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感想・レビュー・書評
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Andrew S. Groveの本はマネジメントの本に続いて二冊目。この本でも中間管理職の役割、期待が理由とともに明言されている。古い事例だし、業界が違うから完全には理解できないが、大きなシフトが来ているときにそれをどう感じられるかという話と、どうシフトできるかということについての難しさが語られている部分は非常によくわかる。
多くの人が何となく感じていること、やっていることについて、この人は理由を明確にした上で、何をしているかを言語化してくれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルから、エッジの効いたビジネスハックな本かと思ったら、けっこうガチな事例と苦悩だった。でもよく読んでみたら凄い話だな。
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インテルに起こったHARD THINGSに基づく、経営のピンチを乗り越えるためのメソッド。ビジネス環境で発生する「10X」の変化に屈するか、それを利用するか。また、いかにしてそれに気がつくか。経営者としては読んでいてヒリヒリする内容だが、明日は我が身として常に「カオスを広げて、手綱を握る」ことを意識しておきたい。
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インテルの元CEOアンドリュー・グローブによる、いかに環境変化に適応するか、という本。1996年に書かれた本なので紹介される技術や事例は今からすると古いが、基本的な考えは今でも有効だと思う。
話は企業経営を中心に進められていく。ビジネスに影響を与える6つの力「既存の競合企業」「供給業者」「顧客」「潜在的競合企業」「代替手段」「補完関係にある企業」のいずれかの力が大きく変化した時、従来の経営方法は不適切なものとなり、やり方を変える必要が出てくる。ではそのためにはどうするか、というのが本書の内容だ。基本的には早くから情報を収集し、変化の兆しを捉えたら体力のあるうちに適応するための行動を取るということになる。これは個人レベルでも同じで、本書の最後には応用編として、キャリア転換点について書かれている。
興味深いと思ったのは、結局アンドリュー・グローブも心理的安全性を重要視しているということだ。本書には「心理的安全性」という単語は登場しないが、彼が言っているのはまさにこれである。なぜ心理的安全性が重要かというと、変化の兆しを最初に知るのは最前線である現場で働く中間管理職たちだからである。変化に気がついた中間管理職が、その不安を上層部へ率直に伝えることができるかによって、変化に対応できるかが決まる。グローブは怖く厳しい上司というイメージが強かったが、カサンドラの重要性を認識していたことを知って見直した。おそらく怖い上司というのは間違っていないが。 -
経営学の名著。
実際の経営者が自社のセグメントの転換を察知し切り抜けてきた訓話は一読の価値あり。
社会人としては最後に挿話されている、戦略転換点を個人のキャリアに対して応用する教えが最も感銘を受けた。「雇用の未来」で解説されていたアメリカ労働市場の現実に、似たような苦難を乗り越えた経営者からのアドバイスとなっている。 -
大きなパラダイムシフトを経験したグローブの言葉は色褪せない。はじめは半導体のメモリ競争で日本企業にコテンパンにコストと品質でやられた。今後の将来をプロセッサに託して方向転換した。ずっと事業に携わってきた当事者は意思決定を先送ることが多い。グローブは見事にパラダイムシフトの意思決定を見事にしたわけだけど、グローブ曰く決断が遅かったという。とても重い言葉だ。
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インテルのファウンダの一人、グローブが著者。インターネット黎明期に書かれているので、時代背景はふた昔前。だが、現在に通じる内容に驚かされた。
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ここで中間管理職が特別な役割を担うことになる。自分のメッセージを遠い人に伝えてくれるのは、なんといっても彼らなのである。彼らを自分の考え方に巻き込み、新しい方向を伝えるための資源として動かすことができれば、自分の存在を何倍にも大きくすることができる。彼らから全幅の信頼を得るために、より多くの時間を取って彼らと接すること
最近部門トップの意見を聞く機会がありました。そこで掲げられた部門の目標はとてつもなく大きなものでした。少なくとも、今の自分でできる姿は想像できません。では、それをこの先中間管理職人れた時に部下に示せるのか、甚だ不安です。
その目標は来年度から正式施行かなと思いつつも、今から取り組んでいきたいと思います。 -
大きな戦略転換に何回か経験した人でないと言えない示唆がまとまっている。
戦略転換点を通り抜けるのは死の谷で、脇目も振らずリソースを集中させることが大事。でもそれを敬遠し続けると、緩やかな衰退が茹でガエルになるかのように訪れる。
勉強になった。