知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書) [Kindle]

  • KADOKAWA (2017年7月20日発売)
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みんなの感想まとめ

この作品は、トランプ政権の誕生や自国優先主義の影響を通じて、現代の政治情勢をわかりやすく解説しています。読者からは、過去の出来事を整理しながら、トランプ大統領の人間性や政治力についての考察が深まるとの...

感想・レビュー・書評

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  • 知らないと恥をかく世界の大問題8 2017
    自国ファーストの行き着く先

    著者 池上彰
    初版発行 2017年7月20日

    途中、大日本帝国時代に日本も核爆弾を作ろうとしたという解説がある。陸軍と海軍がそれぞれ別々に研究をしていたと読むと唸ってしまう・・・なんだこれは。究極の二重行政国家が大日本帝国だったのだとしか思えない。滅びるべくして滅んだとしか評価は出来ない。

    55年体制で社会党が自社さ政権、村山富市内閣をつくる為にこれまでの看板政策をひっくり返した事で従来の支持者達が離れていくという構図・・・つい最近の中道改革連合でも似たようなパターンが繰り返されている気がしてならない(特に最近行われた女性宮家、自称旧宮家を認める認めないの騒動)

    ただ当時は野党外交が存在し、ソ連、中国と連絡を取りたい時に社会党議員を活用しこっそり連絡をしていたとある。今の高市早苗自民党にそれが出来ているのだろうか?大いに疑問だ。ネトウヨ相手にイキっているだけ。今の自民党は日本維新の会と似たりよったりでしかない。第二次安倍内閣では二階俊博をはじめ中国とのパイプが存在したものだが・・・

    今の日本の政治体制は55年体制よりも劣化しているのではないのか。

    途中で、民主主義の国とは選挙結果にみんなが従うことだという解説がある。これも2020年のアメリカ大統領選挙でトランプがバイデンに負けた際に危機的状況に陥った。アメリカにおいても既に民主主義は万全では無くなりつつあるということだろう。

    2017年3月に当時の韓国大統領の朴槿恵が罷免、大統領を失職、逮捕された件が解説されている。2017年どころか2025年には韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、2024年12月に違法な「非常戒厳」を宣言して内乱を企てた罪などに問われ、2025年1月に逮捕・起訴され、その後、2026年2月のソウル中央地裁の一審判決で無期懲役の判決を言い渡されている。
    最高権力者と言えども、間違った事やおかしい事をきちんと指摘し断罪する文化が韓国にはしっかり根付いている。日本はどうだろうか。この辺も韓国に劣後していると思う。
    一人あたりGDPでも韓国に負けている・・かつて経済大国と呼ばれた極東の島国の住人として今後の日本も隣国の良い点を少しでも学び実践するべきだと思う。



    印象に残った点

    サミット出席前、トランプ大統領はバチカンを訪問。ローマ法王に謁見しました。このとき法王は環境対策の必要性を説いた自著を大統領にプレゼントしました。これは強烈な皮肉ですね。
    世界の首脳たちが会う時、そこで交わされる会話によって、その人物の教養が分かります。トランプ大統領の言動を見ていると、物事を知らないということを、少しも恥じていないことがわかります。無知の知ならぬ無知の恥です。

    トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」と言いますが、実際は自分さえ良ければいい、「オレ様ファースト」です。

    過去は変えられないけど、未来は変えられる。未来を変えるのは私達です。

    議論をすることの効用は、知識の多さを競ったり、相手を論破したりすることではありません。互いに違いを認め、尊重し合うことではないかと考えます。

    これまではモノを所有することが豊かさの証でした。シェア・ビジネスの成長は、所有することから心の豊かさへと、人々の価値観が変化しているあらわれと言えるかもしれません。

    日本人が仕事人間になってしまったのは、長い歴史の中で最近のことです。だとしたら、仕事人間から脱するのも、さほど時間がかからないかもしれません。

    日本でも、2017年度から一部、給付金(返さなくて良い)奨学金が支給され、2018年度から本格導入の予定ですが、財源は厳しく、金額や対象も限定的です。
    未来の日本の為に緊急に必要なのは、教育格差の改善であり、安心して学べる環境の整備なのです。

    きちんと教育を受けた子供たちは将来、就職しきちんと税金を納めてくれる。OECD加盟国に浸透しているのは、「教育予算は健全な社会への投資」という理念です。返済不要の奨学金が無いのは日本とアイスランドだけ。でもアイスランドの年間授業料は、日本の授業料に比べればかなり低額です。

    ヨーロッパの多くの国は、高校まで、あるいは大学まで学費が全て無料です。さらに大学生に給付性奨学金を用意している国もあります。生活費を渡すから、アルバイトをしないで勉強に専念して下さいというわけです。

    2016年9月に発表されたOECD(経済協力開発機構)加盟33カ国の教育費にかける割合(2013年データ)で、日本は下から2番目という結果でした。それほど教育機関への公的支出が少ない。それ以前は6年連続で最下位でした。

    江戸の終わり頃、日本のあちこちに寺子屋が1万6000あったと言われています。現在、日本の小学校の数は約2万校。江戸時代は今よりはるかに人口が少なかったわけですから、いかに日本人が勉強熱心であったかがわかります。こういう素地があったからこそ、イザというとき、大きく成長することができた。

    私が中東や、あるいはアフリカに行って「日本から来た」と言うと、現地の人達は口々にこう言います。「日本は明治維新の後、急激な経済成長を遂げ、先進国の仲間入りをした。私達も是非それを目指したい」
    私は「頑張って下さい」と言いながらも、内心では「気持ちはわかるけれど、そんなに簡単じゃない」と思ってしまいます。
    発展途上国から見ると、日本は長い間鎖国していたのに、明治維新から急激に成長した。だから自分達も短期間で成長できると思うのでしょう。
    ところが、実は違うのです。江戸の末期(1850年代)当時、世界で一番の先進国だったイギリスの識字率は20%と言われていました。その時の江戸はどうか。なんと識字率60%、イギリスの3倍だったのです。

    東大生の54.8%が、親の年収が950万円以上というデータがあります。貧困のループから抜けられないと、社会全体に経済損失が生まれ、国力が弱まります。

    貧困問題は教育格差を生みます。

    今、貧困家庭の子供たちに無料、または安価で食事を提供する「子供食堂」という施設が急増しています。満足に食事がとれない、学校給食でしか栄養が取れない子供もいて、夏休み明けにはすっかりやせ細って登校するケースもあるというのです。

    貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類の定義があります。絶対的貧困とは、生命を維持するために最低限必要な衣食住が足りていない状態です。一方、相対的貧困とは、その国や地域で「普通」とされるレベルの半分以下の所得しか得られない状態を言います。

    いま子供の6人に1人が、相対的貧困に陥っていると言われています。

    生活保護受給者の数は20年前の倍以上になりました。この影響を顕著に受けているのが子供たちです。

    格差が広がると経済は発展しない。今まさにそういう状態に陥っています。かつてと全く同じ形の平等を取り戻すことは、もはやできません。昔に戻すのではなく、新しい仕組みづくりが必要でしょう。

