さらさら流る [Kindle]

  • 双葉社 (2017年8月19日発売)
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みんなの感想まとめ

一人の女性が過去の恋人によって引き起こされた衝撃的な出来事を通じて、自分自身を再発見していく物語が描かれています。主人公の井出菫は、かつての恋人に撮られたヌード写真をネット上で見つけ、彼女の周囲の親友...

感想・レビュー・書評

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  • 明確な悪意はなくとも、リベンジポルノされた側の女性が、自分を受け入れていく様と、した側の男性が自分を見つめ直していく様を描いた作品。
    日陰を生きているような気持ちで生きていると、最初から眩しいような相手に憧れる気持ちと憎む気持ちがあるのは理解できます。が、こうなってしまうまで、相手の陰の部分に気づけなかったのは、男性側の幼さ故。
    2人とも、ここで終わりではない。これから先を思えば、どうしてもつらさが残る物語でした。

  • 28歳の井出菫は、かつての恋人に撮られた自分のヌード写真をネットで偶然発見する。親友の百合や家族、弁護士の助けもあり、写真を消去するために動きながら、菫は元恋人・光晴との日々や彼自身を思い起こす。彼と一緒にいたとき、私が私でなくなるような感覚にいつも陥っていた……。ひとりの女性の懊悩と不安をすくいとりながら、一歩ずつ自分の身体を取り戻す姿を描いた会心作。

    親友の百合よかった

  • 「リベンジポルノ」かと思われる自分の裸の写真を井手菫がネット上で偶然見つけたのは、垂井光晴と別れてずいぶん経ってから、なぜ?親友の百合に相談すると弁護士を通じて光晴に話し、インターネット上の写真を一つずつ削除し犯人を探り当てると言う。
    柚木麻子作品としては珍しく暗いテーマの話が続く。大学のサークルの渋谷での飲み会で、深酒して酔いつぶれた光晴の介護をした菫、終電を逃し朝まで時間を潰そうかな、と考えていると彼が「渋谷川はこの先暗渠になって玉川上水に繋がるんだよ」と、菫の知らないことを話した。二人は世田谷の菫の家まで暗渠を遡る探検に出かける。朝方、家に到着すると、「シャワー浴びて少し寝たら?朝ごはん一緒に食べない?」と、言われた。付き合う前から家族に紹介される奇妙な体験。菫の親友百合は菫が光晴と付き合う事に嫉妬を抱く。菫はいい子で居ようと努力するが、光晴との間に隙間風が吹き始め、彼を理解しようとすればする程、彼は自分中心の我儘になり二人の溝は拡がるばかり。彼のたっての願いで裸の写真を携帯で撮らせたのも…
    彼が酔った席で、彼女の裸の写真を働く塾の同僚に見せ、酔いつぶれた中華料理屋の主人は彼の塾の生徒の父親、若い女子の裸の写真をパソコン上で拾い集めるのが彼のストレス解消法。菫の写真を自分のパソコンに取り込み、インターネット上にアップしたのだ。犯人が分かった。さて、菫はどうするのか?

  • 光晴の家庭環境には確かに同情する部分もあるけどキモすぎるとしか思えない。酔っ払ったらなにしてもいいわけないし許されるわけないよね、?!?
    菫がなんとか前を向いて生きていこうとする姿はよかった。家族や親友がどこまでもあたたかくて心強かった。

  • 1人の女性がある出来事をきっかけに自らの過去と現在、受けた傷に向き合い真摯に未来に向かっていく様が丁寧に描かれている

    菫の回りに理解があって温かい人たちが集まっていてよかったなあと思うのと同時にその健やかな環境で育った真っ直ぐな菫に光晴は惹かれていったという描写があるので何だか健やかな環境というのはある人々にとっては一種の暴力に強いのかも…と思った
    眩くて憧れるからこそ傍にいたいと願っただろうし、その気持ちだけに向き合っていれば2人の関係ももっと健やかで違った未来が紡がれていたんだろうなあ

    ただもう光晴はダメや!ダメ過ぎる!菫の愛を確かめるような行動をとったりわざと嫌な言動をとったりモラハラ…
    酒でダメになるじゃなくてもともとダメな人というのを酒が暴く…みたいな言葉があるけどその通り
    酔っぱらって菫の画像を皆に見せてたのとか本当にありえない

    最初の暗渠探検のときにまだ出会って間もない気になる女の子におれの家はこんなに複雑で~とかしゃべるか…?どんなに複雑な家で育っていてもそれを理由に相手を傷つけたり粗末に扱っていいということにはならない
    光晴の章は全体的に僕って大変だったンだよ、という可哀想なボクが散りばめられていた

    最後は菫の自分の体を取り戻したいという方法が親友の百合に絵を描いてもらうというのがよかった
    頭の先から足の爪まで百合に描いてもらったことでやっと菫は自分を取り戻したんだろう
    菫の受けた傷は計りしれないけど、大ケガもだんだん治ってかさぶたになるようにいつかあんなこともあったと遠くを振り返るようであってほしい

    井出家の家族、家のざっくばらんな様子と最初の暗渠探検のもしかしたらこの先も続いていくかもという予感をはらんだ2人の描写がとてもよかった

  • 題材が重くて苦しいけど支えてくれる友達、百合との友情がアツい。あんな友達欲しいし自分も誰かのああいう存在になれたらいいなと思う。

  • 28歳の菫は大学時代の恋人・光晴に撮られた裸の写真がネットに流出したことを知る。
    親友の百合や家族に支えられながら安くはない金額を支払って写真を消去するために行動するが、以前のような気持ちで働いたり日常生活をを送ることはできない。
    光晴との日々や彼について思い返す菫は、かつて愛する彼を失いたくないがために“自分が自分でなくなるような”行動を取っていたことを思い出す…。

    自主的に(と他者に思われるような)ヌード写真を撮られた菫は簡単に被害者として扱ってはもらえない。
    信頼して相談した同性の同僚・咲坂には撮らせた落ち度があったからだと責められる。
    咲坂は望まないセクハラ被害に遭った女性は積極的にかばっていたが、菫に対しては自己責任だと吐き捨てる。
    作中では何度も「女性だからこうあるべき」「女性ならこうであるはず」という社会的に求められる女性の振る舞いが出てくる。
    咲坂の反応は、女性は性的に慎ましやかにあるべきだという思い込みから起こるものだ。

    光晴が酔って、菫のことを罵倒しながら裸の画像を周囲に見せていたというのがグロテスク。
    まさにさまざまな感情が入り混じった“リベンジポルノ”だと思った。
    その一方で、無関係の人々は菫のヌード画像をただの人格もない肉体として消費しているのが対照的だった。

  • むかしの恋人に裸の写真を流出させられたことによる物語。

    題材のせいか読むのが苦しかった、頑張って読んだ。

  • BUTTERがめちゃくちゃよかったから読んでみた。題材的にスッキリしない話ではあった。

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著者プロフィール

1981年東京生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、デビュー。2010年、同作を含む『終点のあの子』を刊行。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほか作品に『私にふさわしいホテル』『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『本屋さんのダイアナ』『マジカルグランマ』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『マリはすてきじゃない魔女』(絵・坂口友佳子)『あいにくあんたのためじゃない』などがある。2022年に初のエッセイ集『とりあえずお湯わかせ』を刊行。2022年、作家の山内マリコとともに「原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。」と題した声明を発表する。

「2024年 『柚木麻子のドラマななめ読み!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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