本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4907953071827
感想・レビュー・書評
-
テレビである映画館の特集をやっていて、映画館の人がこの映画の手作り巨大展示物を熱心に作っていたのを見て、その情熱にほだされた。
「この映画に興味を持ってもらいたい」
といって作られた巨大毛むくじゃら人形(映画に出てくる)は言い方は悪いが怨念がこもってるようで、画面のこちら側にも伝わる圧倒的な存在感。そんな愛情(仕事ですが)を注いでもらえる作品は幸せだな、と思った。
この作品は一瞬で心を掴まれる、というより観ている内に段々段々好きになっていった。最初は162分長いな、と見る前からウンザリしてたのだが、観進めるにつれ、時間なんて気にならなくなった。
キャリアウーマンのイネスは実家を離れ、都会で忙しく毎日を過ごしている。ある日、父が突然訪ねてきた。冗談ばっかり言っていて、いまいちそりの合わない父。
「いつまでいるつもりなの?」
「一ヶ月休みを取ってきた」
「......」
「今本気で恐れたな」
そんな父をなんとか数日やり過ごしたイネス。
帰ったと思ったら今度は女子会の食事の時に現れる。
長髪のカツラ、付け歯で変装して、自らを『トニ・エルドマン』と名乗って。
友人達にさんざんホラ話を話して帰る父。いや、トニ・エルドマン。
「何、さっきの人!」
「見た?あの歯!」
その後も、彼女のいるところあちこちで『トニ・エルドマン』は出没する...。
前半は成功しているある程度の年齢の女性と、田舎のうざったい父親の微妙な関係が、淡々と積み上げられるように描写されている。父が自分を心配する気持ちも分かるけれど、上手に応えられないイネス。そんなイネスが『トニ・エルドマン』との関わりで変わる。
最後の方でイネスは‘ある思いつき’を実行する。観てる方はハラハラするやら可笑しいやらホッとするやら。
ハリウッドの名優、ジャック・ニコルソンが「父親役は俺がやる」と言ってリメイクも決定。数々の映画賞を総なめにし、雑誌の2017年度映画ランキングで一位に押す人が続出。偏愛される映画らしい(笑) -
映画館にて。
面白かった!
珍しく、映画館で声を出して笑ってしまった!!
家族というしがらみは、
時にひどく退屈で、
時にひどく苛立ちを感じる。
真剣になるほど滑稽なのだけれども、
そこにある愛情と切なさとの同居を、
こんなに丁寧に描き出せるのは、
映画だからだ。
あー!もうー!!
くそったれー!!!
ってな感じで、
自分を解放したくなる瞬間、
どうしようもないと思っていた、
父親がよぎるのだ、娘は。
現実世界では、
抱きしめ合えたり、
苦笑いし合えたり、
やり直せることができないことがあるからこそ、
象徴的なフィクションを観ていると、
どうしようもなく笑えて、泣けるのだ。 -
『ありがとう、トニ・エルドマン』
はじめっから、トニという人物が浮き彫りにされる。楽しませることが、自分の生きがいでしかも直接的な言葉や、行為やモノでそれを実現するというのではなく、常に意外性を供えて相手に軽いおどろきを与える熟練の人の楽しませ方だ。そんな振る舞いが体に染みついてしまっている。
日本では関西人をよくそういうイメージでとらえるけど、トニの場合は喋りじゃないんだ、発想と身に染み付いたおふざけが人格と一体化したところまできている。
そして、次にバリバリのキャリアウーマン、娘のイネスの仕事振りが描かれる。国際的なビジネスのコンサルタントとして忙しくオフとオンの境目のない日常を繰り返している。
ある日、父トニがこの忙しく暮らす娘が心配で、突然彼女の職場にこっそりに訪れる。そこから、この親娘の関係性を様々な角度から眺めていくことになる。
終始この強烈な個性の父親が、自分の仕事に及ぼす迷惑に困り果てていたイネスだが、映画の中盤あたりから、自分の中にかつて父との間で築いてきた記憶がポツリポツリと蘇ってくるかのように、振舞ってしまうシーンが出てくる。圧巻なのが
