虐殺器官 [DVD]

監督 : 村瀬修功 
出演 : 中村悠一  三上哲  梶裕貴  石川界人  大塚明夫  小林沙苗  櫻井孝宏 
  • アニプレックス
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4534530105127

感想・レビュー・書評

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  • 原作既読で視聴。
    アニメ映画としての完成度は高い。時代設定は現代だが科学は進んでいるハードな世界観、文字ではいまいち想像しきれなかった兵士を投下するポットが映像化されて「ほーなるほどこういうデザインなのか」と納得。どうしても活字で説明するには限界があるので、それらのガジェットがビジュアルとして提示されるだけで嬉しい。
    気になったのはジョン・ポールが若くてイケメンすぎること。
    アンチエイジングしてるの?サイコパスの槙島しかり、敵にカリスマ性を持たす為にも見栄えのする美形にする必要はあったんだろうか……本編の殆どが戦場舞台なので、グロテスクな死体やハードな銃撃が続く。
    原作との最大の違いは、クラヴィスの母親の話がばっさりカットされてる点。
    それを盛り込むとまたややこしくなるし、ラストが蛇足になるのでエンターテイメントに徹して法廷劇で〆た演出の意図はわかるが、国家の利己と欺瞞が最終的に個人の利己と欺瞞に回帰し、現実と真実の境界線が溶け出す混沌を描いた原作ラストの後味の悪さが好きだったのでちょっと残念。
    人類のみが用いる言語を虐殺の器官と見なす着眼点は斬新で面白く、思索に富んだストイックな会話もよかった。
    主題歌も素晴らしい!
    気に入らないレビュアーもいるみたいだが、私はあの主題歌あってこその映画と絶賛したい。本編の内容と歌詞の意味を合わせて考えると、何倍にも余韻が増す。

  • 公開されてたのかよぉおおとショックを受けながら鑑賞。絶対に劇場で鑑賞したいと思っていたのに。待望のプロジェクトItoの最終作。おめでとうございます。紆余曲折ありながら、それでも完成に至っていたことが何よりもありがたい。絶対に映画化されるべき作品だし、伊藤計劃の虐殺器官は最高の作品なので、ずっと待ち望んでいた。
    クラヴィスが動いている。瞳が透き通るように美しい。殺してくれ、というせがむ国防大臣とクラヴィスの青い目が交錯する。伊藤計劃『虐殺器官』劇場版。待ってました。美しいキャラデザを生かして終末的な世界観を描く。

    テロの恐怖から逃れるためにIDと認証に支配された管理社会。自由を放棄し引き換えにしても、その恐怖に向き合えなかった平和な世界。
    クラヴィスは虐殺の先導者と思われるジョン・ポールという男を追いかけていた。半年ごとその謎の人物は大量虐殺を巻き起こしながら世界を移動する。
    クラヴィスの任務は虐殺の種となるものを排除すること。
    ジョン・ポールという男は無視することができない厄災だった。

    クラヴィスはまず、ルツィアという女性に接触する。ジョン・ポールとの関係があると推測されたからだ。チェコ語の家庭教師という名目で、クラヴィスはルツィアと会話する。そんな中、クラヴィスはルツィアに好意を抱くようになっていった。
    ルツィアはポールについて言及した。
    「言語が人間の行動を形成する」
    言葉を作り出す器官があるのだと、彼は言っていたと思い出すように証言するのだった。

    ジョン・ポールには妻子がいた。しかし彼はルツィアとチェコで過ごしている間に、妻子が向かった旅行先で起こった事故で愛する家族を失っていた。
    自らの罪に押しつぶされそうになるルツィアはこう呟く。「死者は誰も許すことはできない」という言葉に、クラヴィスは瞼を震わせたのは、事故により脳死状態に陥った母の生命時装置を止めたことを思い出しているからだろうか。この表現が細かい。涙を浮かべ悔恨するルツィアは魅力的で女性の色気に溢れている。キャラデザがやっぱり美しいと再度思った。

    ジョン・ポールが見つけたのは「虐殺の文法」というものだった。まさに思考を言葉が規定する代物だが、クラヴィスは声を荒げて否定した。それは呪いのようにしか感じられなかったからだった。