    しかし一億総中流は既に過去の話。一部のとてつもない金持ちと、大多数の豊かでない人に社会が分裂すると、経済は発展しにくくなります。

    安倍政権になり、雇用は増えたと言いますが、その多くは非正規雇用です。その結果、雇用者の平均基本給は下がってしまいました。

    しかし、いくら金利が低くても、企業は投資をしても収益が見込めなければ、投資のリスクを負うことができません。

    湾岸戦争でイラクがクウェートから撤退しますと、クウェート政府は世界各国の新聞に「クウェートを解放してくれてありがとう」という広告を出しました。そこに多国籍軍に参加した国の国旗と国名が掲載されたのですが、日本の名前はありませんでした。日本円にして約1兆8000億円も出したのに、感謝されなかったのです。
    金を出しているだけではダメだ、人的貢献が必要だということで、自衛隊が海外で活動できるように法的な整備をしようという動きが始まったのです。この結果、湾岸戦争のトラウマで、日本は最初のPKOとしてカンボジアに日本隊を派遣しました。

    世界には、こうした核兵器や化学兵器を買いたい国があります。北朝鮮は白昼堂々、しかも空港という衆人環視の下で、VXガスで金正男氏を暗殺して見せました(北朝鮮は認めていませんが)。ミサイル実験をして、正確にミサイルを飛ばせることを世界にアピールしています。

    21世紀の今、グローバル経済は危機に瀕しています。
    アメリカでトランプ政権が誕生する一因となったグローバル経済への反発は、90年ほど前にもありました。
    当時も貿易で豊かになっていたのに、第1次世界大戦へと向かった。その後、世界恐慌が起こり、世界は「反グローバル」へと突き進みます。
    世界各国が、自国の産業第一を考え、輸入品に関税をかけます。関税をかけられた側は報復関税をかけます。かくして保護主義の波が世界を覆います。
    こうした中で、自国第一を掲げた政治勢力が力を持つようになります。保護主義が進めば、貿易は減り、世界全体が貧しくなっていきます。世界恐慌です。
    世界恐慌の中から、ナチス・ドイツのようなファシズム(全体主義・排外主義的な政治形態のこと)体制が生まれます。
    今、アメリカという大国が「自分達はグローバル化で得をしていない」「雇用が奪われている」として「アメリカ・ファースト」を訴えています。第2次世界大戦後、世界は保護主義経済が世界恐慌を作り出したとの反省から、自由貿易の理想を追求してきました。
    歴史に学ばない政治家が出現したことで、第2次世界大戦の貴重な教訓は消えようとしています。
    私達は歴史を忘れてはなりません。

    天皇退位に伴い「平成」の元号は終わり、新しい元号に変わることになります。元号が変わることで、時代の雰囲気も変わるのかもしれません。
    ちなみに、元号は日本独自のものと思っているかもしれませんが、そもそもは中国の皇帝が使っていたのを真似たものです。台湾は今も中華民国建国を元年とする「民国◯◯年」を使っていますし、北朝鮮は金日成が生まれたとされる1912年を元年とする「主体(チュチェ)◯◯年」という元号を用いています。

    「1人の天皇在位時の元号は1つ」と決められたのは、明治から。

    明治の前の慶応までは、1人の天皇が交代の時以外でも、何度も元号を変えることができました。大きな災害があったりすると「縁起が悪いから」といって、改元が行われていたのです。

    世界は、日本が核兵器を持つ能力を持っていると分かっています。ただし、日本は「非核三原則」を守っています。「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という原則です。核兵器を持たないのが日本の国是なのですが、核兵器は無くとも、核兵器を持てる力は持っておくことが、外交上の抑止力になると考えている政治家もいるというのが、日本における核と現在の向き合い方です。

    その一方で、原子力の平和利用は進んでいきます。1954年、いきなり2億3500万円の予算がつきます。原子力の研究開発費です。今の金額にすると約70〜80億円です。当時、国会では予算をめぐって与野党が対立し、話がつかなかったのですが、キャスティングボードを握ったのが保守勢力の「改進党」。「賛成するから原子力の予算をつけろ」と言ったのが、中曽根康弘議員でした。のちに総理大臣になる人です。
    ところでなぜ2億3500万円か。中曽根氏が「どうせなら核分裂するウラン235にちなんで2億3500万円に」と言ったら、その通りになったのです。

    第五福竜丸の乗組員が亡くなるとき「もう、こういう核実験によって被害者が出るのは、私が最後にして欲しい」という遺言を残しています。

    遠く離れた場所でも被害が出たことで、日本ではここから一挙に「核実験をやめるべきだ」という世論が広がっていきました。「核兵器を禁止しよう」という市民運動が始まります。1954年、東京杉並の主婦たちが政治的なイデオロギーに関係なく、唯一の被爆国である私達が世界から核実験を無くす呼びかけをすべきだと、街頭で署名運動をしたところ、なんと署名が2000万人にのぼりました。人口が1億人になる前でしたから3割くらいの人が署名をしたことになります。

    当然、アメリカには戦略がありました。マンハッタン計画で大規模な核施設が作られましたが、戦争が終わると、ウラン濃縮装置も、プルトニウムを抽出する工場も用無しになります。技術者をはじめ、そこで作業に従事する労働者10万人単位の仕事も無くなる。この人達の雇用をどうするか。原子力産業を守り立てていくには、原子力の平和利用しかない。アメリカの原子力の技術を世界に供与するとなれば、世界中から注文がくるでしょう。

    また「原子力の平和利用」を大宣伝したマスコミがありました。読売新聞です。社主の正力松太郎は、読売ジャイアンツの生みの親で、日本プロ野球界の父とも呼ばれます。しかし彼の夢は、総理大臣になることでした。読売新聞の部数を増やし、全国に影響力を高め、自分が衆議院議員として国会に出て政治的な力をつける。原子力の平和利用を実績にして総理大臣を目指すという戦略でした。そのためにはまず読売新聞を使って原子力の平和利用が必要だということを国民にアピールしていこうと考えます。
    1954年の元日の紙面から、読売新聞は「ついに太陽をとらえた」という連載を始めます。要は、原子力というには夢のエネルギーだ、宇宙空間にある太陽のエネルギーを地上で持つ事ができるのだという事です、
    太陽は原子力ではなく、水素の核融合によってエネルギーを出すので原理的には違うのですが、いつまでも無尽蔵のエネルギーをもたらすという意味で「太陽」という喩えが使われました。

    日米で、プロジェクトの進め方が、こうも違っていたのです。目的の是非は置き、アメリカは「可能性がある」となると、国家を挙げてあらゆる学者を集め、莫大な資金を注ぎ込んで研究を始める。対して日本は、陸軍と海軍が反目していましたから、それぞれが別々につくろうとしていたのです。戦争に負けるわけです。
    でも、もし日本が先に原爆を開発することになっていたら、さて日本はどのような行動に出ていたでしょうか。それを考えると恐ろしい気がします。

