カラマーゾフの妹 (講談社文庫) [Kindle]

  • 講談社 (2014年8月12日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • ”カラマーゾフの兄弟”ではっきりしなかった真犯人を、特別捜査官となった次男イワンが突き止めていくという続編。二次創作のミステリーなので文学的なものではないです。

    これを読むため先にミステリーカット版を読みましたが、この作品にもかなり詳しく事件の経緯が解説されていたので、必要なかったかもしれません。

  • 質の良い推理小説。ただ、それだけ。

    それで良いではないか、という見方もあるだろう。
    それは、本書を推理小説として見做す見方だ。
    だが、「カラマーゾフの兄弟」の愛読者には、不満なのだ。
    ドストエフスキーの混沌としたデモーニッシュな迫力は、何人ともいえども真似をすることが出来ないのは、分かっている。
    そんなことは期待していない。
    ドストエフスキーの書き得なかった「カラマーゾフの兄弟」第二部、というか「本編」を読んでみたいという思いは、ドストエフスキー•ファンは全員が思っている。
    だが、読みたい第二部、「本編」は本作のような推理小説ではない。
    そもそも「カラマーゾフの兄弟」は推理小説なのか?
    そうではあるまい。
    推理小説のような構造を示しては、いる。
    しかし、ドストエフスキーが止むに止まれぬ衝迫で書き上げた「カラマーゾフの兄弟」は、ロシアの大地に根差したカラマーゾフ的混沌、善も悪も飲み込んだ「善悪の彼岸」を書くことにあった。
    だから、本来のテーマを提示するための推理小説的構成のみを取り出して、続編を書くのは、着眼は面白いが、それだけのことに終わってしまう。
    だから、「質の良い推理小説。ただ、それだけ」という読後感しか残らなかったのだ。

    しかし、本書は、原典たる「カラマーゾフの兄弟」に人を赴かせるきっかけにはなるかもしれない。
    本書によって「カラマーゾフの兄弟」に赴く読者が一人でも現れんことを。

  • ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を下敷きに第2部を創作した2次創作ということになる。ドストエフスキーの作品にみられる複雑性はなく、読みやすいのは確かだが、その結末には元の深さには及ばない。

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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