    ジョン・ポールとルツィアの行方が眩ませられた後、クラヴィスは今度はインドでジョン・ポールが関わっていることが知らされ、出撃を命令される。その前にクラヴィスはカウンセリングを受けていた。群衆とはどれくらいのモジュールになれば認められますか、今なら子供を殺せそうですか、となぞるカウンセラーの言葉。それがどう作用するか知らないまま、クラヴィスは虚ろな目で真っ直ぐ見つめていた。

    インドの敵本部では少年兵が利用され、麻薬で痛覚を麻痺させていた。部隊のひとりが似たようなものだと冗談を言う。「仮に仲間で撃ち合ったら確実に動きを止めるまで打ち続けるしかない」「そんなの地獄だな」とフラットな声音で会話しながら、クラヴィスは泣き叫び機関銃を乱射する少女をバラバラになるまで打ち抜くのだった。その表情に微塵も感情もなくいたって冷静なものだった。それもそのはず、彼らは良心を縮小させるカウンセリングを受けている。特殊任務に就く人間はそれが義務付けられているからだ。
    ジョン・ポールの姿を再び捕らえ、彼らを護送するためにクラヴィスはジョンと対峙する。子供を殺したことを問われたクラヴィスは「つらいが仕方がない」と眉を寄せた。それにジョンは笑い声を漏らした。「仕事だから」それこそが人に残虐さを引き起こす。それと何が違うのだと指摘する。そしてジョンはクラヴィスたちが受けている良心を縮小するカウンセリングと虐殺の文法はほぼ同じものを利用しているといった。
    仮に良心がなく痛覚を遮断された者が、虐殺の文法の通り思考したら、と考えると、クラヴィス同様背筋が凍る答えが浮かび上がる。

    するとクラヴィスたちが搭乗していたヘリが襲撃された。相手も痛覚を遮断している。平然と応答したリーランドははらわたをまき散らしたまま、片腕で機関銃を打ち続けていた。「さて、どうします」なんていつものように会話しながら、瞬間に電源がオフにされたように死んでいくリーランド。

    突如襲撃してきた敵の目的はジョン・ポールの奪還だった。そのほかのインドの大臣たちはまさに肉のポッドを棺桶に死に絶えていた。多くの犠牲を出し、部隊で生き長らえたのはクラヴィスとウィリアムズだけだった。

    三度目のジョン・ポールの情報がもたらされた。クラヴィスは単身敵地に突入し、再びジョン・ポールと再会する。生存のニーズとして発生するのが暴力だが、良心は進化のニーズとして発生したものだと反論するクラヴィス。虐殺の文法、古代より伝わりしそれは食糧不足への適応の中から見つけたと明かすジョン。愛する故郷を守るため、目に映らない悲しみを生んでバランスを保っているのだと真意を明かした。
    ジョンに銃を突きつけて「選んだ結果としての自由と犠牲者の生命を背負う必要がある」といったルツィアの頭を、ウィリアムズが射殺する。ウィリアムズは「この世界は地獄の上で成り立っていることを、平和の中で生きる人々が知る必要はない。嘘っぱちの世界でも走り始めていればそれが真実だ」と断じる。ルツィアを殺されたことで憎しみを抱くクラヴィスだったが、投降したジョンを連れ脱出する。
    逃亡した先で佇むジョンは虐殺の文法を使ってしまった理由を明かした。「自分にできることを知ってしまえばそこから逃げることはできない」そう答える彼と、クラヴィスに逆光の月の光が入る。これって小説の冒頭にあった月の光のオマージュかしら。そしてクラヴィスは「君にしかできないこと」をするのだった。



    それにしても網膜のフィルターの消失の仕方とか、人工筋肉のポッドの溶解の仕方が、ああ、これか!というほどイメージ通りで再認識しやすかった。
    キャラデザが美しいこと、美しいこと。やっぱりルツィアの愁いに満ちた横顔の美しさ。そして抑揚なく平然とフラットに敵を射殺していくクラヴィスたち部隊の異常性が、こうして映像になるとより際立っていた。
    やっぱり内容がとても濃いので、ジョン・ポールとの会話がほとんどになってしまうのは仕方がない。何度も見返したり、何より原作を読み返して理解した方が絶対に面白い。そしてクラヴィスの背景や過去といった内省が描かれた小説版を再び再読したくなるような作品だった。

  • 「虐殺器官」私個人の意見としては「虐殺に至らせる『言霊』」と言うより、「虐殺を一緒にやる仲間が(時代や状況的に存在することによる)集団ヒステリー」もしくは「きっと虐殺した自分を褒め称えてくれる人がどこかに居るに違いないと錯覚する『中二病』的歪んだヒロイズム」が虐殺器官の正体だと思っている。っつかー、根底は個人の意志だ。

