- 文藝春秋 (2017年7月6日発売)
本棚登録 : 32人
感想 : 5件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)
みんなの感想まとめ
古代中国の歴史を背景にした短編小説集は、魅力的な人物たちの物語が詰まっています。商の王子・丁が言葉を失い旅に出る話や、狩猟族の首長である后羿が冷酷な若者に裏切られるエピソードなど、各短編が独自の視点で...
感想・レビュー・書評
-
宮城谷先生の本は終わり方にもう一声欲しいと思ってる読んでいたが、本作は短編の詰め合わせなので読みやすく最後まで面白い。
古代中国の人物に関する話を読みたい人には特におすすめ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
5編からなる短編集。
「沈黙の王」
商の王子・丁は話すことが不自由で旅に出されるが、後に甲骨文字が創られることになる。
「地中の火」
狩猟で暮らしを立てる族の首長である后羿は弓矢を使い勢力を増していく。そこに寒浞という若者が現れ家臣となる。夏王を倒した后羿だが、寒浞の謀略に足元をすくわれることになる。
「妖異記」
周の幽王は褒姒という笑わない美女に入れ込む。鄭の桓公は命をかけて傾国の周を守ろうとする。
「豊饒の門」
妖異記の続編。主人公は鄭の桓公の嫡子・掘突(後の鄭の武公)
「鳳凰の冠」
晋最後の名君の悼公の頃。叔向(羊舌肸)は街で見かけた女性に心を奪われる。その女性は夏姫の娘であった。後に叔向は悼公の太子である彪の太傅となる。
「子産」では小国の鄭に対して大国晋の叔向は少し意地悪な印象。また彪(平公)はもっと暗愚に描かれている。
鄭の国の成り立ち、夏姫の娘が登場するこの短編集を読めば、次に夏姫春秋を読まずにはいられない気持ちとなる。 -
夏、商(殷)、周の古代王朝の王、名臣を主人公とする5編の短編集。唖者として言葉を持てずに、宮廷から追放され、苦難の旅を通して成長し文字を考案したという殷第22代王・武丁。「妖異記」「豊饒の門」は周の幽王を美貌で眩惑し、国に苦難をもたらした笑わない王妃・褒姒と幽王、「鳳凰の冠」は晋の文公後の平王時代の名臣・叔向が主人公。いずれも共通して、徳に満ちた賢い人格者の名君や迷君、名臣や佞臣(例えば幽王時代の虢仲)、そして様々な美女が登場し、ロマンに満ちている。印象的なのは叔向の妻・才色兼備の季邢は夏姫の娘、出会い、そして結びつきに至るまで素晴らしい女性として表現されている。母娘とも良い女性として描いていることは全く逆転の視点だった。
「地中の火」は夏王朝時代の話しで、親しみのある人物が出てこない点、私にとっては分かりづらい話だった。 -
文字を生み出したとされている殷朝第22代王 武丁(ぶてい)の話。,,その他、4つの短編はどれも面白い。,「地中の火」…「夏」王朝の時代、夏を一時的に滅ぼしたとされる后?、后?の配下となった寒?の話。,「妖異記」…「周」の幽王の時代、後宮で褒?(読みは「ホウジ」)を見出し、正后を放置して傾倒しだす……。,「豊饒の門」…「妖異記」の後日譚。鄭の太子・掘突(読みは「クツトツ」)が父の鄭公・友の遺志を継ぎ、鄭を背負う様を描く。,「鳳凰の冠」…叔向(読みは「シュクキョウ」は、市中の店で鳳凰の翼から取った羽で作ったかのような立派な冠にしばし見とれるものの、元は名家であった羊舌家は既に斜陽に差し掛かっていた…。
-
【中国古代小説の名作、新たに】中国で初めて文字を創造した武丁を描いた表題作はじめ、夏、商(殷)、周といった古代王朝を舞台にした傑作群が大きい活字で再登場。
著者プロフィール
宮城谷昌光の作品
