かげきしょうじょ!! シーズンゼロ 下巻 (花とゆめコミックススペシャル) [Kindle]

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  • 白泉社
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感想・レビュー・書評

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  • 面白かった~! やっぱりこの作品も好き好き~!

  • 小野寺先生の件で朝から泣いた

  • 愛の過去編から始まるシーズンゼロ下巻。アニメで見た時も衝撃的だったけど、原作でもその衝撃は一切薄れること無く
    あんな男が家に居座り続けるとか恐怖でしか無い……


    紅華においてさらさの侵略によって心揺らされる愛だけど、あのような経験があったなら自身の心に踏み込んでくる相手に対し必要以上に構えてしまうのも納得というもの
    親は守ってくれず、男は危険な存在、他人も自分を理解してはくれない。そんな状態で青春時代の前半を過ごした愛にとって、平然と友達とか言ってくるさらさなんて信じられる相手とは思えないのだろうな

    そんなタイミングで自分を追い神戸までやって来たキモオタは恐怖しか覚えられない相手。けれど、さらさは対話を通してキモオタを信頼できる相手と捉える構図は面白いね
    これはさらさの感覚がずれているとかではなく太一も同様にキモオタを「悪い人間ではない」と捉えているように間違った認識ではない
    だから認識を改める必要があるのは愛ということになる。でも、男は恐怖の対象でありキモオタは復讐しに来たと思っている愛にキモオタと向き合う余地はない

    そんな愛とキモオタを結びつける役割をさらさが担うのは面白いね
    友達じゃない、絶交、永遠の片想い…。さらさは愛と上手く意思疎通が取れていない。それでも愛と向き合おうとしていた。だから幾つもシグナルを送っていた
    その一つが窮地の愛を救うためにキモオタを走らせ、愛の代わりに悲鳴を上げるものとなるわけだね

    まだ男に触れることは出来ない。それでも感謝のハンカチを贈ろうと手を差し伸べる事はできた。今はこれが限界、でもこれまでより踏み込むことが出来た
    さらさとキモオタによって変化の芽を掴むことが出来た愛の涙があまりに尊いね


    また、さらさの台風の目としての立ち位置の意味が変わり始めた12話は印象的
    騒動の渦中に居て、ベルばら以外の演目を知らないさらさはいつも人を巻き込み注目させる人間。それがロミオのセリフを諳んじる場面では予科生に夢の星を見上げさせる導き手となっていた
    更にそれは愛に対し目標を抱かせるものになるわけだね。逃避先として紅華を選んだだけの愛が、さらさと同じ高さで大きく輝く星になりたいと思わせた。友達になりたいと言わずに居られなかった
    遂に手を取り合ったさらさと愛。2人の紅華での日々が本格的に始まったのだと感じられるエピソードだったね


    そして満を持して13話から始まるのは愛とさらさ以外の紅華少女たちの物語。トップバッターはどこかオドオドしている彩子だね

    重圧と劣等感、そして辞められない吐き癖で紅華の日々に限界を覚えていた彩子
    真っ先にその異変に気付いたのは教師の橘だけど、彼女は優しい言葉をかけようとはしないんだよね
    紅華は教育機関では有るけれど、同時に競争社会の荒波に耐えられる人間を育て上げる訓練所でも有る
    そういう風に彩子も捉えているから、予科生仲間に悩みを相談出来ないし、気付いてくれた愛も拒絶してしまう
    自分で何とかするしか無い。でも、その自分も咽頭炎なんか患って彩子を裏切ってしまう
    紅華において孤立無援の状態

    そんなどん底状態の彩子を立ち直らせてくれたのが紅華に入学資格が有ると判断した小野寺であった点は良いね
    彩子ですら信じられなくなっていた山田彩子を芯から信じ、そして彩子の誰にも負けない取り柄が何であるかを思い出させた

    環境が変わったわけでも味方が増えたわけでも、確約された未来が有るわけでもない
    要はまだ自分は紅華に居るという点を思い出せただけ。紅華に居るなら、諦めなければ終わらない。終わらなければ何かに辿り着く
    それはもしかしたらエトワールにも…

    大言壮語を掲げたさらさや愛に続き、彩子も大きな目標を抱くことになったようだね

  •  愛とさらさが友達になったり,彩子が拒食になったり,一年目の初夏あたりまでが描かれる。この先が連載先が変わった『かげきしょうじょ!!』となる。

  • 音楽学校が舞台でかなりキツいものも扱いつつもまとめる読後感が良くておもしろかったです。さらさも愛ちゃんも両方が両方にスター性見出してたのはとても好き……。愛ちゃんが好きですめちゃくちゃ可愛いです。でも山田さんの話が一番感情移入したよね……

  •  下巻を読んだ、ということは勿論上巻も読んだのだけれど、アプリで読んだのでこちらにまとめて感想を。

     シーズンゼロと銘打たれてない方から読んだのだけれど、こちらも読むことでやっと、痒いところに手が届いた感じがする。というよりむしろ、冒頭部に当たるシーズンゼロなしで、あれだけ話に浸れた作品としての魅力に感心する。とは言えど、今後読む予定があるなら、こちらから読むことを推奨する。

     葛藤やぶつかり合いは、後になる方が激しいため、話としての面白さは「かげきしょうじょ!!」の方が上だと感じるが、世界の前提部として、またさらさと愛の関係性を追う上では、非常に重要なエピソードが沢山ある。更に言えば、「かげきしょうじょ!!」ではスポットのあまり当たっていないキャラクターにも個別のエピソードがあって、嬉しい(勿論、順番としてはこちらで描いたから、「!!」では描いてないのだろうけど)

     細かい点では、話が進むにしたがって、愛の髪が段々と伸びているように描かれていたのが、なんだか良かった。

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