働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」 [Kindle]

著者 :
制作 : 川添愛  花松あゆみ 
  • 朝日出版社
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本棚登録 : 60
感想 : 5
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感想・レビュー・書評

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  • 前半はAI全般の進化を解りやすく解説
    後半は言語処理に特化して、言葉の性質を含めて丁寧に解説
    イタチと他の動物たち達とのやりとりも楽しく、挿絵も癒やされる 久しぶりに良本に出会えた

  • 〈丸善eBook Library〉本文リンク
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000061760

  • 祝300回!言語の物語をたっぷり語ろうスペシャル (エピソード300 / ゲスト: 川添愛 / 2017.11.7 配信):
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    さあやってまいりました、ついに配信300回!今回は言語学者であり「白と黒のとびら」の著者の川添愛先生をゲストにお迎えしてのスペシャル回です!!恒例のオススメ本は米原万里の「オリガ・モリソヴナの反語法」を選んでいただき、知られざる歴史の悲劇と人間関係の面白さとを絶妙https://booklog.jp/users/hontanainfo#かつドラマチックに描き出す魅力を語っていただきます。さらに直近の著作、さらにさらに出版間近の新作も踏まえ、創作の原動力にまつわる裏話や今後の創作活動についてもお話を伺います。難解な科学理論とファンタジックで絵本的な世界とを融合させてしまう発想と手腕に、タナカとナリタは感心させられっぱなし!物語が生まれる面白さが散りばめられたスペシャル回、どうぞお楽しみください。

    2:08〜 ゲスト登場ー言語学と創作のきっかけ
    27:44〜 紹介本ー謎と歴史とストーリーテリング
    51:40〜 「働きたくないイタチ〜」とAI研究最前線
    1:18:33〜 創作についてー専門性とコンプレックス
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    http://hontana.info/2017/11/07/2017-11-7-300lg/

  • 「言葉がわかる」とはどういうことを考えるために考えなければならないことが、かなり整理できた。

  • 2018年に読んだ本BEST10

    第6位 :『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」 / 川添愛』

    ・人工知能関連本。「言葉を理解する機械」を作って面倒な仕事をさせて、自分は楽をしたいイタチのトライ&エラーを通して、「言葉がわかるとはどういうことか」という定義について考えさせてくれる、童話・寓話のような物語。

    ・イタチは言葉がわかるロボットを探していろんな動物の技術をもらおう(パクろう)とする。その中で登場するのは、機械学習・人工知能の世界で扱われる技術・概念。
     (1)言葉が聞き取れる ・・・ 音声認識、単語区切り
     (2)雑談ができる ・・・ チューリングテスト
     (3)質問に正しく答える ・・・ IBMワトソン、ネット検索
     (4)言葉と外の世界を関係づけられる(目を持つ) ・・・ Deep Learning、画像認識
     (5)文と文との論理的な関係が分かる ・・・ 推論パターン、文章の類似度
     (6)単語の意味についての知識を持っている(辞書) ・・・ 単語のベクトル化
     (7)話し手の意図を推測する(言外の背景も理解) ・・・ 曖昧さ解消

    ・どこまで人工知能が進化しても、(7)まで到達するのは困難であるということが良く分かった。人間が無意識にしている、前後文脈の判断、話者同士の共通常識すりあわせ、その場の空気読みなど、「曖昧さ解消能力」の高さは、自分が理解できている範囲の技術では、未来永劫無理なように感じてしまう。技術者の立場からしたら、言語を機械が理解できるよう、日本語を曖昧さを排除した文法・単語に変えていった方が良いのでは、とも思ってしまう。でも一方、文学好き・日本好きの立場からすると、そうなったら日本の良さが失われるのは確実なので、そんな動きがあったら、やっぱり断固反対するけど。

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著者プロフィール

川添 愛(かわぞえ・あい):1973年生まれ。九州大学文学部卒業、同大大学院にて博士号(文学)取得。2008年、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、12年から16年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授。専門は言語学、自然言語処理。現在は大学に所属せずに、言語学者、作家として活躍する。 実績 著書に『白と黒のとびら』『自動人形の城』『言語学バーリ・トゥード』(東京大学出版会)、『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』朝日出版社、『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(東京書籍)『ふだん使いの言語学』(新潮選書)など。

「2023年 『世にもあいまいなことばの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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