- 本 ・電子書籍 (206ページ)
感想・レビュー・書評
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タイトル通り、一行の怪談。一文の話(というか情景)なんだけど詩ではなくて、ちゃんと話になってるのがすごい。そしてよくこれだけ考えつくな〜。オカルトエンタメ大学とかTVでの印象が強いけど、吉田さんの書く本も面白いのかなと思った。
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淡々と1ページに1行ずつ、綴られる怪談。
・題名は入らない。
・文章に句点は一つ。
・詩ではなく物語である。
・物語の中でも怪談に近い。
・以上を踏まえた一続きの文章。
この五つの凡例で、サクッと読めて、ブワッと想像力を掻き立てられる。
『誕生日のたび、鉈と花束を持った女が現れ、窓の外から祝いの言葉を叫ぶのだが、花の数は毎年一本ずつ減っていて、今年はついに鉈だけを手にした女が来ることになる。』
でゾッとなったり、
『そっと箪笥をのぞくと、片一方の靴下がもう片一方を飲み込んでいた。』
なんていう、ちょっと、それは表現力のなせる一行だったりと、くすり。 -
飯田茂実『世界は蜜でみたされる: 一行物語集』に触発されて読んでみた。やはり一文だけで紡がれた掌編集。飯田の物語が、その一文の前、そして一文の後ろに無限の時空が茫漠と拡がり、そこにあるものを想像してしまうのに対し、こちらはその一文だけですっくと屹立し、独立した世界を構築している作品が多かった感じがする。
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一行だけ、本当にたった一行だけでここまで不気味なものを書けるのは正直凄い。
しかも、それが何種類も続くんですよ。驚き。
それほどネタがあるんだ、という驚きもあるけど、淡々と一行だけで怖い話を書き続けられるのが凄い技量だと思う。
一見すると「?」と首を傾げたくなるような内容もあったけれど、一行だから戻って文章を確認してもう一回読んでを繰り返せる。
そしてようやく分かる怖さ。怖さが分かってくると楽しめる。
お手軽に恐怖心を摂取したかったらお勧めですね。
ちなみにこの本、最後に解説があるんですよね。
私はいつも解説なんて「物語に何も関係ないだろ、つーか蛇足だろ解説なんて。余韻に浸らせろ」と思っているタチなんでいらないんですけども、解説の文章があまりにも軽いノリだから読みやすい。
解説もセットで楽しめる物語! こういう解説なら大歓迎ですね! -
一行で恐怖を想像させるって、いくつかならともかく、一冊全部って難しいみたい。解説も出来ないし。
ただ、よくわからない文が多い。期待したから残念。 -
怪談というほど怖くはなかったけど、独特の雰囲気が漂ってて、読んでると居心地が悪くなる。
著者プロフィール
吉田悠軌の作品






なんか想像できそうでできない。
おもしろそう。
もしくはまったくピンとこないか(笑)
なんか想像できそうでできない。
おもしろそう。
もしくはまったくピンとこないか(笑)
短歌みたいな感じかな。それなりにルールがあって、「。」は一回しか使わない。なかなか書くにはキツい縛りだと思います。
短歌みたいな感じかな。それなりにルールがあって、「。」は一回しか使わない。なかなか書くにはキツい縛りだと思います。