学生のひとりがライフル銃で構内の女子学生を銃撃し始め…。”

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