    実は、日本も核を持とうとした時期がありました。

    1938年、ドイツの学者が「ウランに中性子をあてると核分裂が起きる」という論文を発表します。これを読んだ日本の物理学者たちは「核分裂爆弾」をつくることができるのではないかと気づきます。
    そこで1940年4月、陸軍航空技術研究所は、日本で「核分裂爆弾」を作れるかどうか東京帝国大学の学者に検討させます。その結果、理論的に核分裂爆弾はできるだろうということになり、理化学研究所に原爆の研究を開始するように委託します。仁科芳雄教授を中心にプロジェクトが発足し、2年近く仁科教授と周りの数人でひっそりと研究を進めていました。
    一方、海軍は海軍で研究を京都大学に委託し、「核分裂爆弾」づくりを始めていました。資源も人材も限られた日本なのに、陸軍と海軍が全く別々に研究していたのです。

    これが戦後の日本の政治です。結局、政治家は理念と現実、主張と妥協のはざまで揺れ動いているのです。これからも選挙があります。私達は1人ひとりの議員がどんな思いを持って動いているのか、よく見て1票を投じなければなりません。政策を実現したくて議員になっているのか、議員になりたくてなっているのか。見極めが大事です。

    この際、政権を取り戻すためならと、社会党に声をかけました。「社会党の委員長を総理大臣にするから」と持ちかけ、連立政権を組んだのです。ただし、自民党と社会党の接着剤として「新党さきがけ」も加わります。「自社さ政権」となり、社会党・村山富市内閣総理大臣の誕生です。
    もう、びっくり仰天です。55年体制で自民党と社会党は激しく対立し、イデオロギーも全く違うのに、政権を取るために一緒になる。社会党はそれまで「日米安保条約は破棄すべき」「自衛隊は憲法違反だ」という立場でした。
    総理大臣は自衛隊の最高司令官です。総理大臣になった途端、そんな事は言えなくなり、「安保は守ります。自衛隊は憲法違反ではない」と言い出しました。それまで社会党を全国で支えていた党員達はあっけにとられ、裏切られた思いでごっそり社会党を抜けていきました。
    政策が変わったのだからと、党名を社会党から社民党に変更しました。しかし、これ以降、従来の支持者達は党の変節に怒り、党員達はがっかりして飛び出していく。党はどんどん小さくなっていくのです。村山富市氏が総理大臣になったことが、社会党崩壊のきっかけとなってしまった。「一将功成りて万骨枯る」とはこの事です。

    *AI による概要
    「一将功成りて万骨枯る(いっしょう こう なりて ばんこつ かる)」は、一人の優れたリーダーや成功者が華々しい功績を上げる陰には、名もなき多くの人々の多大な犠牲や苦労があることを意味する言葉です。

    由来
    中国・唐の時代の末期、詩人である曹松(そうしょう)が詠んだ漢詩「己亥歳(きがいさい)」の結句に由来します。戦乱の世で権力者が武功を立てる一方で、無数の兵士たちが命を落とし、民衆が塗炭の苦しみを味わっている社会の不条理を批判・風刺したものです。

    本質と教訓
    単なる事実の指摘にとどまらず、以下のような教訓を含んでいます。
    リーダーへの戒め: 成功や栄光は決して自分一人の力ではなく、大勢の支えや犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない。
    社会への視点: 成果ばかりが評価され、そこに至るまでの過程や名もなき人々の貢献がないがしろにされる風潮への警鐘。
    現代でも、ビジネスや組織運営において「トップの成果の陰には、現場の社員の苦労がある」という意味で、周囲への感謝や公平な評価の重要性を説く際などに引用されることが多い言葉です。

    例えばある法案をめぐり、与野党が激突します。与党は成立させたい。野党はそれを阻止したい。委員会での審議時間ももう何十時間を超えた。もう議論は尽くした、と突然、与党が強行採決。野党議員が委員長の前に詰め寄って激しくもみ合いになる。もみ合いをしている内に採決され、本会議で決まるということがパターン化されていきます。どうせ与党が過半数を取っているのだから、野党がどれだけ抵抗しても結局阻止することは不可能です。でも抵抗をして「野党も頑張っています、戦っています」という姿を支持者にアピールしなければならない。自民党も野党の顔を立てて、それなりの長い審議時間をすた上で、最終的に強行採決という形を取る。
    55年体制の自民党と社会党は、末期の頃はこんな風になっていました。

    一方、社会党の議員はしばしばソ連や中国を訪問する。野党外交が存在したのです。自民党の内閣がソ連や中国と連絡が取りたいと思えば、社会党のパイプがある議員に親書を託して、こっそりと連絡を取るということもできました。
    後になってみると、結果的にアメリカともソ連とも中国とも、バランスのいい関係を築くことができました。

    憲法第96条では、衆議院と参議院の3分の2を取れば、憲法改正を発議できました。「憲法を変えませんか」と国民に提案できるのです。だから自民党は3分の2の議席を取りたい。
    一方、社会党は、憲法を守るためには、3分の1以上の議席を維持すればいい。
    最初は、どちらも政権を取ろうとするので過半数の候補者を立てました。そして激しく争うのですが、自民党はどうしても3分の2の壁を突破できない。社会党はどうしても過半数が取れない。
    この状態が長く続くと、自民党は無理しなくても与党でいられる、与党は政治献金もどんどん入ってうまみがある。じゃあ無理に3分の2を取らなくても過半数を確保していればいいだろうということになる。
    一方の社会党も、3分の1さえ取れれば憲法を変えさせることはないと、こちらはこちらで安住していきます。
    過半数を取れればいいや、と満足している与党と、3分の1さえ取れればいいという野党。次第にこういう構図になっていきます。これでは「二大政党制」とは呼べない。これを揶揄して1と2分の1政党という言い方ができました。

    小さな政党でも、連立の組み方によっては自分達の意見を政策に反映させることができるというわけです。

    つまり、連立を組むような小さい政党は、キャスティングボードを握ります。自分の党は人数が少ないにも関わらず、連立を組んで大きな党に恩を売ることによって自分達の主張を通す。今の自民党に対する公明党がまさにそれです。

    消費税率の10%への引き上げ決定のとき、自民党の本音としては軽減税率など導入したくなかったのです。しかし、公明党が推すので仕方なく導入する方針を決めました。

    ただ、どんな党と連立を組むかで、政権の色彩は大きく変わります。

    これはこれで「憲政の常道」です。選挙で相対的多数を取った方が政権を取る。でも半数に満たない場合は、それ以外の党と連立を組んで合計で過半数になっていれば、法律案も予算案も通すことができる。こうした連立政権のスタイルは世界中のどこでも行われています。

    私は、世界を見ていると「民主主義の国とは何か」と考えます。結論としては、選挙結果にみんなが従うことではないでしょうか。途上国では、例え選挙が行われても、現職が負けたりすると「おかしい」と居座り、内戦になるケースも見受けられます。
    例えば、ケニアはアフリカの中では民主主義が進んだ国のはずですが、2007年の大統領選挙では、現職勝利の選挙管理委員会の発表を野党が認めず、武力衝突に発展してしまいました。
    やはりアフリカのコートジボワールでも、大統領選挙の結果を認めない陣営が大統領就任を発表し、2人の大統領が並立するという異常事態になりました。