「ホイットニー・シュヌック!」からの無茶振りで父親がピアノ伴奏を弾き、娘がホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love for All」を歌うシーン。
見事な歌唱力、とても無茶振りに応えているといったものではない。
「自分自身を愛せるようになろう
それが何よりもすばらしい愛
君が夢見ていた場所が
寂しい場所になってしまったら
愛が君を勇気づけてくれる」
という歌詞がそれを歌っているイネス自身に響く、かといって自分の生活の大半を占めているコンサルタントから離れた自分は想像できない。そんな葛藤が「Greatest Love for All」を歌い終わった後に急いであの場を逃げるように立ち去る姿に現れていた。
このシーンはこの映画の最大の見せ場でもある。
それは、このシュールな映画でサンドラ・フラーが見せた強烈なサプライズの一発目だった。
多くの場面で、周囲に新鮮で軽い驚きを与える父トニに対して、イネスはクールで淡々としている中で、とんでもない驚きを与えてくれる。
2発目は全裸パーティーを開催するに至るまでのドレスを脱ごうとしてもがくシーン。さらには、全裸のまま客を迎えに玄関にいく姿。あれは明らかに笑いを取ろうとしているのに、ものすごくシュールに描いている。
映画のシュールさは最後まで失われず、意外なほどのラスト。
こういう映画は今までに観だことがなかった。本当にいい映画を観たなって感じ。ありがとう。
-
何これ
最高の映画
映画はこうでなくちゃって思わせてくれるんだけど、今までになかった映画
だからといって奇をてらってクレイジーに見せてるわけでもない
ヘンテコに感じる人もいるかもしれないけど、私にはとっても普通で、とっても生々しくて、とっても伝わってくるし、とってもわかりやすい
家族の問題も、社会の問題も、生きるということも、男女の問題も、差別の問題も、偏見も
何もかもが全部表現されているような気がする
マーレン・アーデ監督すごいな
他の作品も観てみたい
難しいことせずにこんな感覚を与えてくれた映画は初めてかもしれない
普通が異常で異常が普通 -
ユジク阿佐ヶ谷にて鑑賞
-
-
cdiorksさん、はじめまして!
わたしの『トニ・エルドラン』のレビューにコメントありがとうございました(^-^)
こちらにお返事...cdiorksさん、はじめまして!
わたしの『トニ・エルドラン』のレビューにコメントありがとうございました(^-^)
こちらにお返事書かせていただきますね。
ジャック・ニコルソンはリメイクを降りたそうです。
映画自体の企画はまだ残っていて『キッズオーライト』の監督&脚本家コンビ、娘役はクリスティン・ウィグの予定だとのこと。
どんな感じの映画になるか今から楽しみです。
淡々としてるけど、心に残る素晴らしい映画でした。こういう映画を観ると、世界共通、普遍的な事ってけっこう多いんだなと思います。
またいつでもコメントお気軽にどうぞ~(^-^)2019/02/15 -
2019/02/15
-
-
しっかり者の娘と
ちゃらんぽらんな父親の物語。
途中、父親のことが嫌いになりそうなぐらい
鬱陶しい存在なんだけど、
見入ってしまう魅力は、確か。
終盤爆笑してしまった場面があるが、
コメディじゃなく、ユーモラス。
泣きの映画じゃないのは、
タイトル間違いだろうな。
本棚登録 :
感想 :

引退宣言してませんでした??それくらい心を掴まれたってことか〜。5552さん初めまして...
引退宣言してませんでした??それくらい心を掴まれたってことか〜。5552さん初めまして?初めてコメントというものを書きました。これも映画の力でしょう。映画を語られるレビューの熱さ楽しく読ませていただいております。ありがとうございます。
いい映画や本に出会ってその情報を共有できる場ではあってもコメン...
いい映画や本に出会ってその情報を共有できる場ではあってもコメントは敷居が高いと思っていました。
同じものに触れても感じ方は人それぞれ。
これからも宜しくお願い致します。