出版禁止(新潮文庫) (禁止シリーズ) [Kindle]

  • 新潮社 (2017年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・電子書籍 (269ページ)

みんなの感想まとめ

テーマは、ある心中事件を巡る真相解明の過程であり、ドキュメンタリー作家が生き残った女性への独占インタビューを通じて描かれます。物語は、フリーのルポライターが未発表の原稿と手記を基に、事件の裏に潜む真実...

感想・レビュー・書評

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  • 突然に読み終えた出版禁止。
    これには悲しい事情が…。

    めちゃくちゃ晴れてたのに、何故か帰宅のタイミングで予期せぬゲリラ豪雨!それはもう豪雨!!ここはアマゾンか?!
    私は天気予報見ないのに、降るなら囁いてくれよ私のゴースト!!(攻殻機動隊も大迷惑)
    車を持っている友達に助けてー!と送っても「(´_ゝ`)プゲラ」と来て貰えなかったのでやむまで図書室に避難する事に。
    こういう時に限って本を忘れてるんですよね。(既視感あるなあ)

    1、2時間で読めるものを探してうろうろうろうろ…あ!!これ、放送禁止を産み出した長江さんの本だ!!ピコーン、発見!

    大分前に『放送禁止』シリーズにハマって見ていた頃を思い出し、めっちゃ面白い!!ともならないのに何故か目が離せない感覚を再び味わいたいと手に取りました。
    紙の本がブクログに無かったので電子書籍にて登録です。

    フェイクドキュメンタリーなので、ルポライター形式でお話が進みます。
    有名なライターがとある山荘で愛人と心中を計り亡くなった。
    彼は生前に大物の政治家の闇を暴く記事を出しており映像化して物議を醸していました。
    妻はこれまた大物女優。夫は心中などしないと訴え続けています。
    一方、本作の記事を書いたと思われる若橋は売れないフリーライターで、この世間を騒がせた事件の取材の話が舞い降りて来た時に飛びついたという訳です。
    共に心中を計った愛人の女性の方だけは生き残って、薬物自殺だったので現在も後遺症に苦しんでいます。

    若橋がこの女性、七緒にインタビューする事から全ては始まります。

    果たして、心中は本当だったのか?
    陰謀が影に隠されている殺人なのではないのか?!
    取材を進めていくと…なんと…

    どんでん返しじゃーい!!
    おまけに、ちょっと気持ち悪いんじゃーい!!

    あの、私帰ってからお食事タイムなんですけど…?ちょっと食欲無くなったんですけど…?
    (と言いつつ帰ってむっしゃむっしゃ寿司を食した私)

    さて、心中と言うと皆さんは一家無理心中を思い浮かべませんか?私はそうだったのですが、江戸元禄期の浄瑠璃歌舞伎『曽根崎心中』が本作で例に挙げられているように、本来は決して目に見えない心の中の恋慕の情を、死をもって契りを守り情を証明しようとする行為の事らしいです。
    心中と言えば、おびのりさんにお聞きして初めて知った、太宰治さんの死因。
    こちらも例に挙げられていましたが、太宰治はそもそも作品のために自殺を繰り返しており本気で死ぬ気は無かったとの意見もあるらしく、心中を計った相手だけが死んでしまったりしています。
    ところが最後の愛人はレヴェルの違う人で無理やり別の場所で太宰治を殺してから共に入水したのではないかと…
    彼はこの時も死ぬ気は無かったとの説も。

    このように「死をもって愛を確かめる」行為だった筈が今では「誰かを道連れに自殺する」という意味で使われる場合が多い。

    当時は遊郭の遊女が客と恋に落ちる事も多く、愛の証に髪の毛や指を切り落として渡すなどの風習もあったようで(ちなみに指切りげんまん、はここから来ているそうです)、時代背景と共に言葉の意味も変わってくるんだなあと、勉強にもなってしまいました。

    でも…

    気持ち悪いんじゃーい!!!

    ちょっとホラーみのあるサスペンス。まさに『放送禁止』を見ていた頃の妙に癖になる感覚を思い出し、誰かと本書について考察をしたくなったものの雨の中をぼっちで読んでいたので単純にモヤモヤしながら帰路につきました。
    このモヤッと感も懐かしいなあ。

    それにしても、映画や漫画などでよく見る雨の日のシチュエーションについて物を申したい。
    傘を持っておらず、突然の雨に打たれて途方に暮れながら黒い空を見上げる1人の青年。
    時折、雷鳴が轟く中、周りからはどんどん人が居なくなって行く。
    そこへ薄幸そうな美少女が建物の中から出てくる。彼女は躊躇いがちに携帯していた折りたたみ傘を取り出しつつ青年に声をかけた。
    「あの…良かったら…、駅まで一緒に入りませんか…?」
    「えっ…?!」
    きゅん♡

    んな事あるかぁーい!!!
    あんなロマンティックなシチュエーションを考えたの誰ですか、少し期待してしまうじゃないですか、嘘つき!!
    警備員のおじさんに「こりゃダメだなー、忘れ物の傘、壊れてるけど使うかー?」と笑われただけだよ!!
    直近では少し前のZOZOタウンのCM!あんな爽やかなイケメンが己の傘を差し出してくれるなんて夢物語ですからね!!