    安倍首相は、自分の任期中に、どんな形であれ、何としてでも憲法を改正したいのでしょう。

    安倍首相は2017年5月3日の憲法記念日に動きました。日本会議が主導する憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明したのです。首相は改正項目として9条を挙げて「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」との考えを示しました。

    神道政治連盟と日本会議が訴える目標には一致点が多く、車の両輪のように動いているのです。これらの団体によって支援されたら、どうしても、こちらの団体に目が向いてしまうでしょう。彼らの大きな目標は憲法改正です。「憲法の前文と第9条を変えて欲しい」と訴えています。

    日本会議とは何なのか。日本会議は、「日本を守る国民会議」というグループと、「日本を守る会」というグループが合併して1997年に発足しました。メンバー数は約3万8000人。自分たちが望む、さまざまな政策や政治的な運動の実現を後押ししてきました。例えば、昭和で元号を廃止しようという意見が出たとき、元号法制定運動をしたのは日本会議の前身の日本を守る会ですし、最近では、教育基本法の改正や国旗・国歌法の成立、首相や閣僚による靖国神社参拝を後押ししています。

    2017年3月5日、自民党は定期党大会を開き、党総裁の任期を「連続2期6年まで」から「連続3期9年まで」に延長できるように党則を改正しました。

    本来、儲けた人が正当に税金を払わないのは、許されるべきではありません。真面目に納税している一般の個人や企業にしわ寄せがくるからです。

    税逃れをしようというグローバルな動きがあり、それに追いつけないけれど必死になって取り締まろうという国家がある。またそれを必死になって報道しようという報道機関があります。

    日本の所得税率は最高で45%、地方の住民税を入れると最大55%です。一方、シンガポールは22%。日本の半分以下です。
    日本の金持ちは、日本で税金を納めるより、シンガポールへ移り住めば払う税金が安くなると日本を脱出しています。かつて一世を風靡した後、逮捕されてしまった村上ファンドの村上世彰氏もシンガポール在中です。自分が住んでいるマンションに続々と日本人が引っ越してきていると言っていました。稼げる人達は、そうしてどんどん税金の安い国へ移り住んでしまうのです。

    ムヒカ氏は、資本主義を否定しているわけではありません。しかし、資本主義は暴走し、貧富の格差を大きくしてしまったので、「政治は富の再分配をしなくてはいけない」という考え方です。

    私が「経済」というものを意識したのは小学生のときでした。
    終戦からまだ10年あまりの頃、東京都内の公立小学校のクラスには金持ちの子もいれば、本当に貧しい家の子もいました。中には学校に来るのがやっとで、ろくに食べるものも無いため、空腹のあまり授業中に吐いてしまう子さえいました。
    なぜ、こんなに格差があるのだろう。子供心にやりきれない思いを持ちました。
    その後、日本は高度経済成長の道をひた走りました。そんな時代に私は、「平等で豊かな国になるにはどうしたらよいのか」と考え、経済学部を志望しました。
    今思い返せば、小学生時代に感じた「格差」への不条理意識が、経済学に興味を持つきっかけだったと思います。

    ムヒカ氏は、経済は「不足している財を分配するための技術、知恵だ」と言いました。

    被爆者の方に取材すると「私達が核兵器を無くそうと言うのは、微力かもしれないけれど、無力ではない」とおっしゃいました。確かに微力かもしれません。でも無力ではない。
    言い続ける事が、やがて世界を動かすことになると、改めて思います。

    広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれています。この慰霊碑ができた時、「主語がない」とずいぶん、言われました。過ちを犯したのは誰なのか。もしかして、日本人なのか、原爆を落としたアメリカではないか、と。
    これは、愚かな戦争をしてしまった人類全体の反省の言葉だと定義づけられています。全ての人が、「こういうことは二度と繰り返しません」と、改めて慰霊碑に誓わなければなりません。

    以前のアメリカでは「日本に原爆を落としたことを謝罪すべきではない」という人が圧倒的に多かったのですが、最近は減ってきています。あるいは「長崎と広島に原爆を落としたのは良いことだったのか、悪いことだったのか」という世論調査をすると、最近のアメリカの若者の間では「落とすべきではなかった」という人が徐々に増えているというデータもあります。(イギリスの世論調査会社YouGov2015年7月発表)

    現在、核弾頭を持っている国は、ロシア(約7290発)、アメリカ(約7000発)、イギリス(215発)フランス(300発)中国(260発)イスラエル(80発)インド(100〜120発)パキスタン(110〜130発)北朝鮮(10発)の9カ国です。
    「世界から核を減らしていこう」という中で、中国や北朝鮮のように核を増やしている国もあります。
    厳しい現実がありますが、理想を捨ててはいけないのです。唯一の被爆国の日本が、世界から核兵器を無くそうと言い続けなければ、どこが言うのでしょう。今こそ一層、呼びかけをする必要があるでしょう。

    トランプ政権の幹部は、明らかな嘘であるものを「オルタナティブ・ファクト(もう1つの真実)」と言い張ります。なんと都合の良い言葉か。
    自分に都合の悪い情報には蓋をして、オルタナティブ・ファクトを主張する。「オルタナティブ・ファクト」は早くも2017年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」(オックスフォード英語辞典が毎年選定)候補になりそうです。

    「Make America Great Again」に代表されるように、自国第一、内向きの発言をする政治家が人気を集めています。自分の国が最優先、自分の国さえ良ければ良い。しかし、世界には、それでは全く解決できない問題もあります。
    世界の平均気温は観測史上、最も高くなりました。各地で干ばつが相次ぎ、巨大ハリケーンが猛威をふるっています。2016年8月には北海道にも台風が上陸し、大きな被害を与えました。「北海道には大型台風は来ない」という常識は、覆されたのです。

    日本人も、アメリカに原爆を落とされましたが、反米感情はありませんよね。

    オーストラリアも、昔は反日国家でした。北西部の都市ダーウィンを日本軍が空爆し、大きな被害が出たからです。ダーウィンでは今も毎年、日本軍の空爆によって亡くなった人の慰霊祭が開かれています。でも、オーストラリアの人は「それは昔のこと」と、ことさらに謝罪を求めたりしません。

    第2次世界大戦後、オランダにも反日意識が高かった時期があります。日本がインドネシアに侵攻した時、インドネシアはオランダの植民地でした。このときオランダ軍兵士を捕虜にし、オランダ人女性を慰安婦にしました。元兵士たちは、日本に対して激しい恨みの感情を持っていましたが、もはやオランダに反日感情は殆ど残っていません。

    大陸には「華夷思想」があります。華夷思想とは、中華が宇宙の中心で、最も文化の優れた地であり、そこから離れるにつれて、野蛮な地域が広がっているという世界認識です。朝鮮半島は中国と接していますが、日本は更にその先という見方です。朝鮮半島の人から見れば、自分たちよりずっと低い蛮族である日本人に占領・植民地支配をされた事が、あり得ない屈辱なのです。

    韓国の中学の歴史教科書の中に、「民族独立運動」というものがあります。中を見ると、「日帝(日本帝国主義)の蛮行は世界史に前例のないものだった」と書いてあります。

    朝鮮戦争のとき、韓国人は中国軍に大勢殺されています。韓国は中国に対しても「中国はひどいことをした」と書けばいいのに、教科書には小さく「中共軍は数多くの軍隊を動員して人海戦術で押し寄せた」程度の扱いです。さらに中国と韓国が国交を結んだときに、中国に対しては謝罪を要求していません。

