アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える (文春e-book) [Kindle]

  • 文藝春秋 (2017年7月28日発売)
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みんなの感想まとめ

データの収集と活用が進化する現代において、消費者がどのようにデータを理解し、主体的に利用していくべきかを考察した一冊です。著者は元アマゾンのチーフ・データ・サイエンティストであり、データ企業が消費者の...

感想・レビュー・書評

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  • 出張のフライトに乗る前にkindleストアをざっと見て購入した一冊。
    著者がアマゾンの元チーフ・データ・サイエンティストということから『アマゾノミクス』なる邦題がついているようだが、原題は『Data for the People』。アマゾンに限らず、グーグルやフェースブック、さらには金融機関や病院などが、パーソナルデータをいかに入手し、活用しているかを述べつつ、データを提供した我々消費者はどう処してゆくべきかを提言している。目指すところは、“我々の、我々によるデータは、我々のためのデータになる”ことだ。
    アマゾンで買い物をすると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とお勧め商品が出てくるのは今や誰もが知っているが、実は「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」というパターンもあって、それぞれ効果が違う。また、フェースブック上で頻繁にやりとりをしていた二人が、ステータスを「交際中」に変えた途端にやり取りが激減することから、フェースブックは二人が交際を始めることをおよそ100日前から予測している。さらに、米国では、性別・誕生日・郵便番号がわかれば、なんと63%の個人が特定できる。(然るに、日本ではこの割合がさらに高くなる。)
    さすが元アマゾンのチーフ・データ・サイエンティストだけあって、本書にはこうしたネタが満載。しかし、著者のポイントはこうした事実に怯むのではなく、データを提供した我々消費者も受益者となるべきだと指摘している。データを入手・分析・活用する企業側の利益と、消費者個人の利益を共に伸ばすことを目指そうというわけだ。そして、このためには、企業側が「透明性」を高めるための仕組みを作り、消費者は提供するデータの使い方についてその決定権を握る「主体性」を高めてゆく必要があると説く。
    我々のクリックひとつ、「いいね!」ひとつで、どれだけのデータを与えることになり、そして、アマゾンやフェースブックらデータ企業が、そのデータをどう集めてどう分析しているのか。この理解を深めることが「主体性」を高めることの第一歩となるに違いなく、本書はその指南役には最適だろう。

  • 本書はアマゾンの元チーフ・サイエンティストだったワイガンド氏による本です。原題はData for the peopleということで、リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」をモジっています。人民のためのデータとするために我々はどういう権利を主張すべきなのか、データ会社とはどういう形でウィン・ウィンの協力関係を結ぶべきかという著者の主張が一貫して記載されています。翻訳もわかりやすく、書かれていることはやや複雑な面もありましたが一気に読めました。本書が素晴らしかったのは、データ分析の世界で何が起こっているのか、我々のプライバシーはどう影響を受けているのか、といった現状についてわかりやすく記述しているのに加えて、後半には著者の主張、すなわちどういうルールをつくっていくべきかという提言が書かれていたことです。つまり現状分析と提言のバランスが良く、かつロジックも明瞭で現実性も高く説得力がありました。おそらく民主主義国家の多くはワイガンド氏の主張する世界に向かうのかなと感じましたが、国家権力が強大な国は、ワイガンド氏が警鐘する超監視社会になるのかもわかりませんね。本書とても面白かったです。

  • ▼データの解釈
    「婚活アプリで大勢の黒人女性をブロックしている男性がいる」というデータ。これをどう解釈するか。

    この男性は黒人は好まないと解釈しそうだが、実際には「黒人女性にしか興味がなく、すでに連絡を取ったが駄目だった女性をブロックしていた」が事実。

    データは解釈次第で意味が全く変わってしまう。

    ▼データの活用
    昔は名前と郵便番号くらいしか個人データが取れなかったので「このエリアの人はこういう特性がある」くらいしかわからなかった。
    それが今はデータを取れる量が圧倒的に増えているため「個人=1人」に対してのパーソナライズが進んでいる。

    何を検索しているのか、何をかごに入れて買わなかったのか、比較検討した商品はなにかなど。
    最近ではスマートフォーンのタッチの強さ、その時の手の震えなどの情報などまで個人の特定に活用されようとしてきている。

    ▼プラットフォーマーの影響力
    Facebookはすべての友人の投稿が表示されているわけではなく一定のレコメンドによっって表示されている。
    よくコメントをし合う友人やいいねを押すに近い志向性の投稿は優先的に表示されるようになっている。

    一方で、この影響力が高いのはどうなんだという問題も。
    Facebookの実験(友人が投票に行ったよ/今日が投票だよという情報提供などABテストで)で新たに34万人が投票に向かわせる効果があった。
    逆に言えば、Facebookが特定の政権に投票しそうな人たちのSNS上だけにこういったアクションを行うと結果は大きく変わってしまう可能性がある。

    ▼データをユーザーから取る効果
    = データを活用してどれだけの便益がユーザーに返ってくるか/そのためにどれだけコストがかかるか

    例えばUberだとお互いの信頼を持つために「キャンセル情報」などを取らないといけない。
    信頼に関わるデータが貯められることで、ユーザーに負が発生する可能性もあるし、プライバシーのリスクも増える

    一方でそこから生み出される価値がいかほどなのか。
    信頼してサービスが使えるようになるというメリットかまあるのか。

  • 読み始めた動機としては、アマゾンの事業に引き付けて書かれているかと思った。それを期待すると物足りない

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