彼らが本気で編むときは、 [DVD]

監督 : 荻上直子 
出演 : 生田斗真  柿原りんか  ミムラ  小池栄子  門脇麦  柏原収史  入江海翔  りりィ  田中美佐子  桐谷健太 
  • ジェイ・ストーム
4.03
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本棚登録 : 261
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4580117626356

感想・レビュー・書評

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  • 最後のシーンが特に良かった。余韻まで味わえる終わり方が好き。
    トランスジェンダーは主題ではなく、それぞれに編まれた絆こそが主題である。こういう作品は私の懐にすっと入ってくるなと思う。

    それに、主題ではないが(だからこそなのかもしれない)、説得力を持たせるには技量を要するテーマには違いなく、その辺りは見事だとも思った。

  • 11歳の小学生・トモ(柿原りんか)は、母親のヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。だがある日突然ヒロミが家出、独りきりになってしまったトモは叔父のマキオ(桐谷健太)の家に向かう。母の家出は初めてではなく、過去にも同じ経験をしていたトモだったが、以前と違うのは、今回マキオはリンコ(生田斗真)という美しい恋人と一緒に暮らしていたことだった。
    リンコは元男性で、女性への性別適合手術を受けたトランスジェンダー。そんなリンコの美味しい手料理に安らぎを感じ、団らんのひとときを過ごすトモ。母は決して与えてくれなかった家庭の温もりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコの存在に戸惑いながらも、三人での奇妙な共同生活が始まった……。
    トランスジェンダーのリンコとマキオとともが共同生活していく中で、トランスジェンダーである自分自身に悩み母がそんな自分を受け入れてくれたことがリンコさんの救いになったことなどを理解して心を通わせていく展開の中で、ともの同級生がクラスの友達に片思いしているのが原因でいじめられたり、ともの同級生の母や世間がリンコの前に立ちはだかり理不尽な思いをする悲しい現実がしっかり描かれている。リンコさんが、悔しい思いや悲しい思いをした時に、編み物をしながらやり過ごすというやり方は美しいけど、理不尽な現実に辛抱するのが奨励しているみたいで少し切ない。リンコが作るお料理が見る者の胃袋を掴むし、世間の偏見に染まったともがリンコさんと触れあう中で偏見から解き放たれ同級生と友達付き合い出来るようになる成長がしっかり描かれている。
    ともの母がネグレクト気味なのが、母親との葛藤にあること、ともの同級生の行く末、ともとリンコの繋がりがどうなるのかが、深く描かれていないのが、残念。トランスジェンダーのリンコになりきった生田斗真の熱演、ともを演じた柿原りんかの演技は、良かった。

  • 色々な方のレビューをみると、賛否両論だけど、個人的にはストレートに泣けた。
    生田斗真のリンコさん、個人的には本当好き。すごく合ってた!!
    リンコさんがすごく素敵で、観てる間中ずっとリンコさんの幸せを願ってしまった。

  • 生田斗真すごい

  • 2022/03/21
    よかった…。みんなで108の煩悩を燃やすシーンがいい

  • 女の子になりたい男の子、そんな気持ちに寄り添って見守った母親が素敵だ。
    108個の男根の編み物のシーンがとても好きだ。カラフルでいろんな形があって、そして最後の供養。心に残ります。

  • 青臭い人間の優しい話。

  • 生田斗真さんが優しい女性に扮し恋人の姪と親子の情を築いてく。

  • 記録。

  • 何となく、トランスジェンダーというものが
    聞いたり扱ったりするのに気を遣わないといけないような
    風潮だが、映画の中では割とあっけらかんと性とか
    性差について触れられているのがまず良かった気がする。
    (もちろんそれは、リンコの母親の受け入れが
    あったからこそだと思うけれど。)

    その上での差別やら辛いことやらっていうのは
    人間誰しも出会ったり受けたりするもので、
    彼女にとってはそれが「男性だ」と言われる偏見で
    それを編むことでぶつけて解消していく…という点では
    ヒロミやマキオの母親と変わらないというのも
    この映画で伝えたかったことなんじゃないかなぁ、と思う。

    実の母、実の娘という関係性こそ、ややこしくなるというか
    マキオの「愛してるとかそういうのとは別に人間としての
    相性がある」というのは私と母もそうなので、ホントそう。
    母親とトモがうまくいかなかったのは閉鎖的な関係で
    逃げ場がないからで、
    もしかしたらマキオとリンコのところという逃げ場が
    見つかったエンディング以降ならば
    お互いにうまくやっていけるかもしれないなぁ、と思う。
    私自身、夫と結婚して無二の味方を得たからこそ、
    実の母親とうまく付き合えるようになったから。


    また、母と子(娘)という対比で、リンコとヒロミの
    それぞれの母親との関係性というか、
    100%受け入れてもらえたリンコと、
    100%受け入れてもらえなかったヒロミ。
    そこから子供(というか、身近な人)への対応が違う点。
    母から受け入れられなかったという連鎖がヒロミからトモに
    受け継がれようとしていたけれど、
    リンコとの出会いでそれが断ち切られ、
    むしろトモがヒロミを受け入れられるようになることで
    ヒロミも、母から受け取れなかった愛情を
    感じられるようになるんじゃないかなぁ、と
    最後見て感じた。

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著者プロフィール

荻上直子(おぎがみ・なおこ)
1972年、千葉県生まれ。映画監督、脚本家。千葉大学工学部画像工学科卒業。1994年に渡米し、南カリフォルニア大学大学院映画学科で映画製作を学び、2000年に帰国。2004年に劇場デビュー作「バーバー吉野」でベルリン映画祭児童映画部門特別賞受賞、2017年に「彼らが本気で編むときは、」で日本初のベルリン国際映画祭テディ審査員特別賞など、受賞多数。他の監督作に「恋は五・七・五!」「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」、著書に『モリオ』がある。

「2021年 『川っぺりムコリッタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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