    韓国では「国民感情」が全てに優先します。世論が納得しないのでもう一度と、改めて従軍慰安婦問題が蒸し返された。
    法律よりも世論。法治国家なのに、おかしな話です。世界的な常識で言えば、国際的な約束を守るのが当然のルールです。

    お隣の韓国も、朴槿恵大統領の弾劾で政治が機能不全に陥りました。
    韓国の特別検察官は、韓国のサムスングループが、グループ企業の合併で大統領府に協力を求め、その見返りに朴槿恵大統領と、朴大統領の親友で大統領府の人事にも介入していたとされる女性・崔順実(チェ・スンシル)が、日本円にして29億円余りの賄賂を受け取っていたと断定しました。
    また、サムスン電子の経営権継承や政権に批判的な人物リストを作成し、国からの支援を打ち切った、これに朴大統領が関わっていたとして、政治と経済の癒着があったと発表しました。
    しかし、全容解明は難航しました。というのも、朴槿恵大統領は、一度も事情聴取に応じていなかったからです。韓国の大統領は憲法上、在任中は刑事訴追されないことを根拠に、聴取を拒否しました。
    大統領の弾劾訴追は、憲法裁判所にいる9人の判事で行われます。9人中6人以上が「弾劾が妥当」と賛成すれば、朴槿恵大統領は直ちに罷免され、特別検察官の捜査は通常の検察に引き継がれます。大統領の身分を失って、事情聴取を拒否する根拠がなくなったら、朴氏に対し、起訴を視野に入れた捜査が一気に進むことになります。
    2017年3月10日、韓国憲法裁判所は、朴槿恵大統領の罷免を認める決定を下しました。韓国の憲政史上初めて弾劾により大統領が失職したことになります。そして大統領の職を失った朴槿恵は検察に逮捕されました。

    そのハンソル氏(金正男の息子)は、マカオから姿を消しました。一説にはオランダが支援したとされていますが、北朝鮮の手の届かない場所(恐らくはヨーロッパのどこか)でかくまわれていると推測されています。

    思うに、金日成にしても、金正日にしても、金正恩にしても、強いコンプレックスを持っているのだと思います。
    金日成は朝鮮半島から逃げ、ソ連に行って、ソ連のおかげで北朝鮮のトップになれたわけです。仲間には、朝鮮半島に留まって日本軍と戦い続けて朝鮮労働党の幹部になった人間もいる。自分の実力でトップにのぼりつめたわけじゃない。金正日も、周りには自分より優秀な人間がいるのに、金日成の息子だから国のトップになれた。金正恩もそうです。コンプレックスの塊だから、ライバルになりそうな人間を次々に粛清していく。
    優秀な人材を殺せば、独裁者の周りは指示待ちのイエスマンばかり。これでは国が発展するわけがありません。

    (これは確かに池上彰氏の指摘の通りだ。ただ、だからと言って独裁体制が崩壊するのかと言うと違って、むしろ意思決定のスピードが早く、分野によっては民主主義国家よりも発展したりするから分からない。むしろかつて経済大国と呼ばれた極東の島国の方が国が発展しているとは言えない状況を見ると複雑な思いが出てくる・・・)

    今回、金正男が殺されたのはマレーシアでした。北朝鮮とマレーシアは友好国でした。日本では北朝鮮は孤立しているイメージがありますが、現在、北朝鮮と国交を持つ国は160カ国以上にのぼります。

    なぜ北朝鮮が「世襲」になったのかというと、1つには、周辺の国の失敗を見たこともあると思われます。ソ連ではスターリン亡き後、フルシチョフがスターリン批判をする。中国では、林彪が毛沢東の後継者に指名されていました。しかい林彪はいつまで経っても国家主席になれないので、毛沢東暗殺クーデターを企て失敗します。妻子と共にソ連へ航空機で亡命しようとしたところ、モンゴルで墜落死するのです。ルーマニアでもチャウシェスク政権が倒れたのを見ると、金日成は他人を後継者にするとろくなことがないと考えます。
    こうして北朝鮮では世襲が続いてきました。一方、殺された金正男は、世襲を批判していました。

    2017年2月、ショッキングなニュースが入ってきました。マレーシアの首都クアラルンプールの空港で、北朝鮮の故・金正日総書記の長男で、現在の最高指導者である金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄の金正男が殺害されたというのです。
    世界は、金正恩氏の指示だと見ています。

    中国がこれまで北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を支援してきたのは、北朝鮮と韓国が統一されてしまうと、中国国境に在韓米軍が来るのを恐れていたからです。中国にとって北朝鮮は「緩衝地帯」なのです。

    さらに東西冷戦時代、アメリカとソ連が敵対していました。アメリカと国交正常化すればいいのだと考えた中国は、当時のリチャード・ニクソン大統領を招き、国交正常化に走ります。さらに日本とも国交正常化。毛沢東や周恩来は、日本が好きで当時の田中角栄首相を呼んだのではありません。ソ連包囲網をつくろうとして、アメリカや日本と結んだのです。
    日本はソ連との間に北方領土問題を抱えていました。そこで中国は「北方領土は日本のもの」と認めています。
    国際関係は複雑怪奇です。

    1964年、ちょうど東京オリンピックが開催されている最中に、中国は初の核実験を行いました。大量の放射性物質が偏西風に乗って日本にやってきました。オリンピックの最中に空から降っていたのです。
    中国が核実験を行うようになり、ミサイルが中国から飛んでくるのではないかと心配したソ連は、アメリカに驚くべき提案を秘密裏に行います。
    「今なら中国の核兵器を潰せる。一緒に攻撃して核兵器を潰してしまおう」
    これほどまでにソ連は中国を敵視していたのです。アメリカはこの提案を断りましたが、その情報をニューヨーク・タイムズにリークします。「ソ連がアメリカに対し、中国攻撃を提案した」というニュースは特ダネとして報じられました。
    アメリカとしては、中国とソ連の関係を悪化させようとしたのです。同じ社会主義陣営である中ソが対立することは、アメリカにとって都合がいい。

    バラク・オバマ前大統領は「中国のような国に、世界経済のルールを作らせてはならない。我々こそがルールを書くのだ」とTPPに意欲的でしたが、トランプ大統領は離脱してしまいました。
    このためアメリカを除いた11カ国でTPPを発足させようということになってきました。TPP11(イレブン)です。

    中国は今、せっせと南シナ海に人工島をつくり、軍事基地にしています。中国は他の場所にも海軍用の港を造っています。中国が世界の警察役となり、シーレーンが封鎖されれば、日本にとって脅威です。

    アメリカはもう「世界の警察をやめる」と言っています。一方で軍事費を増額しているので矛盾だと思うかもしれませんが、要するに「他の国のことは知らない」というわけです。アメリカだけを守るために、もっと軍備を強化するのです。
    アメリカが世界の警察を降りるなら、「我が国が引き継ぎましょうか?」という国があります。中国です。中国が世界の警察になると、日本は困ったことになります。日本は石油の8割を中東から輸入しているからです。

