リベラルという病(新潮新書) [Kindle]

  • 新潮社 (2017年8月10日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • (2017/11/12)
    この新書が出たのは8月。
    まさか民進党があんなことになり、
    「リベラル」という言葉がここまで脚光を浴びようとは、
    著者も想像できなかったろう。
    東大法学部財務官僚弁護士ハーバードロースクール、
    NY州弁護士、、、凄すぎる経歴の1983年生まれの女性。

    タイトルだけ見たときは中身が想像できなかった。
    病、というくらいだから、リベラルをたたく本?と思ったりもした。
    が、実際はそんなことはなかった。

    アメリカで学んだだけあって、
    アメリカでリベラルとコンサバがどういう位置づけで成り立ち、
    時の経過とともに変化していったかを、
    客観的に追っていた。
    これは凄く勉強になった。
    その象徴としてのLGBTへの対処の仕方、黒人への対処の仕方。

    おわりに
    でコンサバとリベラルを総括している。

    自然に対する畏敬の念がコンサバ。
    自然の征服がリベラル。

    リベラル 大きな政府 司法積極主義 介入主義
    コンサバ 小さな政府 司法消極主義 孤立主義

    こう並べると、自分はコンサバになる。
    てっきりリベラルと思っていたが。
    そもそも長い歴史を持つ日本人の感覚はコンサバなのだ。
    アメリカは若いゆえ、何でも征服できると思っている、と。

    ゆえに、日本においてリベラルは根付きにくい、
    というのが著者の意見。
    民進党は敵失誘発勢力になり下がった、、、

    と言っていたらあの選挙。
    民進党は希望の党に身売りし、
    ところが排除されたメンバーが立憲民主党を設立。
    リベラルの旗頭のもとに。

    この本を読むと立憲民主党はリベラルじゃないなあ。
    安倍さんも自民党ではリベラルと呼ばれたが、
    やっぱりそうではないということになる。

    リベラルとコンサバ≒保守、言葉づかいが間違ってるね。

    誤ったレッテルのもとに投票したのでは国政の選択を間違うよ。
    メディアも気をつけなきゃ。

    それにしても
    LGBTQQIAAPO2S
    は凄いね。
    ここまでこだわる、これこそ病なんじゃないかと思う。

    ちなみに私は誰がどの性を愛するとしてもそれは自由だが、
    人の手にゆだねて手術をするのはどうかと思ってます。
    現状を否定したくなるのは世の常人の常。
    性にそれを持ちこむのは
    、、、ちょんぎろうがくっつけようが、
    整形手術と同じレベルと思えばいいので、
    性の問題と一緒にしてほしくない気がしている。

    予断でした。

    はじめに

    I リベラルという宗教

    「我々は、信心深い国民である」
    ペンス副大統領はクリスチャン・ライト
    「人種間の平等」という宗教
    差別主義者はすなわち異教徒
    ポリティカル・コレクトネスとは何か
    日米ポリティカル・コレクトネス格差
    あらゆる表現がやり玉に挙がる
    LGBTQQIAAPPO2Sって何?
    リベラルの不寛容――ゼロ・トレランス
    リベラル信仰の聖地、ハーバード・ロースクール
    インテリ層の差別意識と後ろめたさ

    II 最高裁判事という権力者

    連邦最高裁はマイノリティ最後の砦
    最高裁判事は大統領の代弁者か
    スカリア判事の死、危機に瀕したコンサバ派
    大統領選の争点となった最高裁判事
    コンサバの悪夢「ウォレン・コートの時代」
    「分離すれども平等は違憲」:全員一致のブラウン判決
    全土で同性婚を認める:僅差のオバーゲフェル判決

