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Amazon.co.jp ・音楽 / ISBN・EAN: 4582167072800
感想・レビュー・書評
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日食なつこが9月に出した新作ミニアルバム『鸚鵡』(Living,Dining&kitchen Records/2160円)を、ようやくゲットしてヘビロ中。
彼女は年頭にもミニアルバム『逆鱗マニア』を発表したから、2枚合わせてフルアルバム1枚分を今年出したことになる。
『逆鱗マニア』もよかったが、この『鸚鵡』も素晴らしい。
2015年末に発表された初のフルアルバム『逆光で見えない』が高く評価された彼女は、26歳にしてすでに鉄壁の個性を確立している。
椎名林檎と比較する向きもあるが、全然違うと思う(まあ、『逆鱗マニア』なんてタイトルはやや林檎風だが)。
彼女の音楽は、生ピアノ弾き語りというスタイルながら、フォークでもポップスでもなく、ロック/ファンク/ソウル/ジャズのミクスチャーともいうべき硬派なもの。
強い意志を感じさせる眼差しと凛としたヴォーカルは、一度その歌いぶりに触れたら心から離れない。
何より素晴らしいのは、研ぎ澄まされた感性が光る独創的な歌詞だ。
生きづらさを抱えた若者たちに寄り添い、彼らの背中を力強く押す歌詞。あるいは、日常性の中にも宇宙的スケールを感じさせる歌詞……言葉のセンスが、若手アーティストの中で突出している。
この『鸚鵡』も、随所に胸に突き刺さるフレーズが登場する。
日食なつこの曲のメインテーマとも言うべきもの――それは「生き急げ!」という呼びかけだ。
もちろんテーマは一つではなく、いろんな曲があるのだが、聴く者に「生き急げ!」と呼びかけるような一連の曲が、抜きん出て素晴らしい。
本作のリード曲になっている「レーテンシー」などは、まさにその典型。
《そりゃ待ってりゃいつかは来るさ痺れを切らした未来の方から
待ってるだけしか能のない奴の面を拝みにさ》
……なんてフレーズは、歌詞というよりも質の高い現代詩のようだ。
傑作「黒い天球儀」の名フレーズ「いつか吐き出す最後の一呼吸が ためいきで終わってしまわないように」に匹敵する。
日食なつこのツイッターで下のツイートを見たとき、アーティストとしての「核」の部分に触れた思いがした。
《まぁ30で死ぬつもりで生きてるので肌だのアレルギーだのどうでもいいんだけどね正直
平均寿命80まで自分も生きられるとか思ってるうちは決意が全部先延ばしになるので
ちなみに最初は22で死ぬつもりでしたが現状生きてます面目無いです
31過ぎてまだ生きてられたらまた次の目標立てます》
「ああ、なるほど。こういう考え方で生きているからこそ、彼女の『生き急げ!』という呼びかけは深く心に響くのだな」と思った。
チェ・ゲバラの名言――「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのか? あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なのか」を思い出す。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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