    あれ、なんの話しでしたっけ?

    そうそう、心中する程に人を愛する気持ち。
    証のない心の中を見せるには、共に死んで契るしかない。
    ここまで来ると行き過ぎにも思えますが、それ程の純愛というか、激しい恋には憧れます。そんな事を、出版禁止から感じ取る私。
    どんな本にも学びがあるなあ。
    (うまいことまとめた!!)

    • yukimisakeさん
      mihiroさーん(*^_^*)
      mihiroさんもまさかの既読!!めっちゃ有名シリーズだった!
      最後、え…そっち?!ってなって、後はおう、...
      mihiroさーん(*^_^*)
      mihiroさんもまさかの既読!!めっちゃ有名シリーズだった!
      最後、え…そっち?!ってなって、後はおう、おう、気持ち悪いぞ?気持ち悪いぞ?!って思ってました笑
      ボストンバッグにとは思ってなかった…
      うっかり次のも借りちゃって、読むかは未定です^^;
      2024/09/15
    • おびのりさん
      「放送禁止」
      いただいております
      やーね、すぐ借りれちゃったわ
      「放送禁止」
      いただいております
      やーね、すぐ借りれちゃったわ
      2024/09/17
    • yukimisakeさん
      おびのりさん、やだ!おびのりさんも禁止を?!
      すーぐ借りれますよね笑
      そしてすーぐ読めます笑
      おびのりさん、やだ!おびのりさんも禁止を?!
      すーぐ借りれますよね笑
      そしてすーぐ読めます笑
      2024/09/17

  • ホラーかと思ってたらミステリーよりだった
    物語としてとても面白く読みました
    七尾は殺されてしまったんだろうなぁ
    と言う場面は容易に読み取れたのですが

    一度読んだ後に、パラパラともう一度流し読みをすると
    実はたくさんの言葉遊びが隠されていました

    七緒の魔性の女っぷりが凄すぎて、、、
    体の弱さや薄幸さ、言葉遣いや所作
    そして七緒の作る食事のメニューが完璧すぎて
    男性の庇護欲を刺激して、
    まさに、堕ちるという表現がぴったりな女性だと思いました

    心中直前のインタビューで、真相らしいことを話していましたが
    これって若橋の妄想のインタビューなんですよね
    なので真相はわかりませんが
    永津佐和子は若橋に知らされるまで
    本当に知らなかったんじゃないかなぁ
    命と人生をかけて守ろうとしてくれた七緒に
    肯定も否定もしない、ということで一緒に罪を被ろうと思ったのでは?
    じゃないと泣かないと思います

    七緒は本当に殺してくれと言ったのか?
    彼と生き、子を育み、一生を添い遂げたいって手紙に書いてあるんですよね、、、
    若橋は七緒を殺した後から文章が愛してるだの愛しいだの、
    不自然に書き綴っているので、堕ちたのか?
    でも好きな人のことアナグラムで「どうなしおんな」なんて書くかな??と思うので
    狂人のふりするために書いたのか?

    いろいろ謎が残りスッキリしない

  • 著名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った女性への独占インタビューを手にした著者。心中を紐解くにつれ、インタビュー執筆者が辿り着いた先は……
    描写がホラー並に怖い!

  • 実話を基にしたフィクションかと思って読み始めたのだが、途中でそうでないとわかって少しがっかりした。結末はたしかに予想外ではあったが、もっと不気味、もしくは意外性のあるトリックがあることを期待していたので、そこまで衝撃的ではなかった。
    一方で、インタビュー相手の女性の魅力が不思議と伝わってくるいい表現が多かった。美しくてかつ負のエネルギーをまとった女性は本当にいるのだろうなと感じた。

  • フリーのルポライターによってしたためられた、ある事件に関する未発表の原稿と手記を、著者が公開する体裁を取っている。ライターが残した手記を中心に挟み、前後には著者によって事件を理解するための情報や考察が添えられる。とくに手記以降の終盤で著者が明かす情報が本作の核心である。

