- 講談社 (2017年8月16日発売)
本棚登録 : 22人
感想 : 2件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・電子書籍 (250ページ)
感想・レビュー・書評
-
「陸海を問わず全日本軍の最も大きな特徴、そして人が余り指摘していない特徴は「言葉を奪った」ことである。
日本軍が同胞に犯した罪悪のうちの最も大きなものはこれであり、これがあらゆる諸悪の根元であったと私は思う。山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』
「日本にはまことに奇妙な傾向があり、何やらもっともらしい新語をつくり、その新語で律すれば、たちまちすべての問題が解決するかのような奇妙な「空気」が生じてしまうらしい」山本七平『「常識」の研究』
「危機は一歩一歩と近づいており、その当面の敵は米英軍のはず。
それなのにわれわれの受けている教育は、この「ア号教育」という言葉を聞かされるまで、一貫して対ソビエト戦であり、
想定される戦場は常に北満とシベリアの広野であっても、南方のジャングルではなかった」山本七平 『一下級将校の見た帝国陸軍』(1976年)
日本軍は「アメリカは鬼畜」「反対する者は非国民」「対米協力者は殺しても構わない」というムードで殺人を繰り返したので、戦後「誰に命令されてやったんだ」と問われても誰も答えられない。「命令」はどこにもない」『ある異常体験者の偏見』山本七平
「”解放者”日本軍が、なぜ、それ以前の植民地宗主国よりも嫌われたのか。
それは「動物的攻撃性」があるだけで、具体的に、どういう組織でどんな秩序を立てるつもりなのか、
言葉で説明することがだれにもできなかったからである」山本七平
「他国の思想を人類普遍の原理として継受しても、自らの普遍主義的思想を構築し得なかった日本人の宿命ともいうべきものがあろう。
いわば、外国の世界観を自らの世界観としてそれを絶対化することによって生じる問題は、まず崎門学に先駆的に現れて現代にも続いている」山本七平『現人神の創作者たち 上』
「彼らは日本人でありながら、初めから終りまで、ただただ「大日本帝国」に苦しめられただけであった。
戦争は、地道な努力の積み重ねである彼らのもつすべてを奪った。
単に有形的な財産や地域社会の無形の信頼だけでなく、その生命まで」
山本七平
「一体我々に何か明確な原則があるのであろうか。恐らくないであろう。原則がないということは
「中立」という概念がないことである。
いうまでもなく中立とは原則の側に立って自己と戦うことであり、この自己自身との戦いぐらい苦しい戦いはあるまい」山本七平詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名前だけはあちこちで聞く山本七平。その人生と考えをまとめたもの。
右と言われながらも、反軍的なことも書き、天皇制にも斜に構えた彼が前線で従軍して、敬虔なクリスチャンという複雑な背景を持っていたことを知る。
時間があれば、何冊か読んでみるべき人。
著者プロフィール
東谷暁の作品