    現在の台湾には「中国はひとつ」と主張する国民党と、「台湾は中国とは違う、独立国だ」と考えている民進党(民主進歩党)という政党が存在します。

    こうしてみると、ソ連とアメリカが自称「イスラム国」(IS)を作り出したということがわかります。とりわけ、アメリカの責任がいかに大きいか。
    もとはソ連が勝手に自分の言う事を聞く政権をアフガニスタンにつくろうと攻め込んだ。これをチャンスと考えたアメリカが反政府勢力を支援した。その中からビンラディンという鬼っ子が生まれ、湾岸戦争をきっかけにアルカイダを使ってアメリカにテロを仕掛ける。怒ったアメリカがアフガニスタンを攻撃し、さらにイラクにも攻め入った。
    そのイラク戦争の結果、さらに過激な自称「イスラム国」(IS)が生まれ、これが今、世界中でテロをしているのです。ソ連とアメリカの罪は、大きいと言わざるを得ません。

    イスラムの教えさえ守れば血筋は関係ないと考えた人達がスンニ派です

    アリーとその子孫こそが指導者と考えたのがシーア派です

    フセイン政権を倒した後、アメリカは決定的な失敗を犯します。それが「バース党の公職追放」です。フセイン政権は、バース党(アラブ社会主義復興党)の一党独裁でした。バース党員でないと、公職につけなかったのです。
    役所の職員、学校の先生、医者、看護師、軍隊の幹部も全てバース党員でした。公職追放の命令を出した結果、誰も出てこなくなりました。全員「クビ」を言い渡され、一夜にしてイラクの統治機構が崩壊してしまったのです。

    アメリカがイラクを攻撃したことで、フセイン政権が倒れました。フセインを倒した後、どんな国家をつくるのか、どのような統治機構にするか、何の青写真もないまま攻撃しました。独裁政権さえ倒せば、自然と民主主義国家ができる。「第2次世界大戦後、太平洋戦争後のドイツと日本を見ろ、ちゃんと民主主義国家になったじゃないか」というわけです。
    そもそも、日本とイラクを同一視するのが間違っています。日本は日中戦争からアメリカとの戦いに突き進んでいくのですが、大正デモクラシー以降、国民が選挙で自分達の代表を選ぶという民主主義体制が、それなりに根付いていました。(1925年に定められた普通選挙法では、25歳以上の男性に選挙権が与えられました。女性の選挙権は戦後を待たなくてはいけませんでしたが)。民主主義の基盤があったから、戦争に負けた後、きちんと国づくりができたのです。
    ドイツも、ナチス・ドイツにより第2次世界大戦に突入しますが、それ以前は、当時世界でも最も民主的と言われたワイマール憲法による民主主義国家が成立していました。


    ソ連は、自分の言う事を聞く国と国境を接していないと不安でしょうがないのです。

    ゲルマン人は、もともとそこに住んでいたケルト人を、ウェールズと北のスコットランドに追いやり、真ん中を占領し定住したと言われます。このゲルマン人を総称して、「アングロ・サクソン人」と呼びます。

    2014年、スコットランドはイギリスからの独立を問う住民投票を実施しました。このときは、反対55%、賛成45%でイギリスに残留することが決まりましたが、イギリスがEU離脱を決めた今、再び住民投票を実施し、イギリスから独立して単独でEUに加盟する可能性もありうる状態になったのです。

    ちなみに、大統領令を無効にするためには、それが憲法違反と考えられる場合、議会が無効にする法律をつくるか、あるいは次の大統領が破棄する方法があります。

    大統領令は国民に対しての命令ではないということ。大統領令は役人(国家公務員)が守るもの。行政機関が守るべきものです。

    「レイシストだ」「排外主義だ」と言われながら、トランプの支持率が下がらないのは、それがアメリカの白人の本音だからです。

    アメリカでは、トップ500社の会長の年収を全て合わせたものより、ヘッジファンドを運営するトップ25人の年収が大きいと言われています。キャピタルゲインで金儲けをした人の税率が低いので、金持ちは一層金持ちになっていきます。トップ1%に富が集中するのは当然です。そして彼らは、政治家に莫大な献金をします。政治家はトップ1%のための政治をする。「腐敗」とはそういうことです。こうしたウォール街と政治家との関係に、アメリカ国民はすっかり政治不信になっていたのです。
    アメリカの庶民はどんなに頑張っても、その富を経営者、株主、金融業者に取られるシステムになってしまった。

    アメリカの白人がどれくらい苦しんでいるか、興味深い統計があります。2015年11月、米疾病予防管理センター(CDC)のデータに基づく分析によれば、45歳から55歳の高卒レベルの白人男女の死亡率が1999年と2013年を比較すると22%も上がっているというのです。先進国としてはありえない数字です。
    死因を見ると、死因のトップ3がドラッグ、肺がん、自殺。プリンストン大学のアン・ケース教授はこれを「絶望による死」と表現しています。さらに、予備選挙の投票結果を分析すると、白人労働者の死亡率が高い地域と、トランプ氏の得票率が高い地域が一致したといいます。
    トランプ氏は彼らを「忘れられた人々」と呼んでいました。


    こうして見ると、反グローバルの動きでも、右側からの反発がトランプ現象、左側からの反発がサンダース現象といえます。今の世界を覆っているグローバリズムに対するコインの裏表。それがトランプ現象とサンダース現象なのです。

    アメリカには、国立大学は存在しません。あるのは州立大学という公立の大学とあとは私立大学です。ハーバード大学も、スタンフォード大学も私立大学。州立大学の場合、州の出身者は比較的学費が安いのですが、州以外からだと高くなります。私立大学の学費は平均で年間300万円。ハーバードクラスだと年間約500万円。ヒラリー・クリントンが卒業したウェルズリーという女子大学は全寮制で寮費込みの学費が年間約700万円です。

    アメリカの場合は、どこかの学生とは違って、学費を親が出すのではなく、自分で負担します。18歳は立派な大人なのです。つまり奨学金をもらうなり、学費ローンを自分で組みます。よって自分の懐が傷まないどこかの学生のように授業に出なかったり、授業に出ても居眠りをしたりということはありません。一生懸命に勉強をします。
    しかし大学を出る時点で、2000万円もの借金を抱えることになります。給料の高いところに就職できればいいのですが、非正規労働者になればとても払えません。その結果、アメリカでは学費ローン破綻が社会問題になっています。その不満をすくい取ったのがサンダースというわけです。
    サンダース氏は、グローバル化によって格差が広がってしまったので、民主社会主義的なやり方で格差を縮めようとしたのです。

    このリバタリアン党の理論的指導者は、ミルトン・フリードマンというシカゴ大学の経済学者です。もう亡くなりましたが、彼は「医師免許も要らない」と言っていました。「国が免許を与えているから、免許を持っている人でないと治療ができない。腕のいい医者の所には小さなことでも患者が押し寄せるので、腕のいい医者が、些細な治療にかからざるを得ない。マーケットに任せろ。下手な医者は患者が来ないので自然と淘汰される」こうした過激な考え方を持つ人が、アメリカには一定程度いるということです。