    ルポライターが追っていたのは、7年前に有名なノンフィクション映像作家が不倫関係にあった秘書と心中し、秘書の女性だけが生存した事件である。調査するライターは事件について単なる心中ではなく裏があると睨み、真相を暴いて自身が立てる仮説を証明するために、生き延びた女性や関係者への接触を試みるというのが前半までの大まかな流れである。ルポルタージュの原稿として書かれているため、聞き取り形式の記述も多く含む。

    タイトルと装幀から、人気のない山奥で起きた怪談かそれに近い展開を期待して読みはじめた。ネタバレが許されないタイプの作品のため詳細は避けるが、読書前に私と同じ期待をされる方のためにも、とりあえずオカルト作品ではない。また、「異形のミステリー」を謳っている通り、純粋なミステリーでもない。

    結末を知ったうえで振り返ると、前段階にあたる前半のストーリーにあまり必然性がなく、やや不自然にも思えた。330ページほどの長編だが、中編程度の短い話であれば、装幀の裏表紙に掲げられた本作の売りである「恐るべきどんでん返し」にも、もっとインパクトがあっただろう。長編作品として成立させるためにオチが薄まった印象を受けた。文章そのものは読みやすく、スムーズに読み通せる。

  • ルポライターの取材日記ベースで進んでいく話。
    比較的読みやすく、最後には残酷な…
    伏線及び回収もあって面白いフィクションでした。

    児戯の如く
    確かに、文頭の文字を繋ぐとかは
    今になっては、ねぇ

    そして、生首をって言う描写が
    昔見たアニメを思い出しました。

  • 8割ぐらい読んだ所で「こう言う結末だろうな」って思ってましたがとんでもない…結末は予想を遥かに超えるものだった。感受性豊かな人はおそらく3日ぐらい引きずると思う。また、表紙…文字はそのまま読めて禁の文字が逆さになってるなぐらいにしか思ってなかったがよく見ると本物のコテージが逆さになってる…僕らは水面に映るコテージを見せられてたのかと思うとよりゾッとした…

    その場面を読み返してみると七緒の首を絞めたあとはまだ正気だったのかな?
    でもお粥を作ってるあたりからはもうおかしくなってるか

    私は、あわてて布巾で、畳の上にこぼれた粥を拭き取る。
    午後三時
    台所で、明日の夕食の下ごしらえをする。

    粥を拭き取るシーンから時間が空いて下ごしらえをしてる。
    この間が描かれてないところもゾッとした。
    あわてて拭いてるって事はまだ七緒を殺してしまった事実を受け入れられず焦っている風に感じ取れる。おそらく周りは嘔吐物だらけだと言うのに…
    そして鍋を振舞ってもらった思い出が蘇り思い立ったのだろうか…
    ・狂おしい程愛してるから骨の髄まで一緒になりたい
    そして一滴残さずじっくりと七緒を溶かし全てを取り込みたいと思ってしまったのだろうか…狂気。

  • 先日読んだ出版禁止と同タイトルだけど、全く違う話。ただ、話はとあるルポライターが書いた取材ルポという体で書かれていることは同じ。
    七緒がすでに死んでいたのは分かってたんだけど、オチまでは予想できなかった。長江さんの本は読み終えた後に考察ブログを読むのが楽しい。アナグラムの「胴なし女」はめちゃくちゃゾッとして良かった…。
    考察ブログで「七緒の遺体に対する所業がひどすぎるから若橋は七緒を愛してなかったのでは」と書いてあったけど、むしろ逆じゃないかな…。
    愛してないと人の遺体なんて食べられなくない?

    心中って耽美的でロマンがあると思いつつ、この年になると色々守らなくてはいけないものがあるので、ただのロマンとは思えなくなってきたな。

  • 面白かった。
    「児戯のような仕掛け」はよくは分からなかったが(そこまでがっつり探す気はない)、よく出来てるなあと唸ってしまった。
    「カミュの刺客」では、心中に関して否定的だったのに、後にのめり込んで行く様が怖かった。「出版にあたって」「あとがきにかえて」を読んで、どこまで計算されていたのか、どこまでが刺客なのかを考えると怖かった。
    とにかく、何か気持ちが悪いものが残る。

  • 読み進めていくにつれて、え?え?ってなりました!びっくりさせられる作品でした!

