これからのSierの話をしよう エンジニアの働き方改革 ThinkIT Books [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • SIerの経営者が、これからSierのエンジニアや経営者はどういうふうにしていけばいいかを書いた本。
    特別目新しいことが書いてあるわけではなかったけど、納得できる部分も多かった。
    「SIerのホームページを見ると「技術力」「 ソリューション力」「高品質」などの漠然とした強みをアピールしている会社が多い」って、うちの会社もそうだなと思った。全く持って特徴や強みが見えない。じゃあ、なんて書けばいいのかと考えても確かに思いつかないんだけど…。
    驚いたのが、SIerの多くは帰社日を月1日としているということ。うちの会社は特別、帰社日というものはないなぁ。せいぜい、半年に1回、全体会議があるぐらい(来ない人も多い)。他に社員旅行や忘年会などのイベントごとではある程度集まることもあるけど、もっとうちの会社も客先常駐の人が集まる機会を多くしてもいいのかなと思った(ちなみに、著者の会社は月3日ぐらい帰社日があるらしい。そんなに多いと、面倒くさがって嫌がる社員が多そうな気がするけど)。
    後、性別や人種によるキャリアアップを阻む差別のことを、「グラスシーリング」や「バンブーシーリング」と呼ぶということを初めて知った。こういう言葉ができるぐらい、よくあることなんだろうな。うちの会社ははたしてどうなんだろうか…。

  • キャリアの終着点として経営者を強く志望しているためマインドを理解したいと考えたため。

    これからのSIerが目指す方向性

    1、現状のSI
    ・なぜ常駐型のSIが多いのか?(常駐型ではないのは請負型)

    コンペなどに出なければならないため、請負開発案件獲得には営業力などが必要になる。
    →若い会社には請負開発の案件獲得が難しい。また加えて、常駐は人月で報酬が入ってくるので、案件が倒れたとしても会社の利益になる。(利益の試算がしやすい)
    だから常駐型のSIが多くなってしまう

    2、事業の視点で取り組むべき改革

    ・KPIを設定すること
    →主要業績評価指標。つまり、数値目標を設定するということ。KPIを設定することで、計画を具体的に立てれるようになる

    ・退職者を減らすこと
    →SIにとって人が止めることが1番の損失。退職希望者にアンケートを取る

    ・先行投資をすること
    →会社に必要な設備を徹底する。SI企業は人が商品。

    ・社員育成、社内環境を整えること
    →メンタルヘルスは心が壊れる前に。自社のミームを設定して社内で意識の統一。

    ・会社のコアコンピタンスを作る
    →コアコンピタンスは元々ないもの。選び、作り上げていく

    ・稼働率をコントロールする
    →稼働率は高ければいいわけではない。80%くらいでコントロールして、社内勉強会などに参加させる機会を取るべし。

    ・SIer内部のIT刷新を行う
    →意外とIT企業のIT化が進んでいない。最高情報責任者(CIO)を作る。CIOの戦略的IT投資で効率的な業務環境を構築する。


    ・価値の考え方
    →良いソフトとはなんですか?使い勝手が良いソフト

    ・生産性を意識する
    →原価+利益=販売価格ではない。市場価格―利益=原価!
    市場の平均価格を意識して、とにかく生産コストをカットしていく
    “look製造業”

    3、個人が目指すべきこと

    ・キャリアパスを考える
    →プロ意識、ATI(圧倒的当事者意識)。時間を作りスキルを磨く

    ・周囲に5%だけ貢献する
    →パラダイムシフトは”チャンス”、やらないことがリスクになる。
    →手を上げること。手を上げたら自分の仕事になってしまう。しかし、それは同時に評価のチャンスでもある。しっかり準備した上で手を挙げることはだいじ。

    ・正規分布を意識したコアコンピタンスづくり
    →コアコンピタンスを探す、むしろ選びにいく。sky is the limitの精神で頑張る。

    ・外部とのつながりを持つ
    →1つ以上のコミュニティに参加する(できれば同業種、異業種は友達レベルにしかならない)

    ・“エンジニア”に正しい認識を持つ
    →プロ野球選手は休みの日にストレッチしないのか?会社が教育してくれない。 は完全に言い訳。Disる前に実力をつける。

  • 求めてたものと違う。もうちょっとSlerの現場について知りたかった。

    英語の記事で「アメリカではIT業界」と書いてあるからアメリカでもIT業界は大変なのだっていう論理があって、おいおいマジかって感じ。

    ・売上高
    ただ、売上高に対してIT支出はだいたい1%ってのは勉強になった。

    ・36協定について
    https://www.teamspirit.co.jp/workforcesuccess/law/36agreement.html
    時間外労働が1ヶ月45時間を超える回数は6回以内と定められており、それ以上になると違反となります。

  • エンジニアとして個人・組織がスキルアップするために何をしたらよいか、具体的に書かれている。Sier 従事者として、残業時間を減らすのは無理、帰属意識がないのは仕方ない、スキルアップしなくても営業が強ければお仕事はなくならないビジネスモデルだと考えていたが、そんなことはないのだとわかった。周りと一緒に、本書の内容を実践していきたい。

  • 前職は中小SIerとして大手SIerに常駐するような職場だった。その時はドンピシャの状況だったが、転職したので少し事情が変わった。SIerならではの問題というのを解消することに対してはかなり懐疑的。現職も多少はSIの要素があるので参考にする部分はある。結局は会社に依存せず個人がどれだけ力を発揮できるかか。

    ●なぜ「SIerはダメ」と言われてしまうのか
    ・SIerが抱える「会社」と「個人」の問題
    ・常駐・派遣ビジネスの問題点
    ・元請け、下請け、孫請け…「ピラミッド型」業界構造の問題点
    ●事業の視点で取り組むべき改革を考えてみよう
    ・まずはKPIで事業を数値管理!
    ・社員も大事な財産!企業にとっての大損失の退職者を減らす
    ・あなたの会社は「先行投資」を」していますか?
    ・「社員育成」は会社の総合力を上げるための王道!
    ・社員がイキイキ働ける職場づくり
    ・メンタルヘルス問題を見て見ぬふりをしない
    ・会社のコアコンピタンス(強み)をみんなで作る
    ・社員それぞれが「生産性の向上」を意識する
    ・自ら情報システム化を一気に進める
    ・営業・マーケティングを疎かにしない!
    ・経営者としての経営力・マネジメント力を身につけよう
    ●SIer企業で働く個人が目指すべきこと
    ・プロ意識を持って自らの成長プランを描く
    ・社内に閉じこもらず、積極的に外へ出よう
    ・自分のコアコンピタンスを磨いて尖る
    ・自分を取り巻く世界に5%貢献する

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著者プロフィール



「2016年 『グラス片手にデータベース設計 販売管理システム編 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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