    かつて存在したソ連(ソビエト連邦)は社会主義国でした。社会主義も色々です。ソ連のように「将来、共産主義を実現しよう」という、そのための途中経過であると自己定義する社会主義もあれば、北欧のような社会民主主義もあります。
    民主社会主義は、社会主義革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現させようとする。つまり選挙で平和裏に政権交代を果たす。社会福祉を充実させるために選挙を通して大きな政府を実現するという思想運動です。一般には社会民主主義と呼ばれますが、アメリカで「社会民主主義」を主張すると「共産主義」とイコールにとられかねないので、バーニー・サンダース氏は「共産主義者」呼ばわりされないように、民主社会主義者と名乗っているのでしょう。

    彼はアメリカのように、何でもありの資本主義には否定的です。しかし民主主義は守らなければならない。様々な規制、ルールをつくって、労働者の権利を守ろう。要するにバーニー・サンダース氏は、アメリカをスウェーデンやデンマークのような福祉が充実した国にしたかったのです。資本主義社会の改良を求めますが、いわゆる革命、階級闘争は求めないということです。

    東西冷戦時代は、資本主義国家には社会主義国家というライバルが存在していました。冷戦時代は、西側の資本主義国の中でも社会主義を求める「社会主義運動」が盛んに行われていました。
    もし、資本主義の国の中で、社員と経営者の年収に大きな差があると、労働者達が怒って社会主義革命を起こすかもしれない。そんな事にならないようにするためには、労働者の不満をなだめる必要があります。社会保障を充実させたり、経営者と労働者の賃金格差があまり広がらないように労働条件を良くしたり、格差を少しでも縮めようという動きがありました。格差拡大に歯止めがかかっていたのです。
    ところが、ソ連が崩壊=資本主義が勝った。もう何をやっても社会主義国家になることはない。心配が無くなると、経営者達はどんどん金儲けに走ります。労働者をどうこき使おうと構わない。経営者は優秀なのだから、高い報酬をもらうのは当たり前と歯止めが利かなくなり、それが激しい格差を招いてしまいました。

    アメリカの場合、日本と違って、働きながらでも収入によっては生活保護が受けられます。しかし、日本のように現金支給ではありません。酒を飲んだり、ギャンブルにお金を使ったりするのを防ぐため、「フードスタンプ」が支給されます。フードスタンプのカードを持っていけば、食料品と換えてくれるのです。「現物支給」という発想なのですね。

    こんな選挙制度は廃止し、全米で一斉に国民が投票して、得票数が多い方を大統領にした方が良いのではないか、という議論はあります。
    しかし、選ばれた人間が、自ら選挙制度を変えることは難しい。その結果、アメリカでは大統領の選挙人というシステムが今も続いているのです。

    2016年2月、アメリカ大統領選挙取材中のアイオワ州での出来事です。
    共和党のドナルド・トランプ候補の政治集会を取材しようとすると、外国のメディアはお断りだと断られてしまいます。外国のメディアに取材させても、1票にもなりませんから。日本のあるメディアは、集会が開かれる会場の前で「トランプの政治集会は閉鎖的で中へ入れません」とレポートをしていましたが、私は付近で売っていたトランプグッズを見つけて購入。赤いトランプ防止をかぶり、バッジを胸につけて行ったら、なぜか入れてもらえました。
    会場へ入ると、集まっているのは見事に白人男性ばかり。居心地の悪いことと言ったらありません。「何だ?こいつは」とにらまれます。周りにアジア人など1人もいないのですから、目立ってしまいます。

    民主党のヒラリー・クリントン候補の政治集会に行くと、トランプの会場とは違い、全く疎外感がありません。アジア系、ヒスパニック、イスラム教徒、女装をした毛むくじゃらの男性まで、多種多様な人達がいます。ただし、ここには若者がいない・・・。

    民主党代表を決める際、クリントン氏を最後まで苦しめたバーニー・サンダース氏の政治集会に行くと、ここはここで居心地が悪いのです。というのも、20歳前後の若者ばかりで、まるでロックコンサートのノリだからです。70代のサンダースが現れると、「バーニー、バーニー」とこぶしを突き上げて、ピョンピョン跳ねる。還暦を過ぎたおじさんにはついていけませんでした。
    つまりここに、アメリカの縮図があるのだと思います。

    簡単に言い換えれば「事実でなくても、人の心をゆさぶるものをつい信じてしまう」ということでしょう。メディアが事実を伝えても、人々の心には響かない。それよりは、自分が信じたいものを信じてしまう。

    ビジネスの世界ではこれでも許されるかもしれませんが(いや、やはり許されないでしょうね)、大統領となるとどうでしょうか。本来なら、大統領は自らの政策について、国民の代表である記者の質問に答える責任があります。ところがトランプ氏は、記者会見をめったに開こうとしません。自分を批判したメディアを「敵」と位置づけていることもあるのでしょうが、都合の悪いことは聞かれたくない。自分の言いたいことだけを言いたい。そのためTwitterで、一方的に主張しています。

    (この辺は今の高市早苗総理大臣とほぼ同じだ。高市がダメな政治家である事がこの辺からも明確である。小泉純一郎や橋下徹は常に記者の質問に答えていた)

    アメリカのマスコミが「8年前のオバマ大統領の就任式の時は、議会前広場に180万人が集まったのに今回は25万人しか集まっていない」と報道したことに対しても、「嘘だ」と反論しました。
    こうした言説から、彼はエゴの塊のような人物だとわかります。俺様が一番。こういう人は、自分を褒めてくれる人が大好きです。褒めまくって持ち上げる。そうすればいい気持ちになって好意を示すでしょう。そういう意味では、当選後、すぐにニューヨークまで会いに行った安倍晋三首相の判断は、正しかったのかもしれません。
    逆にこういう人物は、ちょっとでも批判されるとカッとなって反撃してくる。しかも徹底的に根に持つタイプです。
    彼を一言で表現するなら「イデオロギーなきビジネスマン」でしょう。これまでのアメリカは、自由や人権、正義といった価値を掲げてきました。しかし、今回の就任演説で、そうした言葉は聞かれませんでした。トランプ大統領は、ビジネスになるなら、例えその相手が独裁国家であっても、人権侵害を起こす国であっても構わない。そんな実だけを求めるビジネスマンといえるのです。

    彼にホラともとれる発言が多いのは、そもそも嘘をついている自覚が無かったり、それに対するやましさが全く無かったりするからです。「人々は、大きな話を求めているのだ」と、自伝には書かれています。(『トランプ自伝』筑摩書房より)。
    それが見事に発揮されたことがあります。
    彼は、「トランプタワーは68階建て」と言っているのですが、アメリカの建築家協会が調べたら58階しかありませんでした。どこを探しても10階足りないのです。