  • 読みやすかったし続きが気になったのでサクサク読んだ。
    最後の方の種明かしには「おぉ……」と思ったし、(推理するのは面倒だったので後ほどネタバレ考察を読み、)アナグラムにもなるほどねとなった。
    でもこれ1冊で完成されてる感じはあるし、続きのシリーズは機会があればでいいかなって感じ。

  • 察しが悪すぎて1部しか真相に気付けなかった…(笑)
    短編集でさくっと読めたので短時間で嫌な気持ちになれてよかった〜こういうのは真相を考えたりネタバレ見て納得するまでが楽しみだよね

  • おもしろかったが、イマイチ入り込めず。途中から生首になっていることには気がついた

  • 表紙が怖いのでおばけ系かと思ったけど違った。
    消臭剤の所で七緒は死んでると思ったけど体食われてるとは思わなかった。

  • 『放送禁止』を見たときに得られる満足感とほぼ同じ感覚を得ることができました。
    めっちゃ良かった。

    この作品も映像作品と設定は似ていて、ある理由で出版されなかったルポルタージュを長江さんが見つけて、その謎に迫るという形式になっていて、一度すべてを読んでからもう一度最初に読み直すと全然違うストーリーが見えてくるという形になっている。
    映像作品の方は違和感に気付きやすいようにあからさまにおかしな要素が映ったりしていたんだけど、この『出版禁止』は注意深く読んでいても全然気付けなくて、終盤にほとんどの答えを解説してくれるんだけどそれを見てやっと意味がわかるようになっていて、やっぱりそれに気付いた時のぞわぞわする感じがたまらなく良かった。

    あらすじとしては、とある心中事件で死ぬことができず生き残った女性へのインタビューを中心に構成されたルポルタージュがなぜ出版されずに封印されてしまったのか、というのをそのルポを読みながら追っていくという感じ。

    仕掛けがあるのはわかっていたので結構しっかり読んでいたんだけどやっぱり全然トリックに気づけなくて、筆者が用意した解決編になって初めてあ~~~~~~~~となる感じがやっぱ癖になる。
    長江さんの書籍はまだまだたくさんあるので他のも読んでいこうと思います。

  • 最初この本は ノンフィクションものが
    出版禁止になってしまったけど日の目を浴びたものかと思って 読みました。

    ところが 
    ミステリーだったんですね。
    これが・・・・

    だから あまり内容には 触れませんが
    視覚の 死角 ? 
    なんか 不思議な 日本語だと 思っていたら
    後述で 誤植の 事が書いてあったので これの事かと思ったけど 本当の漢字は なんだったんだろう??

    仕方ないので ちょとネットで調べたら
    刺客の刺客 という 意味??
    それなら 納得かも~~~

    怖い内容でしたけど
    多分 こういう 細かい 作者の意図などを
    じっくり  読み込めば もっと怖さがわかったでしょうけど
    すみません。 表面上だけど 怖がっておしまいです~~

  • おもしろかった。裏切られた。まさか本人がカミュの刺客やとは思わんかった。"心中"とか馴染みはないけど、究極の悦びに取り憑かれてしまうってゆうのは興味深い。そんなに人を愛したことがないけなんとも言えんけど、人の心はいつの時代も見えんってことはわかった。

  • この本の著者は、放送禁止シリーズの映像作家だそうな。中学生の時に深夜番組で見た時はド肝抜かれたな。
    「出版禁止」は、ある心中事件を取材する記者の原稿とルポから考察していく内容。
    「近畿地方のある場所についてに」が好きな人におすすめ。

  • モキュメンタリー形式の小説は大好きです。
    色んな価値観、関係者個々の目から見た事件がまるでちがうものに思えたりして。

    このお話は最後の方のあれが、それどころじゃないお話でしたね。
    思わず読み返して、主人公があっちの世界に足を踏み入れている家庭が精妙な文体で表現されており、うなりました。

  • 心中をテーマにした作品。
    いやーーこれは凄かったよ。理解が追いつかなくてちょっとむずかったけど。
    叙述トリックやアナグラムも組み込まれてて
    解説見てやっと理解した笑
    これは一度読んだだけじゃわからんやろ!
    最後まで読んだ上でもう一回読んだら、全く違う印象になるんやろな。多分もう読むことはないけど..
    愛する人のために自分は心中できるのか?って自分にも問われてるようでゾクゾクが止まらなかったぜ..
    主人公のライターがだんだん狂ってくるのが怖かった..

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著者プロフィール

1966年大阪府生まれ。映像作家、小説家。深夜番組「放送禁止」を制作、熱狂的なファンを生む。監督として映画化し、上映。2014年、小説『出版禁止』がヒット。著作に『ゴーストシステム』『出版禁止』『掲載禁止』『東京二十三区女』『検索禁止』などがある。

「2023年 『恋愛禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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