ハードエイト [DVD]

監督 : ポール・トーマス・アンダーソン 
出演 : フィリップ・ベイカー・ホール  ジョン・C・ライリー  グウィネス・パルトロウ  サミュエル・L・ジャクソン 
  • パラマウント (2017年9月21日発売)
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102574260

感想・レビュー・書評

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  • 夏休みなので久しぶりに映画鑑賞。ポール・トーマス・アンダーソン監督のデビュー作『ハードエイト』。

    これまでこの監督の作品に乗れたことがなくて、技巧派の監督らしいという印象しかなくてあまり興味も向かなかったのだけど、この作品、キャスティングが凄すぎるやん。

    ようデビュー作で揃えはったで。

    主人公のおじいちゃんはこの作品以降ポール監督の常連になり、『ゾディアック』や『ドッグヴィル』なんかの癖強い映画のキャリが豊富なフィリップ・ベイカー・ホール。いやいや、めちゃんこ格好いい。惚れたっす。出来すぎなダンディーおじさん、こんな人いる?っつうのがこの映画の一つのキーになってるんだけど、それにしても博打で勝負しているときのあの熱さの無さというか諦観というか、知性だけじゃなくて、なんなのその瞳の色!っていうのがセリフでもなんでもない伏線になるって、どんだけ実力のある俳優だよ!

    フィリップ・ベイカー・ホールに博打の弟子入りするのがジョン・C・ライリーなんだけど、この役もこの人じゃないと出来ないよなぁ。アメリカ人的な朴訥さと素直さ。フィリップ・ベイカー・ホールとのすごくいい関係がまた後々胸に刺さるのよね。

    そしてヒロインにはビッチなグウィネス・パルトロー。『セブン』の翌年、『恋におちたシェイクスピア』を二年後に控えた、まさに伸び盛りだったときの彼女。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のマーゴ・テネンバウムに至るまでの不安定でだらしない女性の時期とも捉えられなくもない、ものすごくいい演技をしています。好きだなこのときのグウィネス・パルトロー。

    ほんで、この映画の脚本をかき乱すチンピラにサミュエル・L・ジャクソン。今や老練な役者のイメージですが、この当時、イキりまくってますね。『パルプ・フィクション』の二年後、この作品と同年公開に『ロング・キス・グッドナイト』があります。そりゃあ活きがいいに決まってる。イケイケのときのジョー・ペシの躁的な演技と双璧をなす危なっかしさ。

    さらに忘れていはいけない凄いキャスティングがあります。後半にフィリップ・ベイカー・ホールが立った賭場にフィリップ・シーモア・ホフマンがいるんです。これがまた勘違いした生意気なハイテンション兄ちゃんで非常に神経を逆なでする演技をする。上手い!この年からこの人は上手い!長くはないシーンですが、構図上で正対する老成したフィリップ・ベイカー・ホールとの対比が素晴らしく、この映画で一番好きなシーンですね。少しね、挑発に乗るんですよ、フィリップ・ベイカー・ホールが。ここの賭け方がものすごく大事なメッセージになるんですよね。

    ソダーバーグの『イギリスから来た男』はさっぱり分からなかった僕。でも、本作は楽しめました。佳作の小品と言われるような映画かもしれませんが、どっしりとしたフィリップ・ベイカー・ホールの周りに勢いのある俳優が配されて、作品のトーンはすごく抑制されていますが、そこにおっさんの情念がちらっちらっと出てくるんです。なかなか味わい深い映画でした。

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