    でも「信じ込まされた」人が「だってそうだと信じてたんだよ!」と言われると、事情や背景によっては「気の毒に」と思う。でも、許されないとあきらめて欲しい。

  • 前に小説を読んでいたのでそれのアニメ版があるとのことで観てみた。
    虐殺の文法という発想がすごくおもしろくて引き込まれた。
    SFなので、映像が小説の補完的な役割を果たしてくれてよかった。

  • Netflixにて

    『彼らは彼らでやり合ってもらう』
    ジョン・ポールが最も冷静でシンプルな発想だ。
    思想が正しい正しくないを判じることは難しい。
    ウィリアムズにしても、その行為が愛から発せられるものだとしたら、なんら変わりない。クラヴィスもジョンに文法を施されてにしても、ルツィアを救うためだとしたら、同じこと。

    ジョンは祖国を守りたい、ウィリアムズは家族を守りたい、クラヴィスはルツィアを守りたい。こう考えてしまうと、最大多数を守る意味ではジョンが正しいとも思ってしまう。
    あまりに危険だ。感覚が麻痺してしまった。

    「臭いものには蓋をする」どころか、臭いすらもマスキングして嗅覚を遮断する。これは本当にフィクションか?


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    個人的に、冷静かつ冷酷な細面の敵を櫻井孝宏が演じている時点で、どうしても槙島聖護と重ねてしまうが、そういうバイアスがかかってしまうのを折り込んだ上で、PSYCHO-PASSシリーズを観ている人には改めてこの『虐殺器官』をお勧めしたい。

  • 殺戮をみるのがつらくてあんまり頭にはいってこず。

    カフカとか話にでてきた。

  • 作者のファンで何度も劇場で観ました。母との葛藤を全部削ることにより「虐殺の文法」に焦点を絞り上手に纏めてあります。冒頭の方で流れる月光が良い

  • 小説と忠実に映像化していて作品としての出来は良い。
    しかし小説と同様、肝心の虐殺を引き起こす言語というものが曖昧過ぎて、物語が核心に迫るに従ってリアリティが薄れ、少しずつ白けた気分になってしまった。

  • 伊藤計劃さんの「虐殺器官」が発売されるのを心待ちにしていて、発売されてすぐに購入し読み漁ってからもう九年も経つのかと思うと何か感傷的な気分になる。その当時、僕は小島秀夫監督にすっかり魅了されていて「ヒデラジ」のヘビーリスナーだった。で、そこに生前の伊藤計劃氏が幾度か登場されていて興味を持ち、彼のブログや映画評なども全て目を通していた。当時既に病気でブログのあちこちに体調が優れない記事が散見されていて、鬼籍に入られたニュースを聴いた時、愕然とした。とても一般人とは思えない映画/SF/武器/戦争/軍事に関する知識や見識や考察に本当に驚きの連続でした。どうしたらこんな知識を手に入れられるのかな?単純に「好き」だからじゃ納得できない知識と情報量に憧れを感じていました。「虐殺器官」「ハーモニー」「メタルギアソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」「インディファレンスエンジン」と伊藤氏の著作は買い漁って読んだけど、とても難しくて、物語を理解出来ていたかどうか怪しかったですね(笑)その後アニメ化されて「ハーモニー」「屍者の帝国」も拝見しましたが、やっぱアニメになっても難しかったです(笑)
    やっぱ大塚明夫先生の声を聴くと嬉しくなりますね。コジマファミリーですもんね〜
    やっぱり、アニメでも活字でも難しい話だなぁ〜(笑)

  • 原作既読。伊藤計劃の作品の中ではこれが一番好き。これも言葉と意思の話だけど。アニメとしては原作冒頭の降下シーンから始まらないのがすごく残念!!あの冒頭こそ映像的にはカッコよく、この世界観に一気に引きずり込めると思うんだが。

  • 近代的な装備を駆使した軍事作戦(アクション)は映像として非常に素晴らしいと思う。ただストーリーという観点ではそんなにいいとは思わない。総じて見終わった感想としてはいまいちな感が残る

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 原作者のことは噂でしか知らない。が、本作は見応えがあった。感想を書くにはもう少し消化が必要だが。

  • 映画館にて。

    http://project-itoh.com

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