    トランプ氏の当選をどれだけの人が予想していたでしょうか。私も偉そうな事は言えません。共和党の大統領候補は当初、17人もいました。
    2015年の夏に出演したテレビ番組で「この中には、ドナルド・トランプという暴言を吐き、差別的な事を言う人物がいて、アメリカで大きな話題になっています」と紹介しました。キャスターから「で、そのドナルド・トランプさんはどこまで戦えるのですか?」と聞かれたのに対し、「まあ、(2015)年内には消えるでしょう」と答えていたのです。
    少なくとも、2015年の夏の段階ではそう思っていました。ところが、2016年からアメリカで大統領選挙の取材を続ける内に、「どちらが勝つか分からない」と思うようになりました。トランプ氏以上にヒラリー・クリントン氏が嫌われていることを肌で感じたからです。

    概して多くのアメリカ人はベテラン政治家を嫌います。ワシントンでの政治経験が長くなると、腐敗してしまう。全くのニューフェイスなら世の中を変えてくれるのではないか。そんな発想なのです。アメリカ人はフレッシュな人に期待を持つ国民性が、昔からあります。

    原爆を落とした国の大統領が、落とされた国の被爆者と抱き合っている。これが今日の日米関係なのだと思いました。終戦から71年が経ち、やっとこういう光景を見ることができたのです。生きていると、こんな体験もできるのだ。感無量でした。

    40年前、私はNHKの広島放送局呉通信部に記者として勤務し、多くの被爆者を取材しました。しかし、その人達は、もう殆どこの世にいません。スピーチを聞いているうちに、その人達の事が思い起こされました。「アメリカの大統領が、いつか広島に来てくれたらいいねえ」と夢物語のように語り合ったあの日。彼らにこの光景を見せたかったのです。

    私はジャーナリストとして長年、取材の現場にいますが、この1年ほど良くも悪くも「絶対にあり得ない」という言葉が通用しないと思った年はありませんでした。
    2016年5月27日、アメリカのバラク・オバマ大統領が被爆地・広島を訪れました。この日、私もまた広島にいて、100mほどの至近距離から取材していました。オバマ大統領の17分にも及ぶスピーチを聞いているうちに、「こんなことが本当に実

    • あああら 1646886番目の読書家さん
      私はジャーナリストとして長年、取材の現場にいますが、この1年ほど良くも悪くも「絶対にあり得ない」という言葉が通用しないと思った年はありません...
      私はジャーナリストとして長年、取材の現場にいますが、この1年ほど良くも悪くも「絶対にあり得ない」という言葉が通用しないと思った年はありませんでした。
      2016年5月27日、アメリカのバラク・オバマ大統領が被爆地・広島を訪れました。この日、私もまた広島にいて、100mほどの至近距離から取材していました。オバマ大統領の17分にも及ぶスピーチを聞いているうちに、「こんなことが本当に実現したのだ・・・」。そう思うと、込み上げる涙を抑えることができませんでした。

      2026/06/22(月)記述

      2026/06/22
  • 池上さんシリーズの第8巻(2017年頃)をこのタイミングで読了。
    ちょうどトランプさんがアメリカ大統領だった時代で、改めてトランプの人間性と政治力は残念すぎたけど、過去の米国大統領も戦争を始めたりしてる訳で、トランプ以外はまともだったとはとても言い難いなって思った。

    (本の感想からちょっと外れますが)久し振りに本シリーズを読んで、民主主義にちゃんと参加するのなら新聞購読は必須で、毎日ニュースをチェックしつつ、諸々ニュースを知りつつ、それについて自分はどう考え判断するかといったステップを積み重ねることこそが大事だなあと思いました!

  • シリーズ8作目
    トランプ政権誕生、マイケル・サンデル氏の本を読んだ時も思ったのですが、なぜトランプ政権が生まれたのかというところを開設する際に、間違っている方を選んでしまったという表し方自体が背景感情を理解しきれてないのではないかと感じました。
    とはいえ自国優先主義の走りで、各国での呼応したように見える流れがあった年。
    中国はさらに影響力を増し、韓国は朴槿恵弾劾、逮捕。ヨーロッパは今のメインで活躍するメンバーが出始めている頃。中東もイスラエルをめぐるアメリカの動きでキナ臭くなってきていた。

  • 出たら毎回読んでいる池上さんの本です。

    3か月前に買ってまだ苦戦している小説より、後に買って先に読み終わりました。

    各項目が短く区切ってあり、すごく読みやすいです。


    内容的には幅広いジャンルのさわりが解説されてるって感じで

    それぞれ深くは追及してませんが、入門書なのでこれくらいで丁度いい感じ。


    今回は苦手な宗教関係が少なく、やはりトランプ大統領の事が多かったですね。

    自国ファーストのトランプ氏はサミットの時、

    ドイツ語やフランス語ができるわけでもないのに、ほとんど同時通訳のイヤホンをつけなかったそうです。

    他人の事はどうでもよい、俺様ファースト。


    また、池上氏は

    第二次世界大戦後、自国第一主義の経済が、世界恐慌を作りだした反省から

    自由貿易の理想を追求してきたのに、トランプのように歴史に学ばない政治家が出現したことで

    第二次世界大戦の貴重な教訓は消えようとしている。

    私たちは歴史を忘れてはいけないと警告されてます。


    池上さんの本は中立の立場から色々書かれているので読みやすいです。

    そうじゃなく左だ右だっていってる人はおそらく本を読んでない。

    残念だけどネットのニュースや情報はほとんど見るだけ時間の無駄だからね。


    無知の知ならぬ無知の恥です!


    ちょっと無知な自分を振り返ってみますか…

  • 2017

  • オーディブルで読了。安定のわかりやすさ。これが1年前。

  • アマゾンのオーディブルで聞いた。

    時事問題を扱っていて、昨年の春頃までのことが取り上げられている。
    その頃の世界の時事問題(ISやシリア、中東情勢、トランプ、北朝鮮、ヨーロッパでの独立問題、極右政党台頭など)を、自国ファーストという縦串で通して解説している。
    その時事問題に絡めた歴史的背景も解説していて、過去の氏の著作と重なる部分もある。
    大局的に総花的に扱っている中で、その問題の裏側に潜む力学など、所々で「なるほど実はそうなってるんだ」とニヤリとすることもある。この点は知識を持っているかどうかによって評価が分かれるところ。
    「お金の流れでわかる世界の歴史」という本をオーディブルで聞いたが、そちらと比べるとワクワクするような面白さは無かったが、概観を自分の知識になぞって補足されていく面白さはあった。

  • 1年に1冊このシリーズを読んで情報整理するようにしている。今回はロシア関連が勉強になった。

  • トランプさん、イスラエル、イラン、安倍首相、いろんな背景がわかる。

  • 目新しい情報はない。格差の問題は、もう少し突っ込んで読みたいところだが、それは別の本で、ということだろう。

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著者プロフィール

池上 彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京科学大学特命教授を務め、現在5つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』(ちくまプリマー新書)、『お金で世界が見えてくる』、『日本の大課題 子どもの貧困』編者、『世界を動かした名演説』パトリック・ハーラン氏との共著(以上ちくま新書)、『なぜ僕らは働くのか――君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(監修、学研プラス)、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ』(ダイヤモンド社)、『20歳の自分に教えたい経済のきほん』(共著、SB新書)ほか、多数。

「2025年 『池上彰の経済学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上彰の作品

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