    III 揺らぐ家族像

    トニ・モリスン『青い眼がほしい』が訴えたこと
    養育費を支払わなければやがて刑務所へ
    親による子どもの支配権:トロクソ対グランヴィル判決
    男女一組の親・血のつながった子どもという理想像
    閉じられた核家族ユニット:マイケル対ジェラルド判決
    親を決める「遺伝・分娩・婚姻推定、意志・機能」
    親になる「意志」の時代――新しい家族像
    シュルツ論文を受け入れる:ジョンソン対カルバート判決
    同性カップルによる子育てと機能主義
    コンサバ州とリベラル州の鋭い対立
    生殖補助医療の進歩は何をもたらすか
    親という概念の根本的な変化

    IV 奇妙な日本のリベラル

    安倍首相は右翼で天皇はリベラル?
    「人生哲学」としてのイデオロギー
    政府の大小はリベラルとコンサバの分かれ道
    民主党と民進党の決定的な違い
    自ら財政の均衡を主張したリベラル民進党
    イデオロギー的核がないのは、自民党も同じ
    自民党のポジションは、アメリカでは民主党
    日本では予算の配分権こそ権力の源
    財務省は「小さな政府」を目指したか
    突然変異としての「小さな政府」論者
    なぜリベラルが橋下氏と渡り合えないか
    外交・社会政策にも一貫するストーリー
    人間への「信頼」、人間への「不信」
    日本の哲学と相反するリベラル倫理観
    リベラルは再び立ち上がることができるか
    泥沼にはまる民主党
    敵失を誘うしかないのか、民進党
    アメリカ民主党も真似をして敵失誘発方式
    穏健派と穏健派を結びつける動き
    おわりに
    主要参考文献

  • 元財務官僚の著者がアメリカ留学体験をふまえて、リベラルという政治文化に関する一つの傾向・潮流を考察している。
    第1章でアメリカの歴史に刻まれた奴隷制度に根差す黒人差別に典型的な人種差別に対するアンチテーゼとしての人種間の平等が宗教のようだと主張する。その反面心の奥底になる差別意識がトランプを生み、エリート意識が厳格なポリティカルコレクトネスと相まって平等を実質化・先鋭化するアメリカの政治状況を伝えている。
    第2章でアメリカの最高裁判所が議会の意思決定に委ねる司法消極主義と人権の砦として少数のエリートによる法創造を認めてきたリベラルの極みを著名な判例を通じて描いている。
    第3に著者が現在研究の対象としている家族制度の考え方を通じて自然な(従来的な)両親と子供の核家族を基本とする保守的な考えと生殖テクノロジーの発達や同性婚といった新しい事案に対して従来の家族と同様に扱おうとするリベラルな考えを具体的な事例を挙げて説明している。今後の日本の家族の在り方の多様化に対する先例として大いに参考になるだろう。
    第4章でアメリカに顕著なリベラリズムに対して日本の政治状況を分析している。日本ではアメリカに顕著なリベラリズムに相当する政治文化はなく、むしろ長年与党の自民党が余りに無節操な権力亡者として保守的な政策から進歩的な政策まで包摂しているため、野党の出番が乏しいと指摘する。また野党の政策自体が整合的でもないとの指摘はその通りだが、それは自民党も同様で政治文化としてのイデオロギーの核がないというのはやや日本の戦後の組合運動や社会主義的なイデオロギーの影響である面の考慮が不足しているように感じた。
    それでも今後の日本の政治文化にもただ与党を批判のための批判ではなく、自ら立脚する国民の目線から建設的な議論・政策提案をする政治文化の成熟を期待する帰結には賛同する。

  • 本当に、日本のリベラルパーティーは気がふれてると思う。でもその源流はアメリカにある。いやはや、リベラルは宗教なんだ。

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著者プロフィール

1983年、札幌市出身。2006年3月、東京大学法学部を卒業。同年4月に財務省に入省。08年に退官し、15年まで弁護士として法律事務所に勤務。15年9月~16年8月、米ハーバード大学ロースクールに留学し、卒業。17年4月、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程に入学。17年6月、米ニューヨーク州弁護士登録。20年3月、東大大学院を修了。20年4月から信州大学特任准教授となり、翌年、特任教授に就任。

「2023年 『挫折からのキャリア論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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