太宰治の愛人で最終的に心中する山崎富栄の日記。二冊合わせての感想。
初めて会った一日目からもうすごい面白い、「死すとも可なり」で「戦闘、開始!覚悟をしなければならない。私は先生を敬愛する。」
恋のエネルギーが渦巻いてる!この日から心中の運命は決まっていたような感じさえある。
瑞々しい恋の気持ちが綴られている最初の辺りが私は好き。
突然「好きだ!」って書いてみたり、太宰をキリストになぞらえてみたり、いろいろ詩を書いてみたり。
五月五日なんて三行しかないけど、
「太宰治、誰かの旦那さん。私が書いた絵で、似ているのは鼻だけ。
恋愛。眼鏡のツルが壊れてしまった。
くっきりとしたお月夜。」
美しい詩になってる。
ここが好きって書き始めると本当にきりがないのでやめるけど、感情の発露に読んでいて度々はっとする。
「私の大好きな、よわい、やさしい、さびしい神様。」
ずいぶんひどい神様だよね。他に女が複数いてもそんな悪びれないし大事にするとか口だけだしね(笑)
サッちゃん救ってよ、って言うけど、自分が救われることなんかないって、ただこの女の人をぼろぼろにするだけだって分かっていながらそう言って縛って道連れにしたんじゃないかと思ってしまう。いけないね。