パッとしない子 (Kindle Single) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 意外な展開だった。
    さすが辻村作品。
    痛いほど人の本質をつつく。なのに断定しない。
    どうしてこんなにも人の感情がわかるのか。また、どうしてこんなにも、人の感情を活字に表現できるのか。
    本当に好きな作家さん。

  • グサっときたなー。自分も仕事と結びつけて読んでしまった。何の言葉や行動が児童にとって刃となって突き刺さるか分からない、からこそその時々で最善の方法を取れる努力をする必要がある。

    だって、本人が何とも思ってないことが、誰かにとっては心ないものだと受け取られるのだから。美穂先生の隠そうにも隠せない本心を綺麗にエグく撃ち抜く佑くんが恐ろしい。こんなことは誰にでもある。他人の功績を伝える過程で自分の虚栄心は満たされる。「少し関わっただけ、でも自身と関わりがあるから」で過去のことを好き勝手言っていい顔されたい予備軍なんてほとんどでしょ。「あいつ知ってる!」が放言吐いていい理由にはならん。

    短いながらも妙な怖さを感じ取れる作品でした。

    【読了時間:26分 / 1日】

  • 初めてKindleで読んでみた本。

  • 共感する部分があった。それは生徒側から見た教師に対して思うこと。何気ない一言が生徒を傷つけてしまう。人気のある先生こそこのやうな要素が強い。なぜなら多数から人気があるということは、みんなに対していい顔をしているようにも見えてしまい、その中で発言に矛盾が発生する場面が出るから。こういったことは仕事の組織の中でも当てはまることなので、気をつけたい。

  • ほんと、人間って難しい
    言葉って難しい

    再読したり
    後からジワジワ思い(感想)がこみ上げてくる
    主人公と同じ世代
    これまで過ごしてきた中に
    傷つけた人がいたかもしれないと思うと
    気づかせてくれて謝るチャンス(許されなくとも)があるだけいい

  • 読み終わった後の感情としては「複雑」だった。450ページぐらいでボリュームとしてはあっさりと読める。
    内容としては非常なヘビーかつ現実的な問題を取り上げた風刺的要素もあるのかと思った。

    教師と国民的スター、ぱっとこの文章だけ見れば清涼な恋物語でも始まるのかと思えば、驚きの展開だった。
    「した方は記憶が曖昧でも、された方は一生記憶に残る」。作者のメッセージ性が強く感じられる作品だ。
    この作品ではあくまで彼らは教師と生徒だが、一般的ないじめを象徴する言葉として、耳覚えもある。

    しかしながら、結論としては、個人的にどこか説教じみた内容というか、典型的なメッセージのように感じられた。
    『発言した言葉は元には戻らない。だから、相手の気持ちを考えて、慎重に言葉を選ぶべきだ。』確かにその通りだ。
    私は思ったことはすぐに口から出てしまう単細胞なので、この作品の教師の気持ちも分からなくはない。40人対自分1人で戦わなくてはならない教師の気持ちを踏むと、一概に責められないと思ってしまう。
    もし彼女の行動がいじめ問題に発展した原因だとしたら非常に問題だが、察するに少年は平凡に学生生活を送れていたようなので、言われた言葉に固執して恨みを持ち続けていたことに、自身の学生生活の非充実性に対して彼女に責任転嫁をしているような気もしなくもない。
    だが、立場上女性側に非はあるし、小学生は本当に繊細な生き物なので軽はずみな発言が多いとも感じた。
    とりあえずこの女性生徒は教師に向いていないし(あくまで小学生)、数十年近く弟のために邁進してきた兄。よく頑張ったね〜

    結論、両者の気持ちも分かる。
    なので感想を言うなら、まさに『複雑』の一言である。

  • 台湾行きの飛行機の中で
    キンドルで読んだ
    なんか胸が突かれる感じ

  • 短編ながら、読み応えあり。
    畳み掛けるように主人公を追い詰める、元教え子の佑。佑が帰り、傷心のまま、やっと解放されたと思いきや、更にとどめとも言える衝撃の事実を突きつけられてしまう。
    他の人のレビューには、主人公の美穂の行為を悪くないように書かれていたり、寧ろ美穂を擁護するようにも取れたりするものも見られる。けれど、私は読んでいくうちに、美穂に対する憤りを感じた。
    佑と会話するほんの数時間前に、他の先生との会話の中で佑のことを「パッとしない子」「地味な性格」と言っているではないか。なのに、佑に指摘されて「(そんなこと)言ってない
    」と何回も否定し、過去の自分の行為も「(佑が)繊細すぎるのだ」と反省していない。
    「私、そんなに悪いことした?」この言葉が美穂の本音。その言葉がさらに佑を傷付けるとは思わないぐらいのおバカさんぶりを見せつけてくれる。
    「僕を見ないで」ーアイドル全盛期の佑をテレビで見ない日は無い。テレビや雑誌で佑を見るたび、美穂は心をえぐられることだろう。
    残念ながら、美穂のような教師は多い。私も美穂から見たら「パッとしない子」だった。
    だから、佑の気持ちがよくわかる。
    おとなしく、教師の手がかからない子で、先生を「友達」と思えない(先生はあくまでも「先生」という考え)児童は目をかけてもらえない。でも、どんな児童でも、教師からのあたたかい声掛けを待っているものである。
    学校は閉塞的な空間で、子どもはそこから逃げることはできない。逃げる=不登校となる。教師は慎重に言葉を選んで話すべきである。特に、若い教師は感情に任せたままの言動が多いので、気をつけて貰いたい。
    ちなみに、今、私は小学校で教壇に立っている。「パッとしない子」に目を向けることは忘れない。

  • KindleSinglesにて。
    コレはなかなか胸クソ悪い。
    よい。
    よいね。
    辻村深月はホント読んでみるまでどっちかわからないから楽しいわ。
    いやあもうホント出てくるヤツらがみんな好きになれない感じでよい。
    そして普通にいそう。
    それがまた胸クソ悪さに拍車をかける。
    いやあよかった。

  • 主人公とともに喉の奥に何かつっかえるような、ムカムカ吐き気のしてくる気持ちが残った。
    すごく痛いところを突く物語。人の記憶はいかにも、自分都合で勝手だ。失敗を認められない大人、自分はそうでないことを祈りたいが、とっさに口を衝いて出てしまう言い訳こそ醜いことを知っている。わかっていながらもまた、それを認められないだなんて…
    きれいな水で心のつっかえと汚れを洗い流したくなりました。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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