- Amazon.co.jp ・電子書籍 (367ページ)
感想・レビュー・書評
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純真無垢な主人公が、誰もが持っている保身的なズルさと、本当に悪い人の悪意によって蹂躙されズルさも悪意も持つことなく生に対する執着を失ってしまう。
これを弱肉強食というのか、生存競争というのか、逆にいうと生き抜くためには必要なスキルなのか。
純真でいたいというのは、生きているからこその感情で、純真でいると生きていることすら諦めたくなってしまう。
そんな世の中に生きているのだなぁ。
ミステリアスなトーンでありながら謎が解けて行くに従い、犯人に寄り添いたくなる。
これをハッピーエンドというのか否かは人に寄るのだろう。 -
生きていてほしい
のではなく
死なれるのが嫌だ
そんな気持ちで差し出された手には
何の力もないということがよく分かる物語でした。
どん底にいる人に手を差し伸べても手遅れなことが多い。どんなに言葉を尽くしても時間を使っても、救えるタイミングを逃してしまうと2度とその声が届かない。
まだ間に合う時には誰も救わなかった、手を差し伸べなかった。一度の見て見ぬ振りが積み重なり、人は永遠の孤独に閉じ込められる。
取り返しがつかないところまで突き落としておいてそのくせ善人ズラで”不幸から抜け出そうとしない人”を理解できずにただ攻める。
あなたに生きていてほしい!と…
思ってくれる人がいない場所で、人は生きることが出来ない。
死にたいと思っている人は幸せになりたいとも、天国に行きたいと思っていない。
今いる地獄から抜け出したい。
ただそれだけ -
30歳女性が元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で死刑宣告されるところから始まり、その女性の半生を様々な人の視点で振り返りながら、どういう動機で犯行に至ったかという、女性の内面を深くえぐる物語。
読み手を「放火殺人は絶対悪」というところから違うところへ導いていくような展開。人を一面からしか見ないと見誤るよという警告のようにも受け取れる。いつも見ているあの人は、こういう人だと決めつけているかも知れないけど、別の角度から見たら実はあんな側面やこんな側面もあるのでは?と気づかされる話。
まあでも正直救いのない話なので、気分が落ち込みました。。 -
とても辛い悲しいお話でした。
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読み終わった後何か重たい物が胸に残った。
最近何冊か冤罪についての小説を読んだが、やはりメディアの情報だけを信じるのは危険ですね。
著者プロフィール
早見和真の作品





