図書館の魔女 全4冊合本版 (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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レビュー : 4
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感想・レビュー・書評

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  • 端的に感想を書くと、メフィスト賞受賞にふさわしい傑作でした。

    分量もさることながら、様々な学問分野のエッセンスがちりばめられており、しかも伏線の回収もばっちりな作品です。

    人によっては第1,2部あたりが退屈に感じてしまうかもしれませんが、特に第4部に入ってからの吸引力は尋常ではないです。普段夜更かしをしない私が展開が気になりすぎて、思わず夜更かしをしてしまったぐらいです。

    読書好きが読むと響くフレーズや描写も多数ありましたし、第4部ではとても感情を揺さぶられました。

    個人的には少しずつ読んでいくよりも、まとまった時間で一気に読んでしまった方が良い小説だと思います。

    このような作品を書いた作者にただただ畏敬の念を抱くばかりです。

  • 久し振りに楽しい読みごたえのある小説で、惹きこまれました。
    既刊の次の作品、これから発刊するであろう3作目、楽しみです。

  • 山里で育った少年キリヒトと一の谷という国の政を英知を使って裏から仕切る図書館の魔女と呼ばれる女性マツリカの物語。
    マツリカは話ことができないが、とても雄弁に手話を使って会話をする。お付きには出自の違う二人の優秀な女性の司書がおり、彼女らが情報の断片から全体像をくみ上げていく様が面白い。
    言葉を操って国を動かすマツリカがしゃべることができないのは作者の皮肉か。
    随所で描かれるマツリカとキリヒトのやり取りの様もページを経るごとに砕けたものになってくるのも楽しい。中盤で刺客を放つ敵国ニザマを相手に立ち回るキリヒトの真の姿が明かされる。
    小さな糸口から推論で敵国の状況を読み取り、Win-Winの関係を構築しようとするマツリカ。
    それを阻止せんとするニザマの宰相ミツクビとその刺客を撃退しながら進むマツリカ一行。
    終盤はキリヒトと一行の活躍をテンポよく読ませる。最後まであきらめずに事態を収拾する二人をワクワクしながら追ってしまう。
    最後は恋か?
    伏線が各所に張られているのはいいのだが。「伏線です」的な表現はいかがなものかと思う。
    皆がいう通り最初は説明がくどい感じがあるが、後半に行くにしたがってテンポが上がってくる。
    この内容であれば、先代の時代でも十分に書けると思うのだが、作者にその気がないのかな?

  • 著者は言語学者とのこと。なるほどである。
    世界観は精霊の守人に似た感じ。ヨーロッパ、アフリカ、アジアを縮小したイメージで世界を描いている。

    図書館の魔女と呼ばれるマツリカと彼女の護衛の人を受けたキリヒトを中心に個性豊かな登場人物で物語られている。
    図書と言語がテーマなのにマツリカは言葉をしゃべることができない。キリヒトは刺客として育てられ文字の読み書きができない。

    キリヒトの人並み外れた聴覚をはじめとした感覚の鋭さがマツリカの人並み外れた知識と判断力が組み合わされ、大国間で巻き起こる大戦の危機を防いでいくのである。

    ふたりの物語が連作ものとして繰り広げられていく予感だが、次のシリーズではキリヒトは登場しないらしい。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早大、東京芸大などで講師を務めたのち渡仏、現在はリモージュ大EDSHS EHICに籍を置き博士論文執筆中。専門分野は印欧語比較文法・対照言語学。『図書館の魔女』(上・下巻 講談社刊)で第45回メフィスト賞を受賞。

「2015年 『図書館の魔女 烏の伝言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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