デーミアン (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

  • 光文社 (2017年6月20日発売)
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みんなの感想まとめ

主人公の少年が不思議な少年デミアンとの出会いを通じて、精神的な成長を遂げる物語です。子ども時代の無邪気さから、青年期の葛藤や孤独に至るまでの過程は、現代人の心の悩みや体験と重なる部分が多く、多くの読者...

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。

    子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。
    ラストのデミアンの言葉には号泣した。

    この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、
    読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。
    またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。
    (知らなくても十分楽しめるが)

  • 100年も前に書かれた小説だから気難しいものだと勝手に思っていたが、それは全く的外れな予想だった。シンクレアが経験する暖かな子供時代、道を踏み外しそうになる青年時代、孤独と辛さを乗り越えて感じる心の深淵について、現代人が悩むもの、体験することと同様であると思った。
    デーミアンのように教養をつけたい、自分をしっかりと持ちたいと思う人は多いと思うが、それを行動にできる人はほとんどいないのではないかと思う。周りと群れてひと時の安心感と幸福を手に入れるより、自分と向き合い苦しみそれを運命だと受け入れ、その中で手に入れる成長こそが本当に必要な事だと気づかせてくれた。閉鎖的な思い、絶望という言葉がよく似合う現代人にぜひ読んでいただきたい1冊。

  • フィクションとしての面白さのみならず、出版時のバックボーンとか、こういう精神世界を書くということが当時はエポックメイキングだったとか、付随的な要素も面白かった。現在の装丁には「若さゆえの不全感に対する示唆が得られれば」というスタンスのキャッチコピーがあるけれど、むしろ100年以上前から厨ニ病はあったんだなって史料的な着眼点で読んだほうが楽しめる
    キャラクターたちよりもさらに下層階級の社会でどれほどの貧困があったのかと思うと、彼らの苦悩の本質について色々いいたくなるけど、まあそれはそれこれはこれ

  • 偶然ヘルマンヘッセの研究してる方と会う機会があり、それをきっかけに読み始めた。

    自分の精神世界の葛藤と外部世界の出来事を、絡め合わせて、しつこく、丁寧に、これでもかと言語表現に落とし込んでみせた傑作。
    様々な事が書かれているように見えるが、本を貫いて語られているテーマは「光の世界と闇の世界の統一」であって、それはシンクレアの精神においても、現実世界においてもだろう。
    書かれた当時の時流、ユング心理学や進化論も齧っていくとより面白く見られるに違いない。
    もちろん一回きりでは分かったとは言えなかったので、これから何度も